第1章:第3話「銀行の誕生!!カードをしまって とどけてくれる しばのすけ」
このお話では、“信頼をあずかる”という新しい考え方が登場します。
しばのすけというしっかりものの柴犬が登場し、カードを安全に預かる仕組み(銀行)を考え出します。
朝のひまわり村は、すっかりにぎやかになっていた。
サンキューカードが広まり、あちこちで「ありがとう!」の声が聞こえる。
ぴょん様:「パンを運んでくれてありがとう、はいこれ!」
みーちゃん:「お魚をわけてくれてありがとうにゃ!」
ヒヒーン:「手伝ってもらって助かったヒヒーン!」
カードが回るたびに、村は活気づいた。
でもその分だけ——新しい困りごとも出てきた。
~なくなったカード~
ある日、チュー太郎があわてて広場に走ってきた。
チュー太郎:「たいへんです!ぼくのサンキューカード、ぜんぶどこかへいってしまいました!」
みーちゃん:「どこに置いたのにゃ?」
チュー太郎:「パンをもらうときポケットに入れたはずなのに……風に乗って飛ばされたのかもしれない。」
ぴょん様:「“ありがとう”が消えちゃったみたいで、なんだか悲しいね。」
リオ団長:「うーん……“信頼”を安心して預けられる場所があったらいいのにな。」
その言葉を森の木の上で聞いていたふくろう長老、そっと羽を広げた。
ふくろう長老:「“ありがとう”は心の中にある。けれど、形にした以上、守る場所も必要じゃ。」
~しばのすけの提案~
そのころ、しばのすけは小屋の前で木箱をトントン直していた。
どの箱にも、金色のカギがついている。
リオ団長:「しばのすけ、相談があるんだ。」
しばのすけ:「なんでしょう、団長。」
リオ団長:「サンキューカードをなくしたり、数を間違えたりしないようにできないか?」
しばのすけは少し考えて、にこっと笑った。
しばのすけ:「それなら、ぼくが預かりましょう。だれのカードが何枚あるかをきちんと記録しておきます。代わりに“預かり券”を渡します。それを持っていれば、あとでカードを返します。」
ぴょん様:「それなら安心だね!落とす心配がない!」
みーちゃん:「カードを持ち歩かなくてもいいにゃ!」
しばのすけ:「それだけじゃないよ。」
ヒヒーン:「ヒヒーン?」
しばのすけ:「もしヒヒーンくんがパンを買いたいとき、ぼくに言ってくれたら、ヒヒーンくんのカードをぴょん様に“うつす”こともできるワン!」
ぴょん様:「えっ、カードが“動かずに動く”ってこと!?」
しばのすけ:「そうワン。“ありがとう”は目に見えなくても届くんだ。」
~ワンワンバンクの誕生~
こうして、しばのすけの小屋は“ワンワンバンク”と呼ばれるようになった。
みんなはカードを預け、必要なときだけ「うつして」もらう。
しばのすけは言った。
しばのすけ:「ぼくの仕事は、“信頼をあずかる”こと。そして、“ありがとう”を正確に運ぶこと。」
カードをうつしてもらうときは、みんなが「うつしてくれてありがとう」と言って、1枚のカードを渡した。それがしばのすけの新しいお仕事になった。
リオ団長:「“ありがとう”を運ぶ仕事、すてきだね。」
ふくろう長老:「風はただ吹くだけでは届かぬ。だれかが“運ぶ”ことで、流れはひろがるんじゃ。」
~“信頼の風”が生まれる~
こうして“ワンワンバンク”ができてから、ひまわり村の“ありがとう”はもっと遠くまで届くようになった。
りすのしん:「ぼくのカード、あの工房までちゃんと届いたよ!」
しばのすけ:「まかせてワン!風のように早く、正確に!」
たいまつの火がともり、「ワンワンバンク」の看板が金色に光った夜。
ふくろう長老はつぶやいた、「見てごらん、風が二つになった。“ありがとう”を生む風と、“信頼”を運ぶ風じゃ。」
リオ団長は空を見上げ、「風が広がれば、きっと村も広がる。」
そして、月の光がやさしく広場を照らした。
それは、ひまわり村に“金融”が生まれた夜だった。
“ワンワンバンク=銀行”は、“ありがとう”を運ぶ信頼の箱です。
銀行を通して「見えない感謝を正確に預かり届ける仕組み」が生まれ、経済の原型が静かに芽生えました。
次のお話では銀行の大事なお仕事のもう一つ、「融資」のお話です!!
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