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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第42話 なんとなく老後

 世代はどんどん入れ替わり、若いと思っていた人が古参になって、新人が出てきて、実力者だと思っていた人たちは引退を迎える。


 わたしは……老後の世代に入ったのでしょうか?

 あまり実感はありません。


 現役世代だろうと老後の世代だとろうと、日々生活に必要なことはこなしていかなければいけませんからね。

 朝は起きて、朝食の支度。

 洗濯をして、掃除をして。

 昼食の支度をして、食べ終わったら片づけて。

 買い物に行って、夕飯の支度をして、食べ終わったら片づけて、お風呂に入って寝る。


 当たり前の日常は、当たり前に回っていきます。


 ですがある日。

 順子が妙なことを言いだして、日常は少し形を変えていることに気付きました。


「お母さん、二階の掃除した?」

「わたしはしてないけど? 二階の掃除担当はあなたでしょ?」


 順子はコクンとうなずきながらも怪訝そうな表情を浮かべています。


「私の担当だけど、掃除してないのに綺麗になっている」

「あら?」


 今の我が家には、わたしと健太郎さんしかいません。


「もしかしてお父さんが掃除してるの?」

「まぁ、気付いてなかったわ」


 いわれてみれば、仕事へ殆ど行かなくなった健太郎さんは、家の中のことをあれこれとしてくれています。

 してくれている、といっても仕事人間だった男性のやることですからね。

 あまり意識はしていなかったのですが、思っていたよりもしっかりやるべきことをしてくれていたようです。


「私の担当だから、私もやるけど。気になるならお父さんがしてくれてもいいけど」


 順子がなんとなく複雑な表情を浮かべています。

 掃除するのは面倒だけど、勝手にやられてしまうと自分の居場所が奪われるという危機感を持ってしまうからでしょうか。

 

 世間では責任ある立場の人が逮捕されたり、処分されたり、地震や豪雨といった自然災害で大変なことが続いていますが、我が家の危機はずいぶんと平和ですね。

 

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