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元素な彼女と記号な俺  作者: 五円玉
杵島家強襲篇
30/45

元素コラボ 可笑しな奴がいる変な高校

こんばんは、五円玉です。


今回はミスターさんの「我ら科学部!」とのコラボ回になっております。


とりあえずは「我ら科学部!」未読の方にも分かるよう、配慮して書いたつもりです。


が、地味に「我ら科学部!」の小ネタもはさんでいるので、よかったらミスターさんの「我ら科学部!」も読んでみて下さい。

「ねぇテツ、可笑しな奴がいる変な高校へ行こう!」


「うわ、なんか行きたくねぇよソレ!」
















皆さんこんにちは。


黒鉄徹哉です。


「…………」


現在とある高校の校門前にいます。


石鉄ではありません。



片菜高校っていう高校の校門前に来ています。


「…………」


そしてこの片菜高校の校門にはでっかい手作りアーチ。


アーチには

『片菜高校文化祭』

の文字が。


ちなみに辺りには沢山の人、人、人。


老若男女多数の人。


で、俺の隣には……



「うわぁ……男子校の文化祭って初めて!!」


はしゃぐお菓子なアキコさんの姿。


お目めはキラキラ、ミニツインテールはフリフリ。


今日のアキコさんは薄地の半袖ピンク色パーカーに、クロップドパンツ。


なんとまぁな夏スタイル。


俺なんかTシャツにジーンズっていうラフスタイル。


……そろそろお気づきの方もいるでしょう。


今日はアキコと二人で片菜高校の文化祭に来ています(まんまだね)。


目的は1つ。


この男子校でもある片菜高校には、俺やアキコと同じ中学だった奴が通っている訳で。


そいつとはそこそこの仲で。


今日はそいつに会いに来た訳で。


「元気かなぁユウ。いじめとか受けてないかなぁ」


「アイツに限っていじめとかはねぇだろ」


大谷 雄治。


俺やアキコと同じ中学に通い、まぁ家も近所。


しかし、違う高校に通い出してからはほとんど会っていない。


「雄治は……恐ろしい奴だったからな……」


アイツは数々の武勇伝を中学時代に残していた。


まず初めに言おう。


雄治はバカだ。


年がら年中体育は半袖の体育着を使用する。

冬でもnoジャージ。

バカだから風邪は引かない。


そして奴は後輩からタメ口で話される。

決していじめとかではなく、精神年齢が子供だから、ただ単に親しみの意味でのタメ口。


あと変態だ。

どっかのエロ魔神並みに変態だ。

突然メールでエロゲーの画像を送ってきたり。




お分かり頂けたであろうか?


大谷 雄治はバカなのだ。


「ユウは本当に中学じゃ浮いてたから……多分高校でも浮いてんのかな?」


「知らん。とにかく受付に行こうぜアキコ」


「めいこキーック!!」


ドカッ!!


「ぐはっ……」
















「確か雄治は1年2組だから……」


俺とアキコは校門付近の受付でパンフレットと校内用のスリッパを受け取り、いざ片菜高校の校舎内へ!




片菜高校は男子校だ。


なので、制服を着て各クラスで店番をしているのは野郎ばっかり。


共学しか体験した事のない俺にとっては凄く新鮮に感じる。


「ねぇテツ!」


「何?」


昇降口から校舎内に入り、大量の人達をかき分けながら進む俺達。


「ここ何階?」


「1階」


ちなみに1年の教室は4階。

……よくよく考えると遠いな。


校舎内は本当に人だらけ。


教室からは店番の客呼び込みの声が響き、

廊下からは文化祭に来た客達の雑談が聞こえ。


「……すげぇ賑やかだな」


つくづく思う。















4階の1年教室に向かう途中、階段。


「よし、この階段で一気に4階まで上がるか」


「そうね」


俺とアキコは手近な階段を見つけ、上へと昇る。


「しっかし、人が多いよな」


「だねぇ。なんかお祭りに来てるみたい」


「アキコ、文化祭はお祭りだぞ」


「だからめいこッ!」


みたいなやり取りをしつつ、校舎の3階にまで来た、その時……




「あ、ねぇそこの彼女、暇なら化学部来ない?」


「……ん?」


階段の上からやってきた、制服男子がアキコに声を掛けた。


制服という事は、片菜高校生か見学に来たどこぞの中学生か。


いやでも身長的に高校生だな。


「……誰?」


当然ながら、アキコは聞き返す。


「あ、僕かい? 僕の名前は菅原芳春。片菜高校化学部員さ」


化学部員。


その言葉に俺は過敏に反応。


最近化学って言葉がトラウマと化している!


「すがわら……よしはる?」


「そう芳春。よかったらキミ、化学部においでよ。美味しいカルメン焼きがあるよ(ウインク)」


なんだコイツ?


「え、カルメン焼き!?」


アキコ釣られる。

安いぞアキコ。


……多分この菅原って奴は化学部の呼び込みさんか何かだな。


「ねぇテツ、化学部にでも行ってみない!?」


「お前、目がカルメンになってる」


ってか化学部……なんかフラグが……


その時、




「チッ、なんだよ彼氏持ちかよ……」




すんごく小さな声で聞こえた、なんか本編プール話辺りにもあったような誤解的呟き。


……菅原君の声で。


「…………」


またか……この勘違い。













「谷津ぅ、お客二人連れてきたぞ」


化学室。


それは奇しくも1年2組とは真逆の方向だった。


「♪カルメンっカルメンっかっるっめーっん!♪」


もはやアキコの頭の中には大谷雄治の名前は無かった。


カルメン焼きに負けた雄治、哀れなり。


「えー、じゃあ今からの一切の説明はこの岡品谷津っていう奴がしてくれるから。じゃ」


「あ、ちょ、シュガ……じゃなかった、芳春ッ!!」


何だか目の前ではコントもどき的展開。


先程まで案内をしていた菅原はいそいそと退室していく。


「……なんだこの部活?」


悲しい事に、ウチの化学部といい勝負だ。














片菜高校化学室。


今ここには、沢山のお客さんがいた。


化学室の机上には何らやビーカーに入った液体や、化学道具がいっぱい。


机1つに化学部員が1人付き、お客さんに机上のモノの説明をしている。


なんとも文化祭。


そして俺達はカルメン焼きが置いてある北側の机の前にいた。


「全く……芳春のヤツめ……俺の担当はダイラタンシーだっていうのに……」


俺達の机についている化学部員は、天パだった。


なんか……特徴のない普通の人だ。


「まぁ仕方ない、説明するか」


仕方ない?

客の前でなんつー発言


「えーようこそ化学部へ。俺は化学部員の岡品谷津っていいます。よろしく」


「可笑しな奴?」


アキコ……


「えーっと、じゃあとりあえずカルメン焼き、食べる?」


「食べる!!」


だからアキコ……


「はい」


「サンキュー!」


化学部員の岡品って奴(谷津)からカルメン焼きをもらい、早速頬張るお菓子な(岡品……可笑しな?)アキコさん。


なんかもうややこしい。


「あ、あのさ」


リスさんよろしくの頬張りを見せているアキコさんをよそに、俺は岡品に質問。


「1年2組の教室に行きたいんだけどさ、どうやったら行けんの?」


「1年2組ですか? この廊下を真っ直ぐ行って、階段を1階上がるだけです」


「マジか、サンキューな」


な、なんと単純な校舎……


「今日は1年2組にご用事なんですか?」


「ああ、2組の大谷って奴の知り合いでな。ちょっと冷やかしに来たんだけど……」


俺はそこまで言って、視線を斜め下に。


「うわぁっ、何この白い液体? 牛乳?」


……アキコよ、お前絶対今回の目的忘れているな。


「ああ、それはダイラタンシーって言って、衝撃を与えると固まる液体だよ」


岡品はダイラタンシーの説明。


「試しに液体に向かってグーで殴ってごらん」


「え、本当に? アタシけっこう力あるよ?」


そうだね、こんな小柄な体型のどこにそんなバカ力なんかが……


「……ちょっとテツ、今何かアタシの事バカにした?」


「いいや、別に」


恐ろしき女の勘。


「……じゃ、早速」


そう言ってアキコは拳を握り、高らかと掲げ……


「……っセイッ!!」




バチッ!!




水槽を割りやがった。


ってか、


「う、うぎぁあああああ!!」


水槽割れた、すなわち白い液体飛び散った。


つまり、近くにいた俺、アキコ、岡品が液体まみれに。


「あ、片栗粉の量ミスってたかも……」


その時背後から聞こえた、不気味な声。


「あ、仁! これ作ったのお前かっ!」


白い液体まみれの岡品が、背後にいる男子生徒に向かって怒鳴る。


「悪い、多分それ作ってる時に尿検査の事考えてて……多分知らぬまに分量ミスったかも」


「仁っ!!」


岡品は仁って奴に向かって殴りにかかった。


……何故尿検査?


って、それより……


「……服が」


ってかアキコ共々全身白い液体まみれ。


「お前本気で殴るなよ……」


「だって……殴っても固まるって言うから……」


「……はぁ」


全く……。


その時、背後からなにやら小さな声が。


「なぁ陽一、なんかあの娘、すげぇエロくね?」


「そうだな芳春……白い液体まみれの女の子……エロス」


……片方は確か菅原芳春ってヤツだな。


もう片方は知らん。


とにかくだ。


「アキコ、とりあえず水道か何か行って少し洗わないと……」


「めいこだよジャーマンスープレックスっ!」


バキッ


「がはっ……」















「ウチの部長が本当に申し訳ありませんでしたっ!」


「え、俺かよ。最終確認を怠った谷津のせいだろ!」


その後。


俺達は化学部部長の野御丸 仁って人と岡品から謝罪を受けた。


「いやいや、元はと言えばウチのアキコさんが本気で殴ったのが原因……」


「めいこだよコブラツイストっ!」


バキバキっ


「かっ、関節がッ……」


体が悲鳴をっ……


「……そうだよな、今回は本気で殴ったお客の方が悪いんだよな」


「仁っ!!」


相変わらずの野御丸と岡品。

コントかっ。


「……あ、そういやMー1!!」


何故か俺の心の文に触れた発言、岡品。


コイツはSパーか?


「悪い、俺今日Mー1出るんだ。仁、あとは任せた!」


と一言残し、岡品はベン・ジョンソンの如くダッシュで駆けて行った。


「サイキンオレ、デバンナイナ」


誰だてめぇ。
















「しかし……やっぱりどこの化学部行っても化学部ってのはああなのか……」


頭の中ではクルパがゲラゲラ笑ってらぁ。


結局あのあと、俺達は帰宅する事にした。


服がヤバいし、アキコさんが


「あ、もうすぐ3時! おやつだ!」


とか言い出し、このままでは食べ物奢るフラグが成立してしまうと判断したからだ。


実際、外の模擬店のたこ焼きや焼きそばに物凄く反応してたし。


「しかし……結局雄治には会えず仕舞いか」


悲しいな。

多分雄治が。


俺は悲しくねぇ。




そして一方のアキコは


「たこ焼き食べたかったなぁ……」


……帰路について正解だった。

作中の大谷雄治は「我ら科学部!」のキャラではない、完璧こっちのオリキャラです。



菅原芳春は今後「我ら科学部!」の続編に登場するキャラなのですが、一足先にコラボで使わせて頂きました。



ミスターさん、色々とありがとうございました!

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