第37話 母の死
2015年に母は亡くなりました。
ボケたら死ぬのは遅くなる、なんて嘘ですね。
脳が委縮したら、影響があるのは記憶の部分だけではありません。
体を維持する機能にも影響がでます。
他人は勝手なことをいうものです。
とはいえ母は長生きしましたし、健康な時期も長かったので本人はそこそこ満足のいく人生だったのかもしれません。
ですが戦争で苦労した世代ですから、もう少しゆっくり現世を楽しんでからでもよかったような気がします。
いずれにせよ、わたしが考えても仕方ないことですね。
玲子は高校二年生となり、高校生活も残りは僅かです。
受験勉強がありますから、我が家にいる時間はとても短くなりました。
代わりといってはなんですが、健太郎さんが自宅にいることが増えました。
仕事のほうは、バキッと引退というよりも、なんとなく縮小傾向といった感じです。
人生なんてテレビドラマのようにはいきませんからね。
長生きをした母のお葬式は簡素なもので、弔問のお客さまも少なかったです。
既に友人たちは虹の向こうにいますから、むしろ寂しくなくなったのではないでしょうか。
娘としては少々複雑ですが、時は流れ、人は老いて死ぬのが普通です。
仕方がありません。
死は勝手にやってくるのに、警察官が拳銃で自殺したり、元交際相手の女性を殺したりと人は不思議です。
物騒なのは嫌ですね。
少女が被害者の事件が起きると、玲子のことが心配になります。
我が子はもちろん孫もいつまでも小さなイメージですから、被害者が小学生でも、幼稚園児でも気になります。
報道されやすくなっただけかもしれませんが、被害がとても増えている気がしてなりません。
犯罪なんて少しでも減ったほうがいいのに。
夏が暑すぎて、皆おかしくなってしまっているのでしょうか。
真夏日はともかく、猛暑日ってなんですか。
猛暑日の日なんて要らないのに。
逆に秋がどっかにいっちゃいましたね。
猛暑日をなくして秋を戻してもらいたいです。
夏がこんなに暑くなかったら、わたしの母はもう少し長生きしたでしょうか?
考えても仕方のないことですが、ちょっと考えてしまいます。




