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元素な彼女と記号な俺  作者: 五円玉
化学部日常篇
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元素6 スゴくグダグダな総会でした

皆さんこんにちは。

黒鉄徹哉です。


はい、こんにちは。




皆さんは最近、いかがお過ごしでしょうか?



平和ですか?


……そうですか、平和ですか。

うらやましい。




平和っていいですよね。


のほほんと、お気楽に生活する事が出来るし。


それに、いつも笑顔で生活出来るでしょ?


いいなぁ〜


俺も平和欲しい。














「つまり、入部希望者というヤツかッ!?」


「ハイ! ニュウブキボウデース!!」


……前話参照。


謎の二重人格金髪、ジョンソン君が化学部に襲来してきたのが、今から10分前。


で、更衣室から杵島先輩が戻って来たのが、今から1分前。


ジョンソン、本物の部長登場にテンションアップ!!


「なるほど……お前の髪の毛はまさにAuだな……」


杵島先輩はジョンソン君の金髪に興味津々。


何なんだコイツ。


一方のジョンソンは


「……フフッ、コイツが部長……フフッ」


流暢な日本語で何やら呟き中。


何だか、どろどろしてきたなぁ。














で、結局


「中臣ジョンソン、今日から君はAuだッ!」


杵島先輩、ジョンソンの入部を許可。


ああ、許可してしまったのか……。


「Au? ナンデスカソレ?」


ジョンソン、小首を傾げた。


まぁ、それが普通の人の反応だ。


「Auを知らないのか? Auとは、携帯会し……」


「そっち!?」





















その日の放課後。


勿論、部活。


「さて、この化学部も部員数が4人になった」


科学室のでっかい机。


杵島先輩が北側の席に着き、机上には「議長」と書かれた三角の厚紙製のアレ。


「あと1人入部すれば、我が化学部は廃部の危機から脱する事が出来る!!」


俺、琴浦さん、ジョンソンの順で、それぞれの顔を見渡してくる杵島先輩。


「皆、分かっているな?」


真剣な眼差しの杵島先輩、そしてその問に頷く琴浦さんとジョンソン。


……ちょいまち。




「先輩……」


俺、挙手。


「はい、酸素大臣」


……俺は南側の席。

机上には「酸素大臣」の文字が書かれたアレ。


酸素大臣て……




「あの……今、何してんですか?」


俺はその場で起立し発言。


「何って……第一回化学部総会だが?」


しれっと答える杵島先輩。


「化学部総会……って、俺聞いてないんだけど……」


今日は普通の部活かと思ってた。


もし総会と知っていたら……部活サボってたな。


「当たり前だろ酸素大臣! 先に言ったら間違いなくお前はサボる!」


「見透かされてたッ!!」


心の目かッ!?


「サンソダイジン、トリアエズセキニツケ。サキニススマナイダロ」


黙れ金髪。






「さて、今回の議題はコレだッ!」


そう言うと杵島先輩は立ち上がり、黒板に何やらチョークで書き出した。


カッカッと、リズムよく文字が書かれて……


「…………」


で、俺ソレ見て絶句。


文字を書き終えた杵島先輩は、俺達の顔を見ながらニッコリ微笑んだ。


「今回の議題は、まず5人目の部員をいかに要領よく拉致出来るかだッ!」


「拉致すんのぉ!?」


思わず突っ込んだ。


「オチツケサンソダイジン」


黙れ金髪。


ってか


「それ犯罪です!!」


杵島先輩は危ない。


「何だ酸素大臣? もしかしたら誘拐の方が良かったか?」


「何で提案全部に強引感があんだよッ!!」


拉致、誘拐……


「うむ……そうか?」


「そうです!」


全く……真顔で言うな。


「そうか……強引か……」


気付けよ。


「……じゃあ炭素外務大臣、何か意見あるか?」


ここで琴浦さんにフッた!?


「えっ……!?」


炭素外務大臣こと、琴浦さん今話初セリフ。


「えっと……」


相変わらずモジモジ。

琴浦さんはもっと自分に自信を持つべき。


「…………」


みんな、琴浦さんを凝視。


なんかそういう空気。


「…………」


で、琴浦さん黙り込む。


「…………」


……沈黙。


「…………」


…………。


「…………」


…………。


「……ナンカシャベレヨ」


黙れ金髪。


「…………」


琴浦さん、若干俯き出す。

……限界か。


「琴浦さん、あんま無理に考えなくてもいいぞ?」


助け船出してみた。


「……ご、ごめんなさい」


琴浦さん、その船に乗った。











で、


「ではAuスマートフォン、何か意見あるか?」


ジョンソンの三角の厚紙製のアレには「Auスマートフォン」の文字。


……電子機器ッ!?


「ソウデスネ……」


真面目に考え込むスマートフォン。


「ジャア……「ラチ」トカハ?」


貴様もかッ!?


「拉致か……しかしそれだと、酸素大臣からの反発が……」


「当たり前だッ!!」


拉致は良くない。


「……ジャア、ナンダッタライインダヨ?」


若干キレ気味のスマートフォン。


何故キレ気味?


「だから、例えばビラ配ったり、体験入部を実施したり……」


「ソレジャアツマンネェヨ」


黙れ金髪。

三枚に下ろすぞ。














で、最終的には……


「じゃあ各自、次回までに勧誘方法を考えてくること!」


……ナアナアで終わった。

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