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15, 7才 ②

お待たせしました。

久しぶりなので、主人公に違和感があったらすみません。


誤字脱字は後で直しますが、内容に変更はありません。




母たちに見送られ、馬車に揺られて旅すること三日目。

わたしとケイは、サンルテア領地の領都グロスデンに入る手前の町サルカのホテルにいた。


秋晴れの穏やかな季節の日差しが、庭が見える窓から降り注いでいて、まったりする光景。良い天気でお昼寝したいです。惰眠大好きなので!

でもそんな事をしたら、お母様たちの耳に入って少なくなったマナー教育の時間が増やされるので、出来ないんだけど。

そんなことをぼけらっと考えていると、急遽日程が変えてこの町に泊まることにしたために、宿泊手続きをしていたケイや護衛の『影』であるラッセルやマシューが戻ってきた。


噴水公園がある大通りの一番豪華なホテルで、部屋がとれるか心配していたけど、宿泊手続きはすんなりと終了した模様。ロビーの大きな柱時計が午後四時過ぎを示していた。


ここはサンルテア領内にある小、中核都市の内の小都市の一つ。本当ならこのサルカよりも近い中核都市のクレスタを経由して、今日中にサンルテア本邸に入る予定だった…のだけれども。


もちろん、遠回りしたことには理由があって。

ここに来る前に立ち寄った町や昨日泊まったホテル等で、連日起きている魔物の騒動の他にも、あちこちで盗みを働いている盗賊がいることを聞いたから。


魔物の方は、各地の私兵団『夜』が連携して、いつも通り速やかに対処され、こちらも毎回ながら被害はなかったらしい。魔物の話をしていた人々は、この領地では領主様が守ってくれるから大丈夫、不安はないと笑っていたが、最近の現れる頻度が多くて、どうしたのかと首を傾げていた。


わたしはというと、叔父様たちの頑張りが評価されていて、慕われているのが嬉しくて、ついにやけてしまった。━━あ、大丈夫です。まだ不審者扱いされるほど、気持ち悪くないはず。……たぶん。


とりあえず、魔物は対処できているから問題ない。問題は人間の方。盗賊だ。

西の港町から徐々に移動して東━━王都へと移動して来ているようで、少人数で小回りがきくからか、すばしっこくなかなか捕まらない。一所に長居しないで、拠点を次へ次へと変えているせいもある。

少し裕福な店や家や宿から根こそぎ奪うのではなく、ちょこちょこ盗んでいるので、被害はそれほど大きくもなく、被害者もまぁ全部奪われるよりはと腹立たしくも困るくらい。


港町から端を発すること四日。

サンルテア領内で警備隊が未だに捕まえられないというのは、ちょっとまずいみたい。少しとはいえ被害には誰だって遭いたくないよね。『夜』が忙しいのはわかるけど、時間がかかっている、自分たちの町まで来るかもと不安に思う人たちが出てきていた。


それで昨日、こちらに近づいて来ているからちょうど良いし、何なら今日待ってみて、遭遇したら捕まえようとなった。遭遇しなければ、明日はお屋敷に行くことにして。

本来であれば領地のことは『夜』に任せて、手出ししないのが波風を立てなくていいけど、今のケイは領主代理。この問題を無視するわけにはいかない。


『夜』も無能じゃないんだよね。すぐに包囲網をしいたり、先回りして次の町を見張ったり、検問もした。けれど、盗まれた人たちが気づいて被害届が出されたときには、盗賊たちは既に去っており、見張りの町を越して次の町でまた盗んだり、すぐ移動したり、検問にもひっかかからない。


各町に潜ませている『影』は、そんな盗賊たちの居場所や逃走ルートを独自に捕捉しているけど、『夜』には『影』を頼る気が更々ない。困ったもんだねー。

それで迷惑を被るのは自分たちが守っている民で、自分たちの評価も下げることになるのに。何より、わたしの従兄弟と叔父様の責任になるんだよ?


自分たちの評価は勝手に下げてくれて構わないけど、恩あるわたしの親戚に迷惑をかけるのはやめて欲しい。わたしの中で会う前から勝手に『夜』の株が駄々下がりしております。


そんな『夜』だけど、一昨日の晩、整備された道ではなく使われなくなった旧道を、賊と魔物を警戒しながら『夜』の二人が見回りしていると、偶然にも暗い林の中を歩く不審な四人組の男たちを発見。


呼び止めたものの逃走したので追いかけ、途中で四人バラバラに散らばられ、逃したらしい。密猟者か、恐らく賊じゃないかとの報告が『夜』から領地の仲間に通達されたとのこと。


それは間違いなく巷を騒がせていた盗賊だったけど、その余計な介入のお陰で『影』が雇って後を追わせていたギルドの冒険者も、盗賊たちを見失ったらしい。目下、鋭意捜索中と『影』から報告があった。……事情は知らなかったんだろうけど、何てコトをしてくれたんだろうね、その見回り二人は。

しかも結局は取り逃がして、どこに逃げたかもわからないって。


とりあえず、さっさと賊を掴まえてケイに花を持たせよう! ━━と、密かに画策し、日程の変更を申し訳なく伝えてきた一同に、笑顔で大賛成した。むしろ乗り気、その方がいいとオススメする感じで。


「さすがお嬢、話が分かる!」と、ラッセルたちはほっとしたのに、ケイが胡乱げにわたしをじっと見てきたので、鉄壁の笑顔を返しておきました。相変わらず鋭い、この従兄弟。

護衛でも一番若いデゼルが心配そうに交互に従兄弟とわたしを見てきたけど気づかないふり。━━ワタシ、何も悪いコト考えてマセン。ちょこっと人助けと捕縛を協力しようと思っているだけだよ!

でも今のところケイから尋問がなくて、安堵してます。


だって、ねぇ。

これでもわたし、領地に来るの緊張してたんだよ?

魔物対策どうしようとか、ちゃんと守れるかなとか、鋭敏な従兄弟をどうやってこっそり見守ろうとか、もしギルドの護衛の中にスパイとか紛れ込んでいてケイに手を出したらとか……。

移動中の馬車でも心配して不安で。


まぁいっか~とお気楽に済ませるわたしが、ハゲそうなくらい真剣に悩んで悩んで。まずは起点となるお屋敷で、ケイたちの日程確認やギルドに頼んだ護衛たちをじっくり品定めして様子見してから、なんて思って落ち着こうとして。


この際ラッセルたちでも、後から合流予定のアッシュでも、それこそ必要なら各精霊王をぴったり護衛に配置しようとぐるぐる考えて。美味しくその土地土地のご飯とおやつをしっかりいただいて、ちゃっかり買い食いしつつ悩み抜きましたとも!! ━━個人的に、ふかふかの蒸した肉饅頭と、ベリーケーキが絶品でした!


そんなところに、余計な悩みを増やしてくれた盗賊騒動。『夜』も『影』を邪魔してくれたようで、真剣に頭が痛くなった。だから、良い意味に前向きに捉えることにした。

これはもう、わたしの不安定な精神を憂慮してくれた神様か仏様が、思う存分ヤっちゃっていいよ! (親指たててウィンク付)的なイベントかなと自主的に勘違いしたよ。━━喜んでフルボッコ対処させていただきます! ケイたちの為にも是非、可及的かつ速やかに捕まって貰おう。


でもこれ以上は本当にもう、余計な面倒を増やさないで欲しい。ないとは思うけど、この盗賊のせいでケイたちが怪我をして魔物退治に影響が出たらとか、つい考えすぎてしまうから。悩みって尽きないものですね……。


そんなこんなで、わたしたちはサルカ町のホテルにいて、ケイたちが宿泊手続きをするのを、わたしの護衛として側に残ったデゼルとセスと大人しくロビーの椅子に座って待っていた。お客様に何かあったときのために、薬草も取り揃えて育てていると従業員から聞いた庭━━木々の奥にある温室を熱心に見つめながら。


ロビーの立派な柱時計が十分ほど進んだくらいで三人が戻ってきて、わたしは部屋の黄色の花飾りが付いた鍵を貰った。何でも最上階のワンフロアを押さえたようで……怖いから値段は聞かないことにした。


他の人には触れさせず自分たちで荷物を持ち、六人で二台ある魔法を使った昇降機━━エレベーターのうちの一機を使って七階に降り立つ。さっすが、新しい高級ホテル。最新技術のエレベーターをもう取り入れてるなんて。王都でもまだそんなにないのに。

降りてすぐに、一本道の絵画やら花瓶やら甲冑が飾られたくすんだピンク色の絨毯が敷かれた廊下。右側には扉が三つ。左側にはドアが五つ。


わたしは右側の一番奥の部屋。そこの扉に鍵と同じ黄色い花のプレートが飾られていた。ケイは扉を一つ挟んで、エレベーターを降りてすぐの右側の手前の部屋。青い花のプレートが飾られている。

ラッセルたち四人は左側の五つのうち、四部屋を手前から使う模様。左側は全部白い花のプレートが掛かっていて、手前から一輪、最奥が五輪の白い花となっていた。


ひとまず荷物を置きに各自部屋に入った。

扉を開けるとそこは、テーブルソファーセットがある落ち着いた雰囲気の応接間のような部屋だった。本棚があり、領地の歴史や子供から大人向けの小説や哲学書やらが並んでいる。調度品も上品で雰囲気もいい。奥の窓際には机があって、書き物をするのに最適そう。その奥にはバルコニーへ続く窓。

そして左の奥と右の奥には更にドアがあった。


わくわくと探検気分で左奥のドアを開けると、トイレとお風呂だったので、ちょっと気分が下がった。

気を取り直して、右奥の続き部屋のドアを開けると、キングサイズのベッド。クローゼットや鏡台があり、サイドテーブルにはシェードランプが置いてある。本棚もあり、絵本から小説、自伝書やら選り取りみどり。さらに窓際の側にまたドアが。


ベッド横にトランクケースを置いて、わたしは早速ドアの前に向かった。

因みに、荷物はこれで全部じゃない。ケイたちは先に領地に送った物もあるみたいだけど、当初、わたしが小さめのボストンバッグにまとめた荷物の他に、大きい衣装ケースや小物が入ったバッグ、たった今部屋に置いた車輪がついてガラガラと移動しやすいトランクケースがお母様とメイリンの手で追加されました。


『リフィちゃん。どうして女の子なのに、こんなに荷物が少ないの。シャツとズボンばかりでは駄目よ?』

『長旅としては見事なまとめ具合ですが、お嬢様はもっと他のお嬢様のように、尊大なご令嬢らしく振る舞ってもよろしいかと思われます』と、大好きな二人に嘆かれながらも、増えた荷物。


あの、お母様?

わたしは旅行ではなくて、大事な従兄弟の運命をぶっ壊しに行くんですよ。ドレスだと動きにくくてですね、というかそんなに要りますかドレス。お茶会なんてないですよ。一週間の滞在で、ケイを見守りながら魔法や体術や剣の訓練をしつつ、魔物が襲ってきたら、全力で叩き潰す必要があってですね……。

━━とは、言えなかった。


せいぜい、一週間の滞在でお茶会も観光も誰かと会う約束もないですよと、持ち運びも大変ですしドレス十五着も要りません、とやんわり告げたら、メイリンが勘違いしてくれた。

本邸にはシェルシー様のお洋服が残してあったはずです、と。

何故か急ぎで丈を直してリメイクするよう指示が、サンルテア領地のお屋敷に出されていました。挙げ句、装飾品も用意しておくようにとも添えていた。にもかかわらず、追加された持っていく荷物。……もう余計なことは言うまい。


ただ、ケイやラッセルたちに、あの荷物量を見て呆れられるかなと憂鬱に思っていたら、こんなに少なくていいのか? と驚かれ、おかしいのはわたしなの!? と不安になった。

まぁ、それも良い思い出だよね…。


ドアノブを回して押し開けようとしたら、ガチャガチャ鳴るだけで開かなかった。よく見ると、内鍵があってそれを解錠しないと入れないみたい。でも何故にわたしの方から開ける鍵?


廊下の間取りから察するに、確か赤い花のプレートが飾ってあった三つあった扉の真ん中の部屋だよね。赤い花の鍵は誰も持ってなかったけど、どうなってるんだろう。


ドアノブの下にある内鍵を解除してドアを開けると、まず白いテーブルクロスに飾られた大きな円卓が目に入った。十人は座れそう。

食器棚に簡易キッチン、これまた十人以上が座れそうなL字型のソファーにテーブル。お酒の棚に、壁にはダーツの的。壁際の棚には分厚い本に、各種ボードゲームやカードゲーム、大人も遊べるオモチャがインテリアのように並べられていた。


窓の反対側には廊下に繋がる扉があって。

大きなリビングみたいだなと、将棋や囲碁やチェスやオセロと、何でもありなラインナップを見ていると、わたしが開けたドアと部屋の空間を挟んで向かいにあるドアが開いて、ケイが顔を出した。


「ここに来てたんだ。荷物の片付けは終わった?」

「え…と、明日すぐ出発だし、そんなに用意する荷物もないからそのまま━━じゃなくて。ナニこの部屋、もしかしてこの部屋を挟んでわたしとケイの部屋が繋がってるの?」

「うん、そう。侵入者があっても僕の部屋やラッセルたちの部屋の前を通りすぎないと、ドアからはリフィの部屋には行けないようにしてみた」


平然とナニを言ってんのかな。何ですか、その防壁は。

わたし、そんなVIP対応を受ける重要人物じゃないんですが。むしろ、それを受けるべきなのは、次期領主であり、男爵になるケイでしょ。

そんなケイの従兄弟だけど、わたしは平民。傾きかけたしがない商会の娘だから。


「大丈夫だよ。この部屋から僕とリフィの部屋に入るには、僕たちが部屋から内鍵を開けないと入って来られない造りだから」


それで、部屋の鍵が内側にあったんだ。納得したけど、そうじゃない。わたしの泊まる部屋に行くのにそんな苦労があるのなら、部屋を出るわたしも同じということ。抜け出そうとするなら、その面々を欺いていく必要が……って、ないか。抜け出す用事とか。


困るのはわたし宛のギルドの依頼が来たときだけど、ルワンダさんにはこの期間は休業ですと伝えてある。何たって文字通り、従兄弟の命が懸かっている。

なので、どうしようもない緊急事態のとき以外は連絡しないようお願いしてあった。


「こんなにガチガチの守り必要ないよ」


一応言ってみたけど、ケイには「まぁ念のためね」と素敵笑顔ではぐらかされた。くそぅ、わたしがその笑顔に弱いのを承知で仕掛けてくるとは━━次は女装付きでお願いします!


そこにガチャリと、解錠の音が響いた。扉に注目するとタイミングよく、デゼル、セス、マシューが廊下の扉から入室。

赤い花の鍵は、この三人の中では二十八歳と年長のセスが持っていた。


今回の領地視察で、『影』の中から護衛に就いたのは四人。

それが、鍵を持っているセスとその同期で一つ年下のマシュー、二人の弟分である十六にして若手の実力者のデゼル、それからラッセル。


セスはくすんだ金髪に、青い三白眼で身長が一番高い護衛。本人曰く、デゼルの兄貴分で、マシューとは腐れ縁なんだって。鋭い目が怖そうに見えるけど、細身なのに力持ちで魔法よりも武芸が得意ないい人。


そして『影』で最年少デゼルの二人目の兄貴分が、一つに括った栗色の髪に青灰色の目をした柔和な顔つきのマシュー。情報収集、操作が得意で、基本見た目通りチャラい。『影』の中でも常に女性と付き合い、娼館にも通っているけど、それは情報収集の一環だそうで。他のメンバーからその噂を聞いたら、熱心に弁明してきたけど、スルーしといた。


次にデゼルは、ゆるふわの茶髪に懐かしさを感じる黒目で、十六歳にして『影』の幹部候補。実年齢より若く可愛らしい容姿で女装の潜入もバッチリこなしてた♪

優しく真面目で、武芸も魔法もどちらも得意。本当に良い子なんだよねー。年も近くて話しやすいお兄さんって感じで。


最後に、四人のまとめ役で一番年長の三十四歳のラッセル。『影』の任務でも、度々、小隊長を任せられるベテランで、組織の中でもムードメーカーの兄貴分。いつも陽気な人柄の黒髪、琥珀の目のおじさ……ごほんごほん。お兄さん。

この四人が今回、ケイとわたしの護衛に付き添ってくれた。


『影』をまとめるクーガも、その補佐で実質の作戦の指揮を執ったりする隊長のダグラスも、『影』のトップが確執ある『夜』の本拠地にいくにはまずいからと、白羽の矢が立ったのがラッセルを含めた四人。はっきり言って、このメンバーで敵なんてそういないね。


因みに余談で、『影』に在籍している私兵団は全員、名字というかファミリーネームを持たない。本当はあるけど、『影』にいる間は、そういうものに縛られて仕事ができなくなると困るから抹消される。だから『影』の皆それぞれ名前は知っていても、どこで育ってどんな家柄の出身かは明かされていない。幹部になれるかどうかも、全て本人の実力勝負になっている。


それはともかく、廊下の扉からリビングみたいな赤い花の部屋に入ってきたのは、三人。

『影』三人のまとめ役であり、今回、ケイとわたしの護衛も兼ねて四人一組の小隊長を務めるラッセルの姿がない。

どうしたんだろうと扉を見つめていると、背後から声がした。


「おいお嬢、頼むからもう少し警戒心を持とうな」

「へ?」


振り返ると、続き部屋のわたしの寝室からラッセルが姿を見せた。

何故にわたしの部屋から…まぁ、別にいいけど。着替えとか変な物が散らばってないし。

解せないのは、物凄く呆れた目を向けられていることの一点。


「確かにこの階は、オレたちが押さえているから下手な侵入者は来ないけどな、それでも部屋の鍵をかけずに呑気にここにいる場合じゃねぇだろ? 一応、オレたちが付いているとはいえ、せめて部屋の鍵くらいはかけようぜ」

「あ…」


そうだった。すっかり忘れていた。前世の知識があるせいで、ホテルの部屋は勝手にオートロックだと思い込んでしまった。そんなわけないのに。

ケイたちからも、無言で圧力がかかった。すみません、警戒を怠りました…。でも、この面子で賊の侵入を許すわけないと確信してるんで。そもそもこの人たちに喧嘩を売って苦労して、わたしを拐おうなんて誰も思わないでしょ。


「ごめんなさい。次から気を付ける。それで、ここは作戦会議室として、これから盗賊の対策を練るの?」


素直に謝ったのに、反省してない、謝罪が軽いという咎め立てる視線が。……悪かったと思ってるよ。


「まぁ、今後の話し合いはこの部屋でするけど、リフィ」

「何?」

「護衛としてラッセルを残していくから、君はこのホテルで大人しくしていてね。情報収集も賊の対処も僕たちでするから」

「………冗談?」

「違うよ」

「何でわたしだけお留守番?」


納得いかない。わたしは不満をありありと表情に出した。ここは抗議して、徹底交戦だ!


「どうして? わたしだって情報収集できるよ。それにホテルで大人しくってことは、外にも出ちゃいけないってこと? それとラッセルはケイに付けて」

「今回は動かないでいてくれる方が守りやすいんだよ。昨日までの小さな町なら出歩いても、町全体が互いに顔見知りでお互いの目があるからそんなに危険はないけど、中途半端に大きくて栄えている町だと、余計なトラブルが起こりやすいんだ。特にリフィは無自覚に巻き込まれるから」


ケイは外に出せなくて申し訳なさそうな顔をしているけど、言っていることは酷いよね。わたしも流石に雰囲気では騙されないよ。

そして、セスとマシューは最後の一言に、頷いているのをバッチリ見たからね。

ジト目でケイや二人と睨めっこするけど、目を逸らした二人に比べ、ケイは華麗にスルー。そうだった、わたしと同じでこの従兄弟もスルー力が高いんだった。

ケイは気にした風もなく、言葉を続けた。


「今回の寄り道も、リフィは盗賊捕まえようと嬉々として話にのってきたし、情報を深追いして自分が人拐いに遭っていると気づかず、君を拐いたい悪人に、見かけた賊のアジトに案内すると言われたら、嘘を信じてそのままついて行きそう」

「………そんなことないよ?」

「今の間は何かな」

「ちょっと妄そ…ごほんっ、考えていただけ。それに、仮にそうなったとしても対処できるよ。もう対人戦闘もバッチリだし━━慣れてきたから」


ちょっとだけ、得意気に胸を張って答えた。

もう暴力の責任を誰かに押し付けることなく、わたしの意思で力を振るえる。怖さは残っているけど、この世界を現実として過ごして慣れてきたんだと思う。

突然あっさり、理不尽に色んなものが奪われたり、無くなったりして、暴力や人死にも日常茶飯事の世界。平和な以前の国とは全く違う現実に。


荒事に慣れた。

そう言うと、ケイたちは何とも言えない顔をする。本音では、未だにわたしを任務に連れて行きたくないし、汚れた世界の裏側に関わって欲しくないんだろうなぁ。

ケイが嘆息した。困ったように笑う。


「あのねリフィ、仮にそうなったらじゃなくて、普通はそうならないようにするんだよ。何で僕の仮定通り、悪人に騙されてついて行くこと前提で話をするの。それって自分でそうなりそうって認めちゃってるよね。そこは嘘でも、騙されてそんな目に遭わないって自信を持って言わないと、ますます外に出すのは止めておこうとしか思えないからね?」


ケイの尤もな助言に、わたしは納得してしまった。

いや~、実はケイに言われた予想が、簡単に場面展開できちゃって。自分で、あ、そうなりそう、とか思っていたら世話ないよね。でも、もう大丈夫。そんな展開は起こさないよ。

真剣に目で訴えかけた。


「わたし、騙されないよ」

「うん、キリっとした顔で今言っても遅いから。ついでに部屋の鍵もかけ忘れる、という警戒心の無さを見せておいて言われても、説得力はないよ」


わたしったら何てコトを!

こんなところで、うっかりを発動させるなんて。でも置いていかれるのイヤだ。ケイが変な目に遭ったら助けられない。

どうしようと悩んでいたら、唇を読んだのか、ケイが疲れたような笑顔を浮かべた。


「そっくりそのままお返しするよ。どうして自分が変な目に遇うとは考えないのかな。未遂とはいえ、人拐いに遇いかけたり、変態の恋人になりかけたり、結構変なのが寄ってきて危ない目に遇いかけてるのに」

「わたしより美人過ぎる従兄弟が心配です!」


熱弁したら、全員から残念そうにため息を吐かれました。……コレは怒っていいトコかな。


「という訳で、ラッセルと居残りで」

「そんな横暴な。わたしにだって人権あるし、言い訳もあるよ」


断言したケイに、必死に言い募った。

お留守番? 冗談じゃない! もっと色々と見て回りたい! それにわたしには、従兄弟を見守るという重大任務があるんだから!!


「……。認めるかどうかは別として。それじゃ、リフィの主張する人権と言い訳を聞こうか」

「うん。わたしやお母様たちって普段、王都から出ることってあまりないでしょ。だから、これを機会にもっと色々見て回って、流行とかどんな物が需要があるか調べてお母様たちに教えたいし、わたしも色んなことを経験して知識を増やしたい。あと鍵をかけ忘れたのは、このメンバーなら何が起きても大丈夫って信頼して安心しているからで、わたし一人ならもっとしっかり警戒したよ」


従兄弟を窺うと、ちょっと困ったような、はにかむ笑顔を浮かべられた。━━素敵なベストショットをご馳走さまです!! ぜひ写真に撮って残しておきたい!


「それでリフィ、本音は?」

「食べ歩きしたい!」

「うん、却下」


従兄弟の素敵笑顔に、浮かれて正直に答えたわたし。

即座にケイがにっこり笑顔で返して、わたしは自分の迂闊さに顔を両手で覆った。ああ、ヤッチマッタ…。つい心の本音が…。

ラッセルたちの視線が居たたまれない。

わたしに誘導尋問するなんて……うぅっ、酷い。

鬼が、悪魔がここにいますお母様……。


「ホテルの敷地は自由に動いていいから、大人しくしていてね」

「……」


この際、ラッセルを撒いて鬼ごっこでもしようかなー。なんて、ぼんやり考えていたら追い討ちが。


「リフィ、抜け出したらこのまま強制送還」

「ケイの鬼ー! わかったよ、大人しくしてるよ!」


やけっぱちで答えると、「うん、良い子」と頭を撫でられた。心地良いので大人しく受け入れるけど、両腕を組んで不機嫌な顔は崩さない。

これで誤魔化されないよ。この仕打ちは覚えておくからね。

うぐぐ、と睨みあげると、相変わらずの天使の微笑み。でも少し楽しげで、意地悪に見えた。


「お土産買ってくるから」

「えっ本当?」

「うん、本当」

「わかった、大人しくしてる」


ケイが目を細めて、優しく頭や髪を撫でてきた。わたしは仕方ないと、こっそり下級精霊に頼んで従兄弟を見守ることにした。

「お嬢…、……チョロすぎる」と護衛たちから残念そうな声と視線が向けられたけど、スルーで。

いいんだよ、子供の内は色気より食い気なの。


「あ、でもケイ。ラッセルは連れていって。わたしの護衛はラッセルじゃなくていいよ」

「ううん、ラッセルを残しておくから、くれぐれも問題は起こさないでね。本当に、くれぐれも」


……しっかり念押しされました。え、そこまでわたしって信用ない!? 特に何か仕出かした記憶はないんですけど!?


「大人しくしてるから、ラッセルを連れていって大丈夫だよ?」

「いや、ラッセルにはリフィを任せるよ」


わたしとケイが言葉を交わしていると。


「なぁ、何でさっきからオレの押し付けあいをしてるんだ!?」と、ラッセル本人から涙目で抗議が。


「二人ともそんなにオレが嫌いか!?」

「え、あ、いや~そうじゃなくてね?」

「何で目を逸らすんだよ、お嬢」

「おじさんの涙目コワイおじさんの涙目コワイ」

「声に出てるからな!? あと若もお前らも笑ってんなよ!?」


肩を掴むラッセルの手の上に、わたしはそっと自分の手を重ねた。


「あのねラッセル、深い意味はないんだよ。ただ、ラッセルは隊長だし、魔法も武芸も秀でていて優秀でしょう。だから、ケイについて貰った方がいいと思っただけ。ケイも人手が必要で一人にわたしの護衛を任せることになるから、トラブルに馴れた一番強い護衛をわたしの側に残そうとしただけなんだよ」

「お嬢と若がそんなことを言うなんて……」


ラッセルが俯いて、ふるふると震えた。わたしとケイが生暖かく見守る。


「━━ナニを企んでいるんだ?」

「「……」」


わたしとケイは目を合わせて、青ざめて震えるラッセルを冷ややかに見た。お互いに頷き合う。うん、何かもう面倒だし無視しよう。


それからケイもわたしも一度自室に戻ってしっかり鍵をかけて、わたしは軽く荷ほどき。ケイは廊下側から再度赤い花の部屋に戻って作戦会議。この町にいる『影』とは既に連絡を取っていて、十分もしたら話し合いが終了したみたい。

何でも『影』と賊の追跡をしていたギルド冒険者が、二日前に『夜』が見逃した二人の盗賊の足取りを掴んだらしい。

すぐに捕まりそうで一安心。


ノックされて、薬草を擂り潰していたわたしは手を止め、部屋から廊下に出る。そこには、町に出てくると準備万端の従兄弟たち。


「それじゃ行ってくるよ、リフィ」

「はーい。気を付けてね~」


フロアを後にするケイたちを笑顔で見送って、つまらなさそうにしていると、大きくて温かい手が頭を撫でてきた。わたしは隣に立って笑うラッセルを見上げた。


「若たちなら大丈夫だ。すぐに手がかり見つけて、他の二人も捕まえるだろ。それよりお嬢、散歩にでも行くか」

「うん」


わたしは頷いて、話を聞いたときから行ってみたかった庭と温室に向かうことにした。



・*・*・*



ホテルの庭を散策して、薬草のある温室を訪ねて庭師もしているオーナーと楽しくお喋りすること一時間。

許可を貰って、庭の花や野草、温室の薬草をちょっと頂いて、満足したわたしは「大漁大漁」とほくほく笑顔で庭を歩いていた。薬草類は誰も見てないのを確認して、既に異空間ポシェットに入れてある。

そして後ろには、どんよりと落ち込むラッセル。足取りが重いので、時々振り返ってはわたしが追い付くのを待っている。


ふっふっふっ。コレで更に実験が進む~。

この旅の道中でも、気になる薬草を見つけては異空間入れ物に新鮮なまま保管して、時々時間があったら器具を使って、わたしは新しいお茶や薬を作っていた。


前は誰にも飲ませちゃダメって言われた薬草茶だけど、最近では早朝訓練で戦績が悪かった下位三人に、罰ゲームとして改良したお茶を飲ませている。……大丈夫、臭いが目と鼻にダメージを少し与えて激マズなだけだから。前みたいに失神者続出はしてません。

それに、以前よりも確実に腕が上がっていると思う!


まぁ、罰ゲーム扱いが不本意だけどね。

例え、それで皆の訓練への身の入りようが以前よりも熱心で、ダグラス隊長に出席率もいいと感謝されたけど、物凄い複雑。


道中、薬草の採集しているのをラッセルに見つかって「そんな危ない物はポイしなさい」と言われたけど、イヤイヤと断固拒否したよ。

ケイたちは諦めた顔をして、生暖かくわたしたちの攻防を見守ってくれました。


早速頂いたコレで新しいお茶を作ってみよう!

実は、美味しい健康茶ができたら、商会の品物として売れないかなと密かに思ってる。そのためにも、体によくて美味しい香りも見た目も普通なお茶を作らなくちゃ!


どれを組み合わせて混ぜようかなと、うきうき考えてハミングしていたら、庭の茂みから足が生えていた。

きょとんと立ち止まると、すかさずラッセルが前に出て、慎重に茂みの向こうへ。わたしは気になるけど、ラッセルから声がかかるまで待った。


「ラッセル?」

「ああ、大丈夫だ、お嬢。どんな道を通ってきたのか、あちこち擦り傷だらけで、気絶してる」

「大丈夫なの?」


わたしは恐る恐る近寄って、茂みを覗いた。

髭を生やしたガタイのいい猟師のようなおじさんが倒れていた。ラッセルも体格がいいけど、これは一人で運ぶのは無理かな。寝ている人を運ぶのは大変だし、魔法を使えば簡単だけど確実に目立つよね。


「わたしが治癒魔法をかけてみようか?」

「いや、休ませて手当てしておけばいい。お嬢が力を使う必要はねぇよ。それにバレたら、ここに宿泊している金持ちどもが大金もって押し掛けてきそうだからな」


わたしは困った笑みを返した。

その可能性はある。誇張ではなく、実際に治癒魔法を使える人材は貴重で勧誘や取り合いがあった。なかなかいない上に、癒しの魔法を施して欲しいと思う人が多い。病気にはあまり効果がなくて、傷を塞ぐだけなんだけどね。


「さっきの所にオーナーさんいるかもしれないから、人手を頼んでみる!」

「あ、おい。お嬢!」


わたしは来た道を温室に向かって、戻った。その途中で、人の話し声が聞こえた。声がした茂みに向かうと、つなぎ姿の白髪のおじいさん━━ホテルのオーナーを見つけた。


「オーナーさんっ」


茂みを回って行くと、オーナーが目を丸くしてわたしを見てきた。その隣にはわたしやケイよりも年上の十歳前後の顔の綺麗な少年と、ラッセル並みに体格のいい角張った顔や体つきの灰色の髪の男性。年もラッセルくらいかな。腰に剣を佩いていた。

この二人も、突然現れたわたしに驚いたようだった。

わたしは挨拶を省いて、その二人に一礼。オーナーと視線を合わせた。


「おや、お嬢さん。どうなさった?」

「庭に倒れている人がいるんです。お医者さんと運ぶ人手を貸してください」

「何と……わかりました。すぐに手配を。ところでお嬢さんのお付きの人は」

「倒れた人のところにいます。気絶してるだけだから大丈夫と言っていたんですけど、擦り傷が多くて」

「大丈夫です。すぐに人手を……申し訳ないですが、ご協力いただけますかな?」


オーナーが一緒にいた男性に声をかけた。

呆けていた男性が、はっと我に返る。緑の目をわたしからオーナーのおじいさんに向け、戸惑ったように傍らの銀髪の少年に向けた。わたしたちの視線が水色の目の少年に向けられた。


服装からして、貴族か裕福なところのお坊ちゃんかな。さっきからじっと見られて居心地が悪い。

オーナーが少年の肩を叩くと、彼も我に返ったように目を瞬かせた。何だか、話がよく掴めていなさそうにぼんやりしている。


「ハイド様。手を貸してもよろしいですか?」

「え、あ、ああ構わない」


従者の人に声をかける少年の、水色の目と目が合った。ふいっと逸らされ、困惑しつつ、何となく会釈した。


「医師を呼んでロビーに待機させときます。ロビーまで運んでいただけますかな?」

「わかりました」


わたしの後を少年と男性がついてきた。オーナーは途中で別れて、ホテルに向かっていく。背後に視線を感じて、気持ち悪いけど我慢。ラッセルのところまで小走りで案内した。ラッセルを見て安堵し、彼の方もわたしが無事に戻ってきてほっと胸を撫で下ろした。倒れた四十歳前後の男性はまだ目覚めていなかった。


ラッセルと男性が左右から猟師のような人を支えた。熊のように大きい人だけど、流石は鍛えているラッセルと従者の人。難なく二人でロビーへと運んでくれた。一瞬、人々がざわついても従業員が落ち着かせてくれる。


ロビーのソファーに寝かせ、髭を生やして丸眼鏡をかけたお医者さんがすぐに診察してくれた。それを見守っていると、概ねラッセルの見立て通りで、極度の疲労と緊張で倒れているだけとのこと。安静に休ませて栄養のあるものをとれば、問題ないらしい。その言葉にひとまず安心した。


「ご協力ありがとうございました」


わたしは手伝ってくれた男性に、頭を下げた。いえいえと灰色の髪の男性が首を振り、「何事もなくて良かった」と緑の目が細められた。わたしも「そうですね」と一つ頷いて、軽く会釈してその場を去ろうとしたら、ぐいっと手を掴まれた。


強い力に驚きながら振り向くと、銀髪の少年がじっと水色の目を向けてきた。「ハイド様」と男性が咎めるように声をかけるが、少年は聞こえていない。というか、睨むように強く見据えられて、わたしが困った。……え~と、コレはどうすればいいのかな。この少年にもお礼を言えってこと?


「お嬢、どうした」


ラッセルから声がかかって、わたしはほっとした。ハイド少年から掴まれた手をするりと抜いて、護衛の側に向かう。そのままラッセルを盾にするように後ろに隠れて、わたしは顔を覗かせた。

ラッセルが当たり障りのない笑顔を浮かべた。


「先程はどうも。うちのお嬢がどうかしましたか?」

「あ、いえ。失礼しました。その、え~と、あまりにも綺麗で驚いてしまいまして…。周りも気にしてますし…」


しどろもどろに従者の人が弁明した。視線があちこち、周囲の人々に向けられる。先程から見られている人の目が気になるようだ。弁明がわざとらしいと思うのは、わたしの気のせいかな。ラッセルが苦笑して、首肯した。


「ラッセル、さっきの人は?」

「従業員がレストランの隣にある医務室に運ぼうとしてるんだが、あの大きさだろう? それでオレも手伝うからお嬢も付き添って貰っていいか?」

「わかった」

「それなら、自分も手を貸しましょうか?」


従者の人の申し出てくれた。銀髪の少年が頷く。

わたしたち四人は再度、男性を医務室に運んだ。医務室で綺麗に手当てされると、倒れた男性が魘され、はっと目を覚ました。

良かった、これで一安心だね。


「お体は大丈夫ですか? 気分は悪くありませんか?」


近くにいたわたしは、微笑んで声をかけた。

その場の空気が、男性が目を覚ましたことで少し緩む。医師が机から席を立ち、こちらに近づこうとすると、きょろきょろと室内を落ち着かなさそうに見ていた男性が、自分の腰を探ってナイフを取り出した。


「え」

「お嬢!」


ベッド側にいたわたしは、ベッドから立ち上がった男性に盾にされるように前に立たされ、首もとにナイフが当てられた。緩んだ空気が、一瞬にして凍りつく。


「近づくな! 近寄ったら、この子が傷つくぞ!!」


怯えたように小刻みに震えながら、大声を出した男性。

誰も動けなかった。

わたしも突然の事態に、戸惑った。


「……………」


えぇと、何ですかコレは。

わたし大人しくしてたのに、何でトラブルに巻き込まれてんの?






もう一つの初投稿の話が完結したので、こちらを頑張ります。せめて隔週には更新したいと思います。

長く待たせていたにも関わらず、ブックマークしてくださり、ありがとうございました。



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