第18話 父光也動く
父は東警察署に到着すると受付に言う。
「小山刑事をお願いします。」「どのような用件ですか。」
「日下が来たと言えばわかります。」「小山、今いませんので明日午前9時以降にお願いします。」
「では、呼び出してください。」「出来かねます。」
「小山は私の妻を死に追いやったんだ。さっさと呼べ。」「日下さん、落ち着いてください。小山は優秀な刑事です。そのようなことをするわけないでしょう。」
「小山は私の息子に付きまとって、妻を追いつめたんだぞ。」「今日はお帰り下さい。」
父は刑事課に行こうとする。それを警察官が止める。そして騒ぎになり、父は保護される。警察は父の身から引き受けを叔父に依頼する。
叔父は父の弟になる。二人は明け方近くに家に帰って来る。叔父は父のことを怒っていた。叔父が僕に言う。
「お父さんが何をしたいのかわからないがお姉さんを弔うことが先だ。光喜君力になってくれ。」「僕はお父さんの気持ちがわかります。」
「何があったんだ。」「小山刑事が、母さんんを自殺に追い込んだんだ。」「君もお父さんと同じか。」
僕は叔父に母の遺書を見せる。叔父は遺書を読んで顔色が変わる。そして、僕に言う。
「今はお母さんの葬儀が先だ。刑事は弁護士を立てて告訴すればいい。」「僕は小山が憎いよ。」
「冷静になりなさい。」「分かったよ。」
叔父は一旦自宅に帰って行く。父は部屋にこもっていた。本当なら葬儀の準備で忙しいはずなのにスマホにかかって来る電話にも出ていない。
僕は眠くなり、部屋に戻って睡眠をとる。もう一人の僕が語りかけてくる。
「かたきをとってやろう。殺したいくらい憎いのだろ。」「殺したいわけではないよ。」
「取り繕うな。我はお前と繋がっているんだ。一言頼むだけですべて解決だ。さあ、言葉に出せ。」「僕はお前を解き放ったりしないよ。」
目が覚める。アラタが動き出そうとしていると感じる。僕はお守りに入っている護符を取り出す。白い紙だったはずが、何年もたったように護符の紙が黄色く変色していた。
護符の効力が落ちているのかもしれない。
僕は顔を洗いに1階へ降りる。すると父の気配がない出かけたのだろうか駐車場を見ると車がない。きっと警察署に行ったに違いない。
父の光也は再び警察署を訪れていた。
「昨夜は会えなかったが、今日は会わせててもらうよ。」「日下さん、また暴れるつもりですか。」
「小山刑事に会えれば何も起こりませんよ。」
すると小山刑事が姿を現す。
「光喜君のお父さんですか。小山です。」「あんたか、麻木に何を言った。」
「ここでは人目がありますから。応接室に行きましょう。」「・・・・・」
光也は小山を睨みつけて、あとに続く。応接室に入ると小山が言う。
「あんたの奥さん、何か知っていると思っていたんですが、死なれてしまいました。」「麻木が何を知っているんだ。それにその言い方はないだろ。」
「あれは死んで逃げたんですよ。私にはわかります。」「こ、こ、このーーーー」
「殴りますか。公務執行妨害ですよ。」「いいや、あんたを告訴する。」
「いいでしょ。私が光喜を逮捕することが早いか競争だ。」「光喜は殺していないぞ。」
「証明できるのですか。」「・・・・・」
「できないでしょ。あいつしかいないんだ。殺しの方法を暴いてやる。」「あんたには無理さ。」
光也は応接室を出て帰って行く。バカな刑事だ。全て録音したぞ。




