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第21話 勝也を巻き込む

 放課後、僕と楠木は願本寺に行く。僕たちは本堂に行くが日浄さんはいない。庫裏の方に行くと日常さんが勝也と話をしていた。なぜ、勝也がいるんだ。

 僕の疑問に答えるように勝也が言う。

 「光喜と楠木が何か隠しているようだから、あとをつけたんだ。」「勝也を巻き込みたくない。」

 「クラスが異常な状況に巻き込まれているんだ。今更だろ。」「日浄さんに聞いたのか。」

 「いいや、教えてくれなかった。」「聞きたいのか。」

 「ああ。」「信じてもらえないかもしれないけど話すよ。」

 「光喜の言うことは信じるよ。」「僕は、廃病院で穢れに取りつかれてしまったんだ。」

 「穢れ?」「黒い悪いものだ。アラタと名乗っている。アラタは僕の体を使った。佐藤、西山、斎藤を殺している。」

 「なんてことだ。なぜ、俺たちのクラスなんだ。」「アラタは、廃病院に行ったメンバーを全て殺すつもりでいる。」

 「僕もか。」「お前は光喜の大切だから殺さないでおいてやろう。」

 「誰だ。光喜ではないな。」「勝也、今のがアラタだ。僕と入れ替わった。」

 「待て、混乱してきた。」

勝也は座り込む。日浄さんが僕に言う。

 「もう、護符は効果がないか。」「坊主、我は光喜と一つになった。手遅れだ。」

日浄さんは僕にゆっくり近づいてきている。そして、僕のみぞうちに掌底を放つ。ただの一撃だはなかった。僕の体に気が流れ込む。

 心の中でアラタの苦しむ声が聞こえる。だが、僕もしびれて動けなくなる。意識が遠くなる。日浄さんが楠木に聞いている。

 「どうだい、穢れは離れたかな。」「いいえ、同化したままです。このままでは日下君まで影響が出ます。」

 「これは困ったな。魂まで同化したら手の出しようがないよ。」

僕は手遅れなのかな・・・僕はアラタになってしまうのかな・・・

 僕の意識が戻る。同時にアラタが目を覚ます。

 「坊主、何をする。消えるところだったぞ。」「アラタ、君だけが消えるのかな。」

 「まさか、光喜も道連れだ。我らは一つになったのだからな。」「そうか。同化を解いてもらうしかないな。」

アラタは立ち上がろうとするが畳の上を転がる。僕は意識がないうちに本堂に連れられていた。そして、縄で縛られている。

 僕が暴れないようにする措置だが。アラタがその気になったら何の役にも立たないだろう。

 勝也が泣きそうな顔で僕に言う。

 「光喜、お前変わってしまったのか。」「僕は変わっていないよ。ただ、アラタを抑えておけないんだ。」

 「俺にできることはないのか。」「ごめん。」

僕と楠木は勝也に付き添うことにする。僕は勝也を家まで送る。僕は勝也を巻き込みたくなかったがばれてしまっては仕方がない。

 勝也は、これからどう接してくるのだろうか。せめて友達として接して欲しいと思う。

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