第1章:第2話「ものとものを取りかえるのは むずかしい?」
このお話では、“ありがとう”をどう伝えるかを考えます。
登場するのは前作から引き続き村を見守るリオ団長 とふくろう長老、そして新しく魚の名人みーちゃんやチーズ職人チュー太郎、力もちの ヒヒーンくんが登場。
ものとものの交換がうまくいかない時、ふくろう長老が再び知恵を授けます。
一体どんな知恵でしょう?
ひまわり村は、10人ほどの小さな村だった。
畑のにおい、パンの焼ける音、川のせせらぎ。
それぞれが好きなこと、得意なことで暮らしていた。
魚とり名人の みーちゃん。
チーズづくりの チュー太郎くん。
パンやお菓子の ぴょん様。
力もちの ヒヒーンくん。
そして、村を見守るリオ団長 とふくろう長老。
朝から晩までにぎやかで、笑顔の絶えない村。
けれど——ひとつだけ、小さな悩みがあった。
~「ありがとう」をどう伝える?~
みーちゃん:「チュー太郎くん、チーズを少し分けてもらってもいい?」
チュー太郎くん:「いいよ! でもそのかわり、お魚をもらえると助かるな!」
みーちゃん:「うん、今日釣れたてのを持ってくるね。」
こうして、魚とチーズを“こうかん”する仕組みが自然に生まれた。
だれも損をしない。どちらも笑顔。
それは、村に“ありがとう”の風が通うような時間だった。
けれど、いつもうまくいくとは限らなかった。
~ 交換できない日~
ぴょん様:「ぼく、魚がほしいけど、パンをもう全部売っちゃったんだよね。」
みーちゃん:「ぼくも魚を釣ったばかりで、お腹がすいてて……。」
“いま持っているもの”がない。だから、交換ができない。
みんなが「どうしよう」と困っているのを、森の上からふくろう長老が見ていた。
「風が止まるときは、道を変えるときじゃ。“ありがとう”の道も、同じこと。」
~サンキューカードを使ってみたら?~
その夜、広場にあかりがともった。
ふくろう長老がゆっくり羽をひろげた。
「みんな、“ありがとうのカード”をおぼえておるか?」
「このあいだ作ったリオ団長の絵のカード?」
「そうじゃ。あれを“こうかん”のときに使ってみてはどうじゃろう。」
どうぶつたちは耳をかたむけた。
「魚をもらったら、“ありがとう”としてカードを渡す。
そのカードを持っている者は、今度はだれかにお願いできる。
“ありがとう”が、村をまわるのじゃ。」
「カードで“ありがとう”をわたす……なんかおもしろい!」
リオ団長:「いいね。風がひとつになって、ぐるぐる回りそうだ!」
~風が動き出す~
夜明け色のインクが、また火の明かりに光った。
しゅぽっ、しゅぽっ。
カードの角に押されたひまわりの花。
長老は100枚のカードを作り、10枚ずつ配った。
ぴょん様は1枚のカードでお魚を、
みーちゃんは2枚のカードで荷車を運んでもらった。
“ありがとう”がカードとなり、カードが“お手伝い”をつなげていく。
金色のカードが朝日にきらめき、風がまた動き出した。
ふくろう長老:「見てみぬか。風が生まれたのう……“ありがとう”の風じゃ。」
リオ団長:「この風を絶やさないようにしよう。」
~ 小さな気づき~
こうして“サンキューカード”は、ひまわり村の中でくるくると回りはじめた。
誰かの“ありがとう”が、別の誰かの“力”になり、その“力”がまた“ありがとう”に変わる。
それは、「もの」と「こころ」をつなぐ最初の“信用”の物語だった。
“ありがとう”をカードで伝えることで、心のやりとりが目に見えるようになりました。
これは私たちの世界でも一緒。
人と人が信頼をつくる第一歩。
“交換”から“信頼”への進化が「お金を通して」始まったのです。
ゆん吉先生の解説ページはこちら!
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