恋焦がれた君に堕ちるまで。
【 光り輝く二柱 】
世界の外側。
ひととおり全部が終わったあと。
朝が来て、鐘が鳴って、世界が何事もなかった顔で続いている、その縁。
人の形をしているけれど、人ではない二柱が、足をぶらぶらさせながら覗き込む。
『いやあ、説明するとさ』
『するの? 今さら?』
『するでしょ。だってこれ、分かりやすくないと怖さ半減だもん』
下の世界では、彼と彼女が並んで歩いている。
『まず前提ね』
『前世のアデル、ソフィアの恋人じゃない』
『完全に一方通行』
『ストーカー』
『恋人のふりして付き纏って』
『受け入れてもらえなくて』
『闇堕ち』
『拒否されるたびにさ』
『「愛してるのに」って思って』
『「分かってくれない」って拗らせて』
『世界が彼女一色になった結果』
二柱は同時に、下を指差す。
『首、絞めた』
『殺した』
一瞬、風が止まる。
『やってしまったあとの顔、最悪だったよね』
『愛も後悔も憎しみも、全部一緒に来るやつ』
『それで泣きながら縋る』
「助けてくれ……」
「彼女だけは……お願いだ……」
『自分は?』
『どうでもいい』
『世界は?』
『もっとどうでもいい』
二柱は肩をすくめる。
『だから禁術』
『世界と自分の命、丸ごと代償』
『重いねえ』
『でも迷いゼロ』
『結果』
『ソフィアの魂、外界へ』
『時間軸ズレた』
『別世界に投げた』
『これで終わり』
『……なら、きれいだったんだけどね』
二柱は同時に笑う。
『また君に逢いたいって想いが強過ぎて』
『消えないんだよ』
『侵食する』
『呼んでしまったんだよね』
『新しい世界で生れ落ちて』
『現世のアデルへ居座った』
『殺した記憶も』
『後悔も』
『執着も』
『そしてまた』
『彼女を手に入れる』
『完全に現世のアデルを抑え込んで』
下の世界。
彼は彼女を愛している。
守り、選び、共に生きている“つもり”で。
『本人はただ恋してるだけ』
『愛してるだけ』
『でも実態は』
『選ばれなかった愛が』
『選ばせる愛になったやつ』
『ねえ』
『なに?』
『これって愛?』
『愛だね』
『重くて』
『濃くて』
『逃げ場なくて』
『それでも彼女を生かしてる』
『誰も止めないの?』
『止める理由ないでしょ』
『だって今』
『彼女、息してる』
二柱は、満足そうに頷く。
『じゃあ、まとめるよ?』
『うん』
『恋人じゃなかった男が』
『恋に焦がれて』
『殺して』
『世界を壊して』
『それでも君を手放せなくて』
『別の世界でもう一度』
『君に堕ちた』
二柱は声を揃える。
『恋焦がれた――』
『君に――』
『『堕ちるまで』』
『はい、タイトル回収!』
『お疲れさまでした!』
下の世界では、彼女が笑っている。
『……ねえ』
『なに?』
『これ、幸せかな』
『さあ?』
『でも少なくとも』
『生きてる』
二柱は、同時にこちらを見る。
『だったら』
『いいんじゃない?』
世界は、今日も続いている。
誤って没版upしてしました!!
本当に申し訳ございませんm(_ _)m修正しました!




