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お外

作者: せおぽん
掲載日:2026/02/13

お母さんが洗濯物を干しに外に出た。

玄関のドアが少し開いている。

僕は、よいしょよいしょと力をこめて玄関のドアを押し開ける。


すう。お鼻の中が冷たい。

お外は久しぶりだ。

このおうちに来る前を思い出す。


しばらくすると、妹のアンコが玄関から顔を出した。

お母さんは、洗濯物を干し終えたのか「だめよ。アンコ」と行ってアンコを家の中に戻しピシャんと玄関を閉めてしまった。


まあ、いいさ。しばらくしたら僕を心配して開けてくれるさ。



僕がおうちの近くで枯れ草を鼻でつついて、フガフガしているとお母さんとお兄さんが玄関から出てきた。僕は、怒られるのが嫌いなので、ちょっと隠れた。「フクちゃん」と、名前を呼ばれたら出ていったら良いんだよ。いつもそれで許してくれる。


あれ?


お母さんとお兄さんは、車に乗って、ぶう。と行ってしまった。



困ったな。困ったけれど、困んない。僕は猫だから。スタスタと家の周りを闊歩する。黄土色の葉っぱ。鼻をつけても乾いた匂い。この間、お外に出たときの葉っぱは青い匂いだったのに。お外がお爺ちゃんになったのかな。


ちょうちょもいない。小さい虫もいない。


寒いな。喉も渇いたよ。


僕は、またひとりぼっちになっちゃった。



ぶう。


お母さんとお兄さんが帰ってきて、ふたりはおうちに入った。しばらくして、お母さんが「フクちゃんが外に!」と言っておうちから出てきた。


僕は、お母さんに近づいた。


お母さんは「こんなに汚れて」と、僕を抱っこして、ぽんぽんと叩いた。僕は怒られた。と思って身をよじってしまう。お母さんの手から逃げてしまったんだ。


「フクちゃん、フクちゃん」とお母さんが呼んでる。お母さんの優しい声を聞くと僕は、僕を悪い子だと思ってしまうんだ。ごめんなさい。


「フクちゃん」と、別の声が僕を呼んだ。


お兄さんだ。


お兄さんは、僕をひょい、と抱き上げた。


お兄さんは怒らない。きゅうと、僕を優しく抱いて頭を撫でた。僕は、くたっとお兄さんの胸に頭をつける。


「疲れちゃったね。フクちゃん」と、お兄さんは言った。



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