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第一章 六話 ダンジョン

いきなりなにもしないわけにはいかないので、ギルドへ赴き、依頼でも見てくることにした。


「こんにちは、ミヅキさん。来てくれたんですね♪」


「え、ああ。まあ。」


俺は巨乳が好きだ。もとの世界にいたとして、アリスみたいな可愛い子が、可愛い巨乳が話しかけてくれたら泣いて喜ぶに違いない。だけど、なんだろう。なんか違うんだよなぁ。もしかして、巨乳があまり好きじゃないのかなあ、俺。そんなことを考えながら、依頼ボードへ向かう。ハーミットに繋がりそうな依頼はないものか。


【化石を堀だそう】

rankG 難易度☆☆☆

依頼人.考古学博士

コメントなし


【地下に怪しい人影】

rankG 難易度★☆☆

依頼人.ガーティ

なんだか、うちの地下に人影があるような気がするんだ。地下の方から声がするような気がするんだ。いるかもわからないし、いないかもしれない。確かめてきてくれないか?


どれも繋がりそうではない。さすがにrankGじゃだめか。と、上のrankの依頼ボードへ目をやる。


【赤目龍討伐隊】

rankB 難易度★★☆

依頼人.公安部隊

町の近くに大きな赤目龍の目撃情報あり。腕のたつ登録者は集まられたり。赤目龍からとれる鱗は貴重なため、喧嘩はしないでください。


さすがに上のrankともなると、龍の討伐とか入ってくるものなのか。でも、クレアでrankBだったな。rankAって、見たことないな。


rankEのボード。気になる依頼があった。


【怪しい男】

rankE 難易度★★★

依頼人.王国兵士

最近、城に怪しい身なりをした男がだ味んを訪ねてきている。大臣と少し会話した後、すぐに帰っていく。この男、前に城の地下牢を見てなんか独り言をいっていたみたいだった。この男のことを調べてほしい。


【悪魔の宗教】

rankE 難易度★★★★

依頼人.王国兵士

近ごろ、大臣のようすが明らかにおかしい。城ですれ違っても、挨拶さえしない。それどころかいつも険しい顔をしている。これが噂の悪魔の宗教の力なのだろうか。大臣がふと落とした悪魔の模様のかかれた札も気になる。


この辺りから、攻めてみようか。というか、ど真ん中だと思うが。


「ねえ、アリス。依頼を同時に二つってできる?」


「できますけど、制約がかかります。」


「制約?」


「ひとつだとほぼ無期限なんですが、二つだと、期限がかせられます。そして、パーティー必須となりますね。」


期限がかせられます、は分かるけど、パーティー必須ってのはメリット浮かばないし、組めるようなメンバーもいない。クレアは、今日は来ていない。


『ミリア』


「はいはーい♪お呼びですか、ご主人様♪」


「一緒に戦ってくれる仲間がほしいんだけど、どうにかならないか?」


「多分、どうにもなりませんね。」


は?


「この国の人と言えば、友達と家族とパーティーを組んだり、強そうなあの人や国公認のお手伝いを雇ったりして依頼に望むわけですが、他にも方法があるんです。


それが。


奴隷制度。


もちろん、普段の労働力としても使われますが、奴隷制度の根本的なところと言えば、ギルドパーティー制度からなんですねぇ。ギルドの依頼のために奴隷を買う。奴隷が依頼をこなせば、この町の悩みがひとつ減る。みたいな流れができてるんですねぇ。」


奴隷制度か。やめておこう。さすがに抵抗がある。


ん?


ギルドに男が女二人をつれて入ってきた。


あいつは…


なんて羨ましいのだ。片方は巨乳。片方はスレンダー。なんという組合せ。しかも女は男にぞっこんではないか。男はそれほどイケメンでもないというのに。


「ご主人様、あれ、奴隷ですよぉ。」


衝撃が走る。この国の奴隷制度廃止を謳うはずが、この少しの出来事が一気に俺の意識を覆そうとしている。


なんとも、言えない。


「ミリア、奴隷はどこで買えるんだ?」


「案内しますね♪」


俺はあっけなく受け入れた。別に巨乳が気になったわけではない。スレンダーの方でもない。それも含めて、これが社会だと納得しただけだ。

---------------

いざ目の前に来ると、緊張するものだ。奴隷紹介所。こんな響き、やはりどうなのかとためらいも出てきた。


「あら、いらっしゃい。はじめてのお客さんでございますね。ささ、中へ。」


いきなり現れたタキシード姿のちょび髭に中へ案内された。


『ゲイズ』

★ホフマン

Lv.21 rankE

種族.人間《男・40》

装備.高価なタキシード 超ネクタイ

スキル.☆高速キック☆雷の波動☆ごり押し契約


☆高速キック:高速で蹴りを入れる。ものすごいスピードのため、使用後は足が少し痛くなる、かもしれない。

☆雷の波動:雷エネルギーを貯蓄して放つことができる。

☆ごり押し契約:無理矢理に契約を結ぶことができる。ただし、相手との信頼値が一定以上のときに限る。


めっちゃかっこいいスキルあるんやないかい!雷の波動。でも、効果見る限りじゃ使い道無さそうだけど。


通された部屋は、いつくテレビで見た社長室のような作りになっていた。高級品のアンティークや、ソファー、ガラスぽい飾りまで。高級感漂わせる。


「どうぞ、お掛けになってください。」


ホフマンの言われるままに、高級ソファーに腰かける。すごいふわふわな座り心地。


「本日はどのような奴隷をお探しでしょうか。」


ずばっと、ホフマンは切り込んでくる。

ミヅキはあたふたとしながら、それでいて堂々と答えた。


「ギルドパーティーメンバーがほしくて。」


「なるほど。」


ホフマンは左手に持つベルをチリリンとならし、使いのものを呼ぶと、耳元でこそこそと話す。使いのものは「はい、はい。」と言いながら相槌をうち、どこかへと行ってしまった。そして、ホフマンは向き直って、こちらに話しかけてくる。


「して、条件等ありますでしょうか。」


尋ねられたので答えた。女性であること。巨乳であること。20~28までの年齢であること。人間であること。それなりに戦えること。


「なるほど。」


なんだか少し鼻で笑われたような気分になる。


鼻で笑ったよね?


いえ。


いや、絶対に笑ったよね!


っていう、いつかの青春漫画を思い出す。


「当てはまる候補が、一人見つかりましたのでお連れしましょう。」


ホフマンはまたチリリンとベルを鳴らし使いのものを呼ぶと、耳元でこそこそと話す。使いのものは「御意」と答えてどこかへ行ってしまった。


「先に金額の話をしましょう。これから来る奴隷は、かなりの高級品です。お客様の声にお答えできているかと思います。ただ、その分お値段がちょっと高くなってまして。」


と、言われ、提示された金額はミカン100,000個分のお値段。高いか安いかで言うと、昨日の宿屋に10,000回泊まれるくらいの値段である。


ちょっとこれはいくらなんでも高すぎるんじゃないか。と、言おうとしたが、使いのものがつれてきた女性を見ると一瞬でその値段で納得してしまった。


黒髪、小顔、胸辺りまでのサラサラなロング、巨乳、腰の括れもある。身長155㎝、体重45㎏。


こんな娘が奴隷だなんて、この世界間違ってるよーーー!って、叫びたくなった。すかさず、ゲイズを唱える。


『ゲイズ』


★ユウカ

Lv.1

種族.人間《女・24》

装備.ボロの布切れ

スキル.☆薬品合成


なるほど。買った!!勢いで、サインを書き、拇印を押し、ユウカをかっさらっていこうとしたら止められた。後払い制はダメらしい。一応キープと言うことで、お願いをしておき、奴隷紹介所を後にした。ドアを出たら、急にやるせなくなって、ため息と疲れがどっと出た。まだ日も高い。稼ぐか!という風にはならなかった。


とりあえず、ワームその他もろもろの生命の塊を換金するためにギルドへ向かう。もしかしたらという淡い期待も少し抱きつつ。


「こちらが、換金額になりますね。」


アリスはトレーに置かれたお金をこちらに差し出す。数えてみると、ちょうどミカン10,000個分。あと、ワームを9匹倒せばいいのか。よしよし。無理だね。


アリスはこちらにウインクを送ってくる。可愛いのだが、今はユウカで頭一杯だ。


『ミリア』


「はいはーい♪」


「あのさ、手っ取り早くお金を稼ぐにはどうしたらいい?」


「あのユウカって女の子買うんですかぁ?確かにかわいくて、有用なスキルを持ってましたねぇ。」


スキルまではみてない。乳と顔と少しの性格さえあればいいのだ。


「お金を稼ぐ方法として、ダンジョン探索がありますよ。」


ダンジョン探索?


「その名の通り、ダンジョンを探索するんです。ダンジョンっていっても、入り口はひとつ。奥は何千万通りの分かれ道だとかなんとか。原理はまだ解明されていませんが、いけばわかると思います。」


ミリアが言うには、ダンジョン管理者なるものが存在し、すべてのダンジョンを取り仕切っているらしい。そのダンジョンを取り仕切っているらしい管理者の支店がこの町にもあるらしいのでそこへ向かった。


★ダンジョン屋【マツタケ】なんとも言えないネーミングセンスにピンと来たら、ダンジョン籠り時かもよ!


なんとも怪しげなキャッチに、黄色とピンクのド派手な看板。それでも、路地の裏にあるせいか、昨日は見つけることができなかった。


「こんにちはー。」


【マツタケ】に入ると、変な格好をした男?女?よくわからない人が近寄ってきた。


「あんらぁーぁーまぁー!お客さんねぇ♪今日は籠ってきなさいよぉ。」


こいつは男だ。


ダンジョンについての説明を受けた。入り口はダンジョン屋の大扉ひとつ。ただ、転送が行われるため、移動先はそれぞれ別々となる。その移動先を決めるのが、ダンジョンキーという鍵。そして、とある地点までいくと、ダンジョンクリアとなり新しいダンジョンキーが与えられる。ダンジョンキーはダンジョンでてにはいる以外に魔物が落としたり、ダンジョン屋での購入もできる。ダンジョンは広くた深い。まずは初心者用の鍵を勧められた。


他にこんなことを聞いた。

・ダンジョンは「生きている」ため、魔物を常に取り込んでいる。取り込める魔物はダンジョンの難易度に依存するため、強さが均一になりやすい。

・ダンジョンのなかで起こったことにたいしては一切の責任をおいかねます。

・ダンジョン内でのアイテムはご自由にお持ち帰りください。

・未踏区域を見つけることができたら、ご報告のあと謝礼をお支払します。

・ダンジョン内の時間は現実時間の約二分の一の早さで進みます。


なんか、精神と時の部屋だな、と思いつつ初心者の鍵を受け取った。


「初心者の鍵は無料ですが、次からはお代わいただきますので、よろしくお願いします。それから、初心者の鍵の先のダンジョンにはたくさんの初心者がいるので早く次のダンジョンキーを探すこともおすすめします。」


すべてはユウカのため。


ミヅキは扉の前にたった。初心者の鍵を扉の鍵穴に差し込み、がチャリと回す。すると、ミヅキを光が包み込んだ。光が晴れると、そこはなにかの神殿のような建物だった。辺りには誰もいない。


『ゲイズ』


★初心者の神殿

rankG 難易度★☆☆

主な魔物:オオアリ


ダンジョンにも使えるみたいだ。自分のステータスを確認する。


★ミヅキ

Lv.7 rankG

種族.人間《男・24》

装備.天空の剣 布製の服 回復の守り

スキル.☆ブックマーク☆SP召喚☆異空間BOX☆素早さUP


久々の天空の剣登場。これさえあれば、百人力だ!というわけで、ダンジョンの奥へ足を踏み入れた。


「ダンジョンでお金を稼ぐには、生命の塊をひたすら集めるという方法の他に、ダンジョンキーを売るという方法があるの。ダンジョン屋の前では言えなかったけど、未踏ダンジョンより踏破済みダンジョンの方が価値があるのね。その分安全だし。だから、踏破したらダンジョンキーは売ることをおすすめするわ。」


なんていわれたが、まずは目の前の出来事を一つ一つクリアしていかなければならないのだ。早速出てきた。オオアリだ。ごそごそと近寄ってくる様は、確かにアリだが、でかい。ミヅキは天空の件を構える。


『ゲイズ』


★アソ

Lv.5

種族.虫族オオアリ

スキル.☆アゴ☆巣作り


地面を蹴って一気に間合いを詰める。一閃。


オオアリは粉々に砕け散った後、生命の塊を残した。それを拾い、さらに奥へと進む。


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