第1章:第7話『となりの村との ありがとう交換』
このお話では、“通貨の基準”を学びます。
金を大切にするタンポポ村との取引が始まりました。
ひまわり村では“心の信頼”を、タンポポ村では“金の重み”を重んじています。
ある春の日のこと。
ひまわり村の広場に、見なれないお客さんがやってきました。
背中にたくさんのカゴを背負った、タンポポ村のハリネズミのハリーさんです。
ハリー:「こんにちは! うちの村でたくさんとれたタンポポのはちみつ、よかったら“交換”してくれない?」
村のみんなは目をキラキラさせました。
りすのしん:「おおー、いいにおい! あまそう!」
ぴょん様:「パンにぴったりかも!」
リオ団長:「ようこそ、ハリーさん! ぜひ分けてほしい。ぼくらの“サンキューカード”で、交換できるかな?」
でも、ちょっとしたちがいがところがハリーさんは、少し困った顔をしました。
ハリー:「でもね……ひまわり村のカードって、“金”と交換できるの?
うちでは“金1粒=100たんぽぽマネー”って決まってるんだ。」
りすのしん:「えっ? 金?うちの村では、“ありがとうの気持ち”が大事で……
キラキラはカードの模様に少し使ってるくらいかな?」
村のみんなは首をかしげました。
すると、ふくろう長老が羽をふわりと広げて言いました。
ふくろう長老:「なるほど……。つまり、タンポポ村では“金”をもとにありがとうを数えておるのじゃな。けれど、わしらの“ありがとう”は、心そのものを信じる仕組みじゃ。」
~りすのしんの調査~
りすのしんはタンポポ村の金の量をハリーさんに聞いたのち、
村の倉庫に行って調べてみました。
りすのしん:「ふしぎな話だけど……まずはキラキラしてる金を全部あつめて量ってみて、ひまわり村はどれくらいあるのか調べてみよう。」
数えたあと、しんはびっくりして走って戻ってきました。
りすのしん:「長老! リオ団長! うちの村にある金の量、タンポポ村のなんと2倍もあったよ!」
リオ団長:「えっ!? そんなに持ってたなんて知らなかった!」
ふくろう長老:「わしら、気づかぬうちに“金もち村”じゃったのう……。」
村のみんなはどっと笑いました。
~ ありがとうの交換~
そのあと話し合いが行われ、ハリーさんとリオ団長はこう決めました。
ハリー:「じゃあ、2つの村それぞれの金の保有量をベースにして、ひまわり村の1サンキューマネーを、2たんぽぽマネーと交換しよう!」
リオ団長:「ありがとう。おたがいを信じあって交換する、それがほんとうの“ありがとう”だね。」
ふくろう長老:「うむ。価値とは、モノの中にあるのではなく、 “心と心の約束”の中にあるのじゃ。」
~コモちゃんのひとこと~
その夜。
コモちゃんは星を見ながら、ぽつりとつぶやきました。
コモちゃん:「ひまわり村の“ありがとう”は、やっぱりあったかい。“金”で数えるだけじゃ、伝えきれないものがあるよね……。」
空の上で、ひまわりの形をした星が、やさしく光ったのでした。
ふくろう長老は、空を見上げて静かにつぶやきました。
ふくろう長老:「じゃが、いずれ“金”の力で世界を動かす村も現れるじゃろう。
だが、そのときこそ、“ありがとう”の本当の意味がためされるのう……。
通貨の違いは、価値観の違い。
金本位制のように“物に支えられたお金”と、信用貨幣のように“人の約束で支えられたお金”。
その両方を理解することが、豊かな交流を生みます。
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