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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第23話 気になる娘家族のマイホーム計画

 孫が小学生になり、相変わらず我が家に帰宅するのを見ていると、気になるのは将来のことです。


「これだけ我が家に入り浸るのなら、この家を二世帯住宅にして一緒に住んでしまえばよいのでは?」


 という住宅問題です。


 賃貸、高いですからね。

 あまり家にいないし、孫の玲子を中心に考えれば、我が家は重要な拠点です。


「庭を少し潰して家を建て替えれば、二世帯にできるわよね?」


 わたしは健太郎さんに相談しました。

 健太郎さんは笑っています。


「ははは。それはそうかもしれないが。順子だって考えがあるだろう。哲也君も我が家に来るのは抵抗ないみたいだけど、一緒に住むとなったらどうかな? 気詰まりなんじゃないかな?」


 わたしは首を傾げました。

 どうせわたしたちは順子たちよりも先に死んでしまうし、老後は老人ホームへ入ってしまうつもりです。

 家族なのだし、変な遠慮はいらないと思うのですが。


「今の状態で上手くいっているんだ。無理をして危険な状態を招くような余計な事をしないほうがいいんじゃないか? まぁ、順子たちの家庭のことは、あちらに任せておきなさい。何かあれば向こうから相談されるだろうから」


 健太郎さんの言うことも分かります。

 それにこの家のことを最終的に決めるのは健太郎さんの役目です。

 わたしが余計な気をまわしてトラブルになったら困ります。


 でも……わたしは考えてしまうのです。


 玲子は成長して、物事は色々と複雑になっていきます。


 世間では事件が起きたり、解決したりするのは日常茶飯事。

 小さな女の子が事件に巻き込まれて未解決になっているものもあります。


 子どもが被害者になる事件は嫌ですね。


 さらわれて戻ってきたとしても、失くした時間は戻ってきません。

 それに生きていればいいってものじゃない。

 子どもを育てるために、教育にどれだけ心を砕くか。

 子どもを育てた方ならわかるはずです。


 優しく、賢く、健康に。

 倫理や道徳、世の中の渡り方。


 すべてを1人で教えることなどできないから、他人の力も借りるのです。

 頭を下げてお願いするのです。


 孫育てに強制参加させられるのは構いません。

 ですがそれならそれで、孫を守るために出来ることはしてあげたい。

 そう考えると、色々と気になることもあるのです。


 健太郎さんは笑って言います。


「玲子の親は順子と哲也君だ。教育のことは彼らに任せておきなさい。住宅のこともだ。彼らには彼らの計画がある。お願いされたらその時に考えたらいい」


 わたしは黙って健太郎さんに頷いてみせました。


 そこから少し経った2008年、平成20年。

 順子からマイホームを建てるという報告を受けました。


 哲也さんのご両親が、土地を生前贈与として譲ってくれるそうです。

 そこに家を建てることになったようですね。

 我が家と同じパターンです。


 違うのは、住宅ローンが順子と哲也さんの2人でのペアローンという点でしょうか。

 玲子もいますし哲也さんは順子にべた惚れの優しいタイプの男性ですから、心配はいらないのでしょう。

 けれど女性が住宅ローンを負担するというのは、わたしから見ると少し違和感があります。


 健太郎さんが「心配ないよ」と言っていますから、心配しないようにするつもりですが。

 我が子のこととなると、気をもむのが親というものですよね。

 なんて損な役回りなのでしょうか。


 そうも思いつつも、玲子が習い事に行きたいと言えば送り迎えを引き受けてしまう、わたしなのでした。

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