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第41話 楠木家の事情

 僕と楠木は勝也と別れて、スーパーマーケットに寄って買い物をして家に帰る。家に入ると楠木は料理を始める。僕も手伝うが楠木の機嫌が悪い。

 「日浄さんも結城君もひどいわ。日下君を殺すなんて、被害者なのに何なのよ。」「もう済んだことなんだから。」

 「何を言っているの。殺されるところだったのよ。」「僕も死ぬことを考えたことがあるから。」

 「そんなことはよして、約束よ。」「うん、約束する。」

僕たちは生きると約束した。僕は楠木のために死ぬわけにはいかなくなった。

 夕食後、僕は楠木を家に送って行く。家に帰る途中、僕は突然声をかけられる。

 「光喜君、まめだねえ。」「誰ですか。」

 「浅野だよ。あったことあるだろ。」「刑事さんですか、何か用ですか。」

 「偶然見かけたから声をかけたんだよ。」「僕は家に帰るところですから失礼します。」

 「少し時間を貰えないかな。」「なんですか。」

 「楠木友里さんと仲がいいようだけど、毎日君の家に通っているよね。恋人かい。」「僕たちのことは警察に関係ないでしょ。」

 「しかし、君は被害者たちと友人関係にあるし、池田君に至っては、彼が君をナイフを持って追いかけた後、失踪して死体で発見されている。」「あれは僕が被害者でしょ。」

 「小山刑事はどうなのかな。彼は君のことを調べていたんだよ。」「ええ、いやな思いをしましたよ。」

 「何か言うことはないのかな。」「何が言いたいのですか。」

 「まあ、この辺にしておこう。後は楠木友里さんに聞きますから。」「彼女は関係ないだろ。」

 「君と親しいのだからお話を聞くことは当然でしょ。」「まさか勝也の所に行っていないよな。」

 「彼とは会ってきたところです。」「なんて奴だ。」

 「仕事ですから。邪魔したら公務執行妨害になりますよ。」

僕は無力だ。楠木は関係ないのに守ることもできない。楠木家に警察が来たら楠木の家の中での立場が悪くなるに違いない。

 浅野は楠木の家の方へ歩いていった。アラタが僕にささやく。

 「あの刑事を殺してしまおう。このままだと楠木が傷つくぞ。」「そんなことしたら、楠木まで疑いがかかるだろ。」

 「いいのか。」「良くないけど、殺しはだめだ。」

 「後悔するぞ。」「・・・・・」

僕は我慢して家に帰ることにする。楠木の家に浅野が訪れる。

 「こんばんわ。東警察署の浅野と言います。」「何の用ですか。」

 「楠木友里さんにお話を伺いたくて来ました。」「友里が何かしたのですか。」

 「いいえ、日下光喜君と仲が良いようなので事情を聞きに来たのです。」「そうですか玄関ではなんですのでおあがりください。」

 「それでは失礼します。」

浅野は居間に通される。両親は自分の部屋に引きこもっている友里を呼び出す。

 「あんた何をしたの。警察の人に正直に話しなさい。」「私は何もしていないわ。」

 「また、変なことを言ったりしているんでしょ。」「お父さんもお母さんも私を信じないでしょ。」

 「なんて子なの。あんたは小さい時から全然変わっていないわ。警察に連れていってもらいなさい。」

浅野の目の前で口喧嘩が始まる。浅野は慌てて止めに入る。

 「待つて下さい。友里さんは悪くありませんから。」「日下と言う子が悪いのね。友里、これからは日下君と話をしたらだめよ。」

 「私の勝手でしょ。私のことを放置しているくせに。」「学校へ行かしてあげているだけでも感謝しなさい。」

 「ご両親は部屋から出てもらえませんか。このままでは事情聴取が出来ません。」「私たちを追い出すつもり。」

 「では、黙って話を聞いてください。」「分かりました。」

浅野は大幅に精神力を削られる。

 「友里さん、日下光喜君と仲が良いようだけど、彼から連続殺人の話とか聞いていないかな。」「日下君は関係ありません。」「友里、正直に言いなさい。」

 「だまっていてください。日下君とはどんな関係ですか。」「友達です。」

 「毎日、日下君の家に行っているよね。」「友里、男の家に入り浸っているの。」「夕食を食べているだけよ。」

 「家で食べればいいでしょ。」「どうせ、一人で作って一人で食べるのだから関係ないでしょ。」

 「何を言っているの。」「本当のことでしょ。」

 「これはどいうことですか。」「家の中のことを警察か干渉するのですか。」

 「虐待しているのなら、話は別です。」「そんなことするわけないでしょ。仲が悪いだけです。もう帰ってください。」

 「まだ話は終わっていませんよ。」「これ以上は令状を持って来て下さい。」

浅野は両親に追い出される。友里は部屋へ引きこもって、両親を無視する。

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