元素13 黒鉄徹哉君が色んな意味で大変な事になりますよ
「なんだ今回のサブタイトル!? 作者の悪意を感じるぞッ!?」
主人公を大切にッ!!
ってなわけでこんにちは。
毎回挨拶から入る主人公黒鉄です。
……え〜、はい。
読者の皆さまは、今回のサブタイトルから壮絶なフラグの予感を感じとっていますでしょうか?
嫌だね、怖いね。
前回がああだけに、復讐とか来そうで怖いね。
……まぁ、全ては作者が考える事だけど。
ってなわけで、前回の翌日。
俺は風邪を引きました。
理由は割愛。
前話を見ろ。
「あ〜……ツラい」
鼻水止まらないし、ちょっと熱っぽいし。
「はぁ……やっぱり今日は学校を休むべきだった……」
とかいいつつ現在登校中の俺を誰か誉めて。
そして学校。
1時間目
数学!!
頭痛くて勉強どころではありませんッ!!
2時間目
音楽!!
風邪引いてる時にドナドナ聞くと、マジ心がブルーになる。
3時間目
体育!!
サッカーふざけるなッ!!
痛い頭使ってヘディングしたら死にそうになったわッ!!
4時間目
化学!!
色んな意味で寒気が凄かった。
恐るべし化学!!
で、お昼休みはずーっと寝てまして……
5時間目
英語!!
アイアムえーっとスチューデント……ってコマーシャルが懐かしい。
6時間目
地理!!
ツンドラとツンデレって何か似てるよね。
発音的に。
そして……ここからが地獄。
れっつ化学部!!
「頭痛い〜……」
現在地獄中。
杵島先輩は今、ビニール袋に水入れてます。
先輩曰く
「爆弾を作る!」
だそうです。
モジモジさんは読者中。
何読んでんの? って聞いたら
「あの……か、化学部らしくキュリー夫人の伝記を……」
だって。
真面目だね。
金髪カタコト君は、1人で某ダブルスクリーンのゲーム中。
ソフトは赤ヒゲがカートに乗ってレースするアレ。
「ミドリノヒゲガイチイトカ、キャラテキニアウトダロッ!」
……いい加減カタコト止めろ。
読者から読みにくいって苦情来るぞ。
そしてアキコさんはカルメン焼きを作ってます。
「あれ? 何で膨らまないんだ?」
……アキコさんは気付いてないけど、さっきベーキングパウダーじゃなくて塩入れてたぞ。
膨らむわけがない。
……それにしても
「頭痛ぇ〜……」
俺は1人、机に伏せて寝る体制に入る。
とにかく、少しでも頭痛を鎮静しないと。
ってなわけで、皆さまお休みなさい……
「どうしたO? 具合でも悪いのか?」
「…………」
……こんな時に来るなよ。
「ん? 大丈夫かO?」
「あ、ああ……いや、まぁ……はい」
曖昧な返事しか出来ない。
「どうした? 風邪でも引いたか?」
おやおや?
今日はいつにもなく優しいな先輩。
「ああ……まぁ、昨日は帰りに雨に当たっちゃって……」
「そうか……ツラいなら今日は早退してもいいぞ?」
「え、マジで?」
早退だと!
是非とも!!
「あ、じゃあ早た……」
その時!
ガラガラガラッ!
「杵島はがね、先輩の仇を取りにたてまつった所存でありんす!」
「杵島はがね、覚悟なさいよッ!!」
……突然開いた科学室の扉。
そして、そこにいたのは……あの独特の……
「我、物理部のガーネット和島!」
「同じく、物理部のレンドル倉坂!」
出た、意外と優しい物理部!!
ちなみに琴浦さん、ジョンソン、明子はポカーン状態。
「誰だお前達?」
杵島先輩ははてなマークがいっぱい。
「杵島はがね、今日はお前に変なあだ名をつけてやるッ!」
「覚悟なさいよッ!」
相変わらずのズレっぷりだなガーネットとレンドル。
「何だお前達は……?」
杵島先輩は予想通り意味を理解していない。
「……もしかして、化学部への入部希望者か?」
「先輩、コイツら最初に物理部って名乗ってましたよ」
「……いいか杵島はがね。僕達物理部先代部長、ワトソン政長の仇を取るべく!」
「変なあだ名をあなたに!」
「「つけにきたッ!」」
無駄な演出乙。
「ワトソン政長……誰だ?」
杵島先輩はガチで分かっていないようだ。
ってか
「結局は俺、マジで拉致された意味なかったんじゃん……」
今こうして物理部が来てるわけだし。
「ん、拉致? Oよ、お前拉致されたのか?」
「そうですよ、あんたの好きな拉致です」
どうした先輩。
何故その両拳が震えているの?
「拉致……もしかしてアイツらにか?」
杵島先輩、物理2人組を指差す。
「イエス」
あー……頭痛いから早く帰りたい。
その時……
「ガーネット和島とか言ったな。貴様、私の大事な部員を拉致しただと?」
……おや?
杵島先輩の様子が?
「……ああ、確かに僕ら物理部は昨日、黒鉄徹哉君を拉致したが」
バカ正直に答えるガーネット和島。
やっぱりいい人だ。
「そうか……貴様、私の大事な部員を……」
どうした杵島先輩。
あんたも日頃から拉致拉致言っているではないか。
「……許さないッ!」
その時の杵島先輩の目は……マジだった。
……え?
「私の大切な仲間を傷付ける奴は……許さないッ!!」
杵島先輩ご乱心。
「え……ちょ、拉致はしたが傷付てはない……」
あまりの事に動揺しまくるガーネット和島。
そして黙り込むレンドル倉坂。
「覚悟は……出来ているんだろうな?」
ちょ、えぇー!?
何かすげぇキレてるよ杵島先輩!
何で!?
「え? あんたら、テツを傷付けたの?」
おやおや?
アキコさんまで何故か反応してきたよ。
おやおや?
何故か手には竹刀なんか持ってるし。
「……だったら許さないッ!!」
杵島先輩とアキコは戦闘体制に入った。
だから何で!?
……琴浦さんとジョンソンは何故か机の下に。
え?
次の瞬間ッ!!
「食らえ、ドライアイス爆弾ッ!!」
杵島先輩がさっき作っていた“爆弾”とやら。
それは、ビニール袋の中に少量の水とドライアイスを入れ、口を縛ったもの。
すると、中でドライアイスが溶け、二酸化炭素が発生し、ビニール袋が膨張。
そして、あまりの膨張にビニール袋が耐えられなくなると……
バシャッ!!
「うわっ!!」
「冷たッ!!」
「ちょっ、俺まで被弾してッ!!」
つまりはドライアイス爆弾だと。
そして、杵島印のドライアイス爆弾で怯んだ2人(+俺)にアキコが接近!
竹刀を低く構え……
「施仗桜花流一ノ型、桜吹雪ッ!!」
施仗桜花流
それはアキコの道場に伝わる刀の流派。
型は全部で十ノ型まであるそうです。
発想が厨二だね。
そしてその一、桜吹雪。
ぶっちゃけ、超強力な横斬撃。
それをガーネット、レンドル、そしてなぜか俺にまで直撃!
「ぐあっ!!」
「痛いっ!!」
「何で俺までっ!!」
そして、3人はその一撃で倒れた。
校内暴力はんたーい!
「何故Oまで攻撃を食らっているのだ?」
「それは敵をちゃんと確認しなかったアンタのせいだ」
結局、物理部の連中は後味悪そうに退散していった。
ガーネットとレンドルに幸あれ。
そして、何故か攻撃に巻き込まれた俺は、もう早退する準備。
ドライアイス爆弾+腹に強烈な打撃。
翌日、風邪はさらに悪化しました。