第32話 家庭菜園部?
健太郎さんは相変わらずお勤めをしていますが、昔に比べたら帰宅は早いですし、週末はしっかり休むことができるようになりました。
玲子と過ごす時間も増えて楽しそうです。
それと入れ替わるように、順子が忙しくなってきました。
勤め続けているので、女性といってもそれなりの立場を任せられるようになったらしいです。
「結婚もしているし、子どももいるけど、早く産んだからバリキャリ組と同じくらい働けるの」
当人はそんなことを言っていましたが。
順子がバリバリ働けるのは、わたしが玲子の面倒をみているからだと思います。
ハッキリと言ってしまうと角が立つので言いませんけど。
……言いませんけど、わたしの協力について、ちょっとは褒めてくれてもいいと思うのですが。
ま、いいですけど。
そんなこんなで中学生になった玲子が我が家にいる時間は長いです。
なんだったら週末も来ますからね。
玲子が来るのは歓迎なのですが。
我が子との関係は難しいですねぇ~。
最近は子どもの数が少ないので、玲子目当てに義兄夫婦も我が家へよく遊びに来ています。
我が家には孫が1人いますが、義兄夫婦のところはゼロです。
子どもはいるのですが、男の子が2人なので結婚する様子もないようです。
男の子といっても30歳過ぎているのですが、最近は結婚も遅いですからね。
仕方ないです。
それに玲子はひとりっ子ですから、可愛がってくれる人が少しでも多いほうが安心できます。
とはいえ、畑仕事に中学生女子である玲子が興味を示すとは思いませんでした。
「今週末はオバちゃん家の畑の収穫を手伝うの」
玲子の言うオバちゃんは義姉のことです。
「お礼に、おはぎ作ってくれるんだって。楽しみ」
どうやら義姉は食べ物でつっているようですね。
義姉は料理上手ですし、家庭料理はお店で売っている物と違って飽きがきません。
「今週末は友達も誘っているから、みんなで収穫するんだー」
もはや畑仕事がレジャーのようです。
「楽しそうね」
わたしは、なんとなくそう言ってしまいました。
「ならバーバもきたらいいじゃない」
玲子はそう言って笑います。
そう言われると、そうしてもいいかなーという気分になってしまうのが人間の不思議なところです。
「おや、楽しそうだね。それなら私も行こうかな」
「うん、ジージもきたらいいよー」
健太郎さんもなんとなく一緒に行くこととなりました。
これは義姉の作戦勝ちですね。
でもわたしが『バーバ』で義姉が『オバちゃん』なのは、ちょっと納得がいきません。




