第46話 クラス裁判
僕は体育館から逃げ出す。家にはアラタの指示を受けて警察の監視に見つからないように中に入る。僕はまだ深夜だが楠木を起こす。
「日下君、どうしたの。」「アラタが川口を殺してしまったんだ。」
「また、死んだのね。」「僕は間に合わなかった。アラタを止められたのに、技の発動に時間がかかりすぎるんだ。」
楠木がうつむく。つらそうだ。もう7人が死んでいる。残るのは井上だけである。
登校すると生徒や教師たちが騒いでいる。勝也が声をかけてくる。
「川口が体育館で殺されていたんだ。」「間に合わなかったんだ。」
「もう、光喜に期待することはやめにするよ。」「ああ、僕は役立たずだ。」
とうとう勝也に見限られてしまった。楠木は僕をどう思っているのだろうか、彼女も僕には止められないと思っているのかもしれない。
教師たちが生徒に教室に入るように指示する。教室に入ると僕はクラスメイトの注目を浴びる。楠木がみんなに言う。
「何、日下君を見ているの。犯人とでも言いたいの。」「お前たち同棲しているんだろ。」「共犯でしょ。」「彼氏を必死に弁護して可哀そう。」
クラスメイト達が楠木に攻撃を始める。僕は教室から楠木を連れ出す。廊下に出ると担任と出会う。
「日下と楠木は教室に入れ。」「僕たち教室にいられません。」
「・・・そうか。保健室へ行け。後で考えよう。」「はい。」
僕たちは保健室に一時避難することになる。担任は教室に入るとホームルームを始める。
「今朝、川口の死体が体育館で発見された。この中で日下が犯人だと思っている者はいるのか。」
井上を始め、幾人かの手が上がる。
「日下は警察に取り調べを受けているが、あいつが人を殺せると思えるか。ケンカしたら川口の方が強いだろ。」「先生、警察は日下を疑っているのですよね。」
「警察はそんな発表はしていないぞ。」「でも、警察は日下を逮捕までしているし、証拠がないだけだよね。」
「警察は釈放しただろう。犯人ではないから証拠もないのではないかね。」「・・・それは・・・」
「日下と楠木を受け入れてくれないか。」「先生、二人は同棲していますよ。」「日下も楠木も二人でいちゃついていたいよね。」「それ、あるなー」
「頼んでも。だめか。」「先生、私は怖いわ。」「人殺しかもしれない奴と一緒は嫌だな。」「犯人が捕まらない限り、無理だよな。」
担任はクラスの反応に日下と楠木が教室に入ることをあきらめる。僕たちはクラスから排除されてしまった。




