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元素な彼女と記号な俺  作者: 五円玉
番外短編集
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げんそなかのじょ! 4

「五円玉のぐーたら日記(作者のブログ)」にて“げんそなかのじょ!”を連載していました!


げんそなかのじょ!


第4話「琴浦家」




【琴浦家の秘密1】


「そう言えば琴浦さんって、家どこにあんの?」


とある部活の日、俺は何気なく琴浦さんに聞いてみた。


「ウチですか?」


「そう、琴浦邸!」


「どこのですか?」


「……え? どこのって?」


「いやだから、アジアなのかヨーロッパなのかって……」


「…………あん?」






【琴浦家の秘密2】


「えっ、琴浦さんって世界中に家があんの!?」


まさかの事実!


「はい。日本に2軒とグアムに1軒、韓国に1軒とフランスに2軒、ドイツに2軒、デンマークに1軒、イギリスに1軒、アメリカに3軒、アルゼンチンに1軒、ロシアに2軒、エジプトに1軒、オーストラリアに2軒、フィリピンに1軒、あとは確か……」


「琴浦さんだよね、あなた?」






【琴浦家の秘密3】


「にしてもすげぇ金持ちだな琴浦家。もしかしてメイドとか執事とかいるの?」


「え、普通にいますけど?」


「すげぇ!」


「え、黒鉄君の家にはいないんですか?」


「いないよそんなん」


「あ、そ、そうなんですか……すみません」


「…………」


ムカッ。






【パパさん】


全世界中にシェアを持つ、巨大企業琴浦グループ。


私はその琴浦グループ総括の琴浦 玄三郎。


妻と可愛い娘がいる、一家の大黒柱だ。


「社長、アメリカでの株価が少々下落気味で……」


彼女は私の秘書、棚倉さん。


「アメリカか……では、ヨーロッパと提供を組み、株の底上げを」


「了解しました」


「あ、社長!」


彼も秘書の金屋君。


「ブラジルの大手スポーツメーカーから共同製作の申し入れが……」


「では、その件は金屋君と田中さん、細馬さんの三人でやってみなさい」


「了解しました」


ふぅ……私はいつも忙しい。

どのくらい忙しいかというと、毎日娘の携帯に何十回も電話する程忙しい。


さて、では今日も娘に熱いラブコールを……


「社長、サウジアラビアから石油の枯渇状況について連絡が……」


「うるさいっ! 今から娘に電話すんだ! キミは少し黙ってろ!」


「え、ええぇぇ……」


琴浦パパはこんな人。






【ラブコール】


「あ、お父さんから電話だ……ちょっとゴメンね黒鉄君」


「いや、別に構わんよ」


部活中、琴浦さんの携帯に琴浦パパさんからの着信あり。


「……もしもしお父さん? ……うん、うん、仲良くやってるよ?」


…………。


「え、いじめ? あるわけないでしょ! え、ああ、昨日佐渡さんが持って来てくれたわ」


…………。


「うん、うん、いや、それは昨日爆発したし……」


…………爆発?


「株価下落ならヨーロッパじゃなくてアジアと組むべきじゃない? ヨーロッパはドイツの下落もあるんだし」


…………。


「……え、それくらい社長なら気付いても……あ、いや、ちょっと、いやぁ」


……何の話をしてんだ?






【お嬢様タイプ】


「ゴメン、私ちょっと家に帰らないといけなくなっちゃった……」


何があった?


「そうか……ではCよ、また明日」


いつからいたのかは知らないけど、杵島先輩がお見送り。


「すみません……明日、お土産に何かロシア名物でも買ってくるので……」


家ってロシアの家かいっ!!


ってか日帰り!?






【実は】


琴浦さんが帰って行った後。


「実は琴浦さん、実家凄いお金持ちだったんですね」


「そうだな……CからはいつもCの匂いがしてたしな」


「炭素の匂いっ!?」


「Creditの匂いだ!」


「どんな匂いだよ!」






【お土産】


「はい黒鉄くん、ロシアのお土産!」


「お、サンキュー!」


翌日、琴浦さんがロシア土産を持ってきてくれた。


結構大きな箱だな。


両手いっぱいくらい。


「なぁ、開けてもいい?」


「はい!」


「ん、じゃあ失礼して……」


箱オープン。

中には……


「…………」


「これ、結構高かったんですよ?」


「……何これ?」


「何って、スターリンとフルシチョフ、ゴルバチョフさんの2分の1スケールのフィギュア……」


「あああぁぁぁ……」



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