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昭和25年生まれ 木村悦子75歳  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第22話 孫が小学校入学

 涙涙の保育園卒園式が終わり、玲子が小学校へ入学しました。


 小さな体に背負うにはあまりに大きなランドセル。

 ランドセルが歩いているような状態です。


 入学式には順子が出席しただけで、わたしは行きませんでした。

 親が行けるなら、学校行事に祖母が行く必要はありません。

 それに出席なんてしなくても帰宅は我が家ですからね。

 孫の可愛い姿は、すぐに見られます。


 それよりも、わたしは入学のお祝いのための準備で忙しいです。

 平日ですから我が家にはわたししかいませんし、玲子と順子が来るだけですが。

 でも入学式の日なので、お祝いをします。

 ちょっと贅沢なお昼ご飯を用意しました。

 喜んでくれるといいのですが。


「ばーばっ! ただいまー」

「お帰りなさい」


 玲子が元気に帰ってきました。


「ただいまー。玲子、ばーぱにランドセル見せてあげないと」


 順子に促されて、玲子はわたしの前で自慢げに一周してみせます。

 玲子のランドセルはラベンダー色です。


「ふふ。よく似合っているわ」


 わたしは可愛い孫の晴れ姿に目を細めました。

 何を持っても、何を着ても、孫は可愛いのです。


 順子が笑いながら言う。


「でしょ? まだ女の子のランドセルは赤が多いから、ラベンダー色のランドセルですぐこの子ってわかるわよ」


 そんなメリットもあるのね。

 玲子がこのランドセルを選んだときには、変わった色だから六年も飽きずに使えるかどうかを心配しましたけれど。

 気に入っているみたいでよかったです。


「ふふ。玲子ちゃんの可愛い姿が見られてよかったわ。さぁさ、お昼ご飯にしましょう。少し遅くなったからお腹がすいたでしょ? 今日のお昼ご飯はお祝いだから、ごちそうよ。ばーば頑張っちゃった」

「やったー。ばーばありがとう」


 玲子は急いでランドセルを下しました。

 小さな子のパタパタした動きって、どうしてこうも可愛いのでしょうか。

 わたしは可愛い孫の小学校入学を祝うために用意した料理をテーブルに並べます。


「うわぁ―美味しそう。しかも可愛い」

「そう、可愛いでしょ? ちらし寿司ケーキ? っていうのを作ってみたの」

「マジで手が込んでる。お母さん、凄い」


 わたしは見よう見まねで作った見栄えのよい料理を褒められて、ちょっと得意げに笑います。

 実は桜のシフォンケーキも焼きましたし、お花の形のクッキーも焼いてあるのです。

 出したときに、どんな反応をしてくれるか楽しみです。


「晩御飯はどうするの?」

「こっちで食べていこうと思って、哲也さんにもこっちに来てって言ってある」


 順子はちゃっかりしています。

 誰に似たのでしょうか?


「構わないけど。晩御飯の食材は買ってないから、あとで買い出し付き合ってね」

「あーい」


 晩御飯は豪勢にすき焼きです。

 

 食材費は順子に請求しようかと思いましたが、健太郎さんがお祝いだからこっちで持つというので、我が家の負担となりました。

 夫婦そろって甘々ですね。

 まぁ、今日はお祝いだから、よしとしますか。


 我が家に訪れた春は、賑やかで華やかです。


 世間的にも桜の花びらがハラハラと舞う華やかで穏やかな春、といったところですが、2005年の春は、穏やかなだけでは終わりませんでした。

 電車の脱線による大事故が起きたのです。


 公共交通機関なら安全。


 そんな安全神話が大きく崩れてしまいました。


 小学校に上がった玲子は、塾に行くなど1人での行動も増えてくる時期です。

 公共交通機関なら安全だから、と思っていましたが、一気に不安になってしまいました。

 

 甘いと思われそうですが、わたしは専業主婦で自由がききましたので、玲子が1人で行動する時には、なるべく付き添うことに決めました。


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