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元素な彼女と記号な俺  作者: 五円玉
杵島はがね奪還篇 ~始~
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元素28 村實ホテルはビジネスホテル

深夜の静けさ。

静寂の夜。


村實ホテル前。


そこに集まったのは、俺たち杵島はがね奪還チーム。















「……よし、じゃあ突入するか」


「……え?」


ホテル前。

皆一様に緊張している中、もの凄い唐突に吉崎さんが一言言った。


「じゃあ行くぜ」


「ちょ、ちょっと待って! え、何? 全員で正面から行くのっ!?」


あ、危なくない?


ホテルの中には杵島家の関係者しかいない事は中澤から聞いている。

だから、めちゃくちゃに暴れてもいいと。


しかし……


「当たり前だ。このチームは個人個人が弱すぎる。特に金髪と刀女」


吉崎さんはビシッと指名。


「……クッ」


なぜジョンソンそこで敗北顔するの?


「…………」


そしてアキコは黙る。


「……それに、メンタル面では政長が驚異的に弱いしな」


「……ほっとけや」


コントかっ!



「……とにかく、個人個人で行っても敗北は目に見えてる。だったら全員で一気に行った方がいいだろ」


「そ、そうだけど……」


何と言うか、その……

気持ちの準備が……




その時。


「行くぜ」


バァアアンッ!


まさかのみんな一気にホテル突入。


「え、えええぇぇぇっ!!」


行動はやっ!


ってか……


「置いてかないでぇ〜!!」


















前、公園で杵島結晶に襲われた俺と琴浦さんの救援に来たアキコが持っていた日本刀(真剣)


ちなみにソレ、今もアキコは帯刀しているんだけど、


これ、どうやら政長さんの私物らしい。

政長さんの刀をアキコが貸してもらってる的な?


……政長さん何者?














ホテル内に突入したのはいいものの。


ホテル内のロビーは、まさにビジネスホテルのそれだった。


変わった装飾もない。


あるのは椅子にカウンター、ミニテーブルくらい。


「……ここには人の気配がないな」


ボソッと呟く政長さん。


「……けど、奥にはいるな」


何かの気配を感じているらしい。


「……そもそも俺、杵島はがねを助ける義理はねぇんだけど」


政長さんは頭をポリポリ。


一方のアキコは刀、ジョンソンは拳を構え、襲撃に警戒している。


「…………」


吉崎さんも辺りをキョロキョロ。


……で、俺は。


「ふぅ……」


ビビってるだけ。

だって怖いもん。


ってか常人にはこのシチュエーションきつい。


つい最近まで一般人だった俺。


杵島先輩を助けたい気持ちはある。


けど、今まで喧嘩すらしたことのない運動音痴な俺が、いきなり裏社会に喧嘩売るなんて……


「……うっぷ」


今更ながら緊張感パネェ!


やべぇ、トイレ行きたい!


「……テツ?」


「ふっ?」


何か俺の異変を感じ取ったのか、アキコが話し掛けてきた。


「どうしたの、大丈夫?」


「あ……だ、大丈夫ですよ大丈夫!」


空元気。


「顔、青いよ?」


「へ? あ、違うっ! これはさっき不味いものを食べたから……」


自分で言いながら思った。

なんか……ヒドイ。


「?」


アキコは頭にハテナマーク。






その時だった。






「……っ! 敵襲だっ!」



突然に叫びだした政長さん。


俺らは咄嗟に戦闘の構え。


そして……




パリィンっ!!




ホテルの窓ガラスが割れ、一斉に人が押し寄せてきた。

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