元素4 スクールでタユンタユンで……もう俺駄目だ
「あ〜……部活面倒臭い……」
琴浦さんが化学部に入部した日の翌日。
現在朝7時。
場所は、石鉄高校前。
……いつもより1時間も早い登校です。
「……はぁ」
ため息をつく俺。
「かったるいなぁ」
今日は、杵島先輩が朝練やりたいって言ったので、まぁ、朝練やります。
そもそも、化学部って何を練習すんの?
朝練意味あんの?
そして、今日の朝5時に電話で
「Oよ、今日は朝練やるから7時に学校へ来い!!」
って言うのは止めて頂きたい。
朝5時だぞ?
まだいつもなら寝てる時間帯だぞ?
なのに、5時に携帯の呼び出し音で嫌々目が覚めて……
当日に朝練やるからって、いきなりの呼び出しは……迷惑だ!!
「あー眠い……昨日はあんまり寝てないのに……」
愚痴を言いつつも、とりあえずは科学室へ。
ガラガラっ
「おはようございます……ん?」
結局、色々と愚痴言いつつも科学室へ来た俺。
……偉いでしょ?
で、科学室の扉を開けた。
そしたらね……
「おお、ちゃんと来たかOよ!!」
「お、おはようございます……黒鉄君」
「…………」
まぁ、科学室内には杵島先輩と琴浦さんがいた。
……何故かスク水で。
「……何してんだ、あんたら?」
まずは冷静に対処。
「何って、これから部員勧誘に行くのだ!」
ビシッと俺を指差すバカ先輩。
……は?
「……部員勧誘っすか……じゃあ何故水着?」
しかもスク水。
さらに旧式。
「ふっふっふ、何故かって? それはな……」
にやけてる杵島先輩。
モジモジ琴浦さん。
「これなら、男子を虜にしやすいからだッ!!」
「…………」
どや顔すんなよ、杵島先輩……。
「いいかOよ、世の中の男子たるもの、このような体のラインを強調するような水着には弱い」
「……だから?」
もう嫌だ……
「これなら、男子諸君も部活に入ってくれるかもしれん!」
ガハハっと、高笑いする杵島先輩。
「……バカだ、この人すげぇバカだ」
今、春だしね。
バカが増える季節。
ってか、
「で、何で琴浦さんまで着てんの?」
「うえっ!?」
突然ふったせいか、ちょっとビクッとした琴浦さん。
顔、真っ赤っか。
「それは……あの……部員を増やすため……に……」
相変わらずモジモジ。
「……琴浦さん、いくら先輩からの命令だからって、嫌なら反抗してもいいんだぞ?」
この人は純粋すぎる。
「うぅ……」
より真っ赤になった。
……に、しても
「…………」
琴浦は見事な凹凸ラインだな……
まさにボンキュッボ……げふんげふん。
逆に杵島先輩は……なんとまぁ、平坦な……
「……ほら、Oは虜になってるではないか」
俺の顔を覗きこむ杵島先輩。
「なっ……ゲホッゲホッ!!」
むせた。
くそっ、俺とした事が……
「ほら、顔が赤いぞO!!」
「あ、いや、別に見てた訳じゃ……」
く、苦しいか?
けど、やっぱりこの2人はなんとも対照的な……その……体のラインと言うか……
「……また見てる」
「うおぉッ!?」
しまった!!
で、
「さて、じゃあ部員勧誘にでも行くか!」
何故か試験管を持ったスク水杵島先輩、科学室の出入口へ。
ってか
「え、マジでその格好で行くの!?」
バカだろ!?
「当たり前だろ? 既に効果は実証出来ている訳だし!」
あーッ、さっき出来た俺の心の傷がッ!!
「だから行く。Cも早く来い!!」
琴浦さんに向かって、ちょいちょいと手招きをする杵島先輩。
「えっ……あ、本当に……うぅ」
かなり困惑気味の琴浦さん。
「何をしているC、早くしないとSHRの時間に……!!」
「で、でも……は、恥ずかしい……」
「恥ずかしいだと? そんなの、慣れてしまえばどうって事ないぞ!」
「でも……」
……もう見てらんない。
「……杵島先輩、スク水はアウトっすよ、普通に」
俺は落ち着いて対処。
「何故だ? Oは私達の事を凄く見ていたではないか!」
「ぐはっ」
真顔で言うな……
「け、けど、そんな姿で校内徘徊したら……絶対に怒られますよ?」
特に生活指導の教師辺りから。
「大丈夫だO、その時は逃げる!!」
「根本的な解決になってねぇ!!」
思わず机をバシーン!!
……いかんいかん、バカ相手に熱くなるな、俺!!
「逃げるって……そんなリスクを追うよりか、普通に制服でビラ配った方が……」
「だが、Oは私達の事をジロジロ見ていたではないか!!」
「ぐはっ……ま、まだ言うかソレ……」
チクショー!!
そのネタ、墓まで持って行く気かコイツ!?
「うぅ……」
琴浦さんは相変わらずオロオロ。
……オロオロしてる暇があったら、早く着替えちゃえばいいのに。
……ああ
ちょっと不謹慎だけど……
琴浦さんがオロオロすると、その……まぁ……
何と言うか……せ、青春が……揺れに揺れて……。
素で言うなら……その、胸がですね、左右にタユンタユンって……
目のやり場に困る。
高1は思春期真っ只中だからね。
……許せ。
「ほら、O、見てるじゃないか」
「……はッ!?」
あ!!
またしてもしまった!
「やはり効果は抜群だ!!」
「いや、あの、これは違っ……」
あーッ!!
俺のバカヤロー!!
本能のバカヤロー!!
「やはり行ってくる! 化学部の若き男子新入部員を求めて!!」
「え? 俺、もうシニアの部類なの!?」
ってか、ガチでスク水は駄目だ!!
逆に変な噂が立って、人が寄り付かなくなる!
そして、杵島先輩が扉の取っ手に手を掛けようとした
その時……
ガラガラっ
「……ん?」
廊下側から、扉が開いた。
杵島先輩の手は、空中でストップ。
そして……
「スミマセン……ココ、カガクブデスカ……アン?」
そこにいたのは、金髪の男子。
……金髪?
で、扉のすぐ内側にいた杵島先輩と鉢合わせ状態に。
「……ココ、カガクブデスヨ……ネ?」
金髪男子、スク水杵島先輩を見て若干フリーズ。
一方の杵島先輩は……
「……誰だ?」
頭に?マーク。
……誰?
キャラクタープロフィール紹介!
No.3
琴浦 咲奈
私立石鉄高等学校1年4組在籍
女性、15歳、A型
誕生日:5月12日
身長:158㎝
体重:41㎏
好きな物:お菓子、温泉、お笑い番組
嫌いな物:体育、生で食べる物(刺身とか)
物静かで恥ずかしがり屋な性格。
それ故、中学では友達が少なかった。
運動は大の苦手。
勉強は文系派。
意外とお笑い好き。
Oさん曰く、ナイスボディの持ち主。