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元素な彼女と記号な俺  作者: 五円玉
杵島家強襲篇
19/45

元素18 Okonomiyaki that flew over the sky

こんにちは!

五円玉です!




さてさて、今回から元素彼女は新章突入です。


化学部に襲いくる、1つの試練。


黒鉄君他化学部は、この試練を乗り越える事が出来るのか!?





その時、俺の視界は真っ赤に染まった。


頭にくる、強い衝撃。


宙に浮く体。


息を吸おうとしても、それを肺が受け付けない。


そして、全身に激しい痛み。



全てが逆転し、俺の平行感覚は一瞬のうちになくなる。






『ハッハッハ! 流石は姫を守る騎士って所かッ!?』




俺は地面に倒れた。


目の前には、紅い男の姿。


そして―――




「……ッ!」




一筋の涙を流す、彼女の姿があった……。










元素な彼女と記号な俺


元素な彼女の、最後の文化祭―――









そして、時は少し遡る。




7月1日

放課後……

科学室内



「まだかO? いつまで待たせる気だ?」


「あ、とてもいい匂い……」


「ハヤクシロクロガネ、センパイヲマタセルンジャネーヨ!」


「テツぅ〜……まだぁ〜?」


四者四様の意見を述べているのは、毎度お馴染み化学部連中。


そして俺、黒鉄徹哉は化学準備室にあったカセットコンロを使い(無断で)……




ジュワァ〜!!




「……あっつい」


お好み焼きを作っていた。




……はい皆さんこんにちは。


みんなの主人公、黒鉄徹哉ですよ。




……焼いてます。




現在、7月1日。

真夏日。


そんな日に、俺は熱々の鉄板とカセットコンロを使い、お好み焼きを作っています。


ちなみに室内はクーラーガンガン。


そして、俺は半ば無理矢理お好み焼きを焼かされている。




全ては約1時間前


『夏だがお好み焼きが食べたい!』


とか言い出したクルパが全ての元凶。


で、


『じゃあ、ジャンケンで負けた人が食費代を払って、2番目に負けた人が調理するって事で!』


と、お菓子なアキコさんがフラグを立て。


『……嘘だ』


言い出しっぺのアキコさんがジャンケンに負けて。


『……あ』


次に俺がジャンケンに負けた。



で、


『アタシのお菓子代が飛んだ……』


と嘆くアキコを尻目に、俺はお好み焼きを焼いている。


はい回想終了。






「Oよ、ちゃんとキャベツは入れたか?」


「大丈夫、アンタの分には芯まで入れたから」


「そうか、なら良い!」


と、多少の嫌みも何のそのの杵島先輩。




ジュワァ〜!




……暑い。


鉄板から立ち込める湯気。


スプリンクラーが作動しないよう、スプリンクラーにはビニール袋を被せている。


つまり、マジで火事った時、俺らは皆道連れや。


「く、黒鉄君」


「ん?」


ちょうど半面が焼け、さてひっくり返そうとした時、何故か琴浦さん挙手。


「あ、あの……」


「何?」


どうした?

もしかして、さっき入れた具材の中に、嫌いなモノでもあったのか?


「その……わ、私が……ひっくり返してもいい?」


「え? あ、ああ。別にいいけど……」


ひっくり返したいの?

琴浦さん、超目が輝いてるし。

キラキラって。


「じゃあ……はい」


そう行って、フライ返しを琴浦さんに渡す。

ちなみにこのフライ返しも、無断で家庭科室から借りてきたモノ。


バレたらお叱りを受けるであろうな……。


「じゃ、じゃあ……」


琴浦さん、プルプル震える手でフライ返しを握り、ゆっくりお好み焼きの下へ入れていく。


「Cよ、こういう時は勢いが大事だぞ!?」


杵島先輩のアドバイス。


「…………」


琴浦さん、それを無視。


ってか、多分集中し過ぎて聞いていないって方が正しい。



で、


「……えいっ!」


琴浦さん、110%の力でお好み焼きをひっくり返し……


って、


「琴浦さん力みすぎッ!!」


で、お好み焼きは宙へと舞い……


「……あ」


ダブルスクリーンゲーム機をいじっていた金髪の頭に直撃。


ジュワァ〜!!


「あ、あっづッ!!」


突然の衝撃にカタコトキャラを忘れたジョンソン。


声が40のオッサンみたいだった。


野太い。


で、


「あ……あぁ……」


琴浦さんが嘆き出す。


「あぁっづいッ! あ゛あ゛あ゛〜!!!」


ジョンソン暴れ出す。


「アッハッハッハッ!! み、ミラクル起きたっ!!」


アキコは爆笑。


「どうしたAu? 踊りでも踊っているのか?」


クルパは衝撃の瞬間を見逃していたため、現状を理解してない。


で、俺は……


「…………」


……もう、言葉すら出なかった。














「結局、お好み焼きは食べれなかったな……」


その日の部活終了後。


昇降口まではみんな一緒に降りてきた。


杵島先輩の背中には黒い何かが見えたが、まぁ、うん、ドンマイ。


「結局、アタシのお菓子代はどこに……」


まぁ、アキコもドンマイ。




……で、俺は下駄箱で靴に履き替える時、たまたま掲示してあった1枚のプリントが目に入った。



……第58回、石鉄高校文化祭“stone&ironフェスティバル!”開催



ネーミングセンス……。


ってか、


「杵島先輩?」


「ん?」


俺は隣の下駄箱で靴に履き替えている杵島先輩に質問。


「あの、そういや文化祭っていつ頃……?」


「9月の半ば」


そ、即答ッ!?


そ、それより


「ウチの部活も何か出し物とかするんですか?」


一応文化部だし。


「そうだな……まぁ、何かはするつもりだが……」


するつもりってオイ。


「確か、部活動の文化祭の出し物決めって、7月中に生徒会に報告しないといけないんでしたっけ?」


確かそうだ。


文化祭に何か出店する部活動は、7月中に何を出すかを生徒会に報告しなければならない。



「そう言えばそうだな……どうするO?」


「後輩に投げやりは良くないですよ先輩」


さて、このクルパはとりあえず置いといて。




文化祭か……




化学部を学校一の有名な部活にする




この目標を達成させるには、文化祭は超が3つ付くほどの重要な行事だ。


ここでいかに人気を取るか。






……おそらくクルパは俺に投げやりしてくるだろうし。


琴浦さんは接客とか苦手そうだし。


ジョンソンはカタコトで駄目だし。


「オイ、ソノリユウハナンダコラ」


アキコは化学自体が苦手だから役立たずだし。




「…………」




さて、どうしたものか。

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