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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第41話 なんとなく回復

 天皇陛下が退位される。

 その日が2019年4月30日と決まり、時代は変わっていくのだな、と感じました。


 わたしがどれだけ戸惑いを感じようと、気持ちが塞ごうと、時は流れていきます。


 菜の花。たけのこ。アスパラガス。

 春の野菜の収穫も、移り変わっていきます。


 畑仕事は長い期間がかかりますが、収穫するとなったら一気です。


「悦子さん。ジャガイモ掘りに行きましょう、ジャガイモ」


 わくわくした表情で健太郎さんに誘われる頃には、なんとなーく気持ちが回復していきました。

 梅雨時期は気持ちが塞ぐものですが、晴れ間を狙って収穫するものもあります。

 そんな時には人手が必要です。


 玲子が遠くに行ってしまいましたから、わたしも働き手の1人に加えられてしまいました。

 ずっと世話をするわけでもなく、収穫の時だけですからね。

 忙しい時くらい手伝わないと、美味しい野菜がもらえません。


「掘りたてのジャガイモは、レンジでチンしてバターをのせただけでも美味しいですよね。楽しみですね、悦子さん」


 健太郎さんが、とても嬉しそうな表情を浮かべています。


 ジャガイモですか。

 肉じゃがもいいですし、カレーやシチューにしても美味しいですよね。

 素揚げにしても美味しいし、お味噌汁に入れても……。


 などと考えれば、収穫に付き合わないわけにはいきません。

 義兄夫婦とのお付き合いもありますし、わたしも結局は畑へ行って働きます。


 六月、七月と梅雨の時期に入ってくれば、畑に行ったからといっても晴れているとは限りません。


 でも体を動かしていると不思議なもので、なんとなーく『いつもの自分』が戻ってくる気がしてきます。


 義姉は明るく、義兄は陽気な人ですからね。

 わたしなど話を聞いているだけで笑いっぱなしです。


 キュウリにオクラ、ホウレンソウ。

 種をまいて、芽が出るころには、夏休みで戻ってくる玲子に何を食べさせようか、わくわくしながら考えるようになっていました。

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