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学校訪問

そろそろ100話が見えてきましたね。


「ふわぁー……」


 昨日のティアが頭から離れなくて眠れなかった…。おかげで寝不足だよ。ティアが可愛すぎるのが悪い。うん、そうに違いないな。


「えっと今日は学校に訪問するから……この服でいいかな」


 部屋のクローゼットから取り出したのはボクが戦闘の時に着ていたりする動きやすい服。まあこれでいつも大体過ごしているから1番オーソドックスな服ともいう。


「ティアは……もう起きてるのかな」


 1階に下がってはいないが部屋からガサゴソと聞こえるので多分起きてる。


「じゃあボクは先に朝ごはんを食べてますか」


 適当にご飯を作ってさっさと食事を済ませる。


「あ、ティア。おはよう」


「おはよう……」


 ボクが朝食を終えると同時にティアが降りてきた。どうやらティアもボクと同じ考えだったようであらかじめ着替えていた。着替えたものもいつもティアが着ている服。白と黒が基調となっている可愛らしい服だ。


「ティアの分の朝食も作ったから食べちゃって」


「分かった……」


 まだ眠そう。返事がたどたどしいもん。でもそういうところも可愛いよね。隙があるっていうかさ。


 ボクがティアを見て頭の中でそんなことを考えていたらティアも朝食を食べ終えていた。


「ミア今日早くない?いつも寝坊してるのに」


「だって今日は学校に行くんだよ?なんか生徒と同じルーティーンで過ごしてみたいじゃん」


「そういえばこのぐらいの時間から登校しているのを見かけるけどさ」


「でしょ?だから頑張って起きてみたんだ」


「頑張って起きるも何もミアに睡眠は必要なくない?」


「あはは。たしかにそうだけど睡眠がないと生きてるって感じがしない」


「それはわかるかも。一日24時間ずっと起きて活動してたら精神的に疲れちゃうし」


「だよねー。肉体はよくても精神が疲れちゃうとどうしよもないし」


 自分っていうのは肉体と精神、どちらも健康で初めて健康って言われるからね。


「うん。ところでさ、何か必要なものはある?私は別に本を持ってけばいいかなって思うんだけど」


「それでいいと思うけど、ボクもフロレントだけだし」


 ここでティアが言った本っていうのは死霊術の本ね。ティアにとっての魔法を発動するための媒体。


「分かった。私はもう出発できるけど行く?」


「行こっかな。早かったら早かったで学校の中を散策すればいいし」


「おっけー」


 そう言ってボクらは家を出て学校へと向かった。



※※※



「なんだかんだ言ってティアと2人でどっかに出かけるのって久しぶりじゃない?」


「そうかもね。ここ最近はお互いに別の戦場に行ってたわけだし」


「だよねー」


 まあ久しぶりなだけで別に何か変わったわけではない。ティア自身も、ボク自身も。強いて言うならボクはちょっと血生臭いのに慣れたぐらい?


 街の中ではおそらくは学校に向かうのであろう子たちが集団で登校していた。ボクらもいい感じに一体化している……と思う。別にメリットはないけど。この流れに沿っていけばすぐに到着するはず。


 そう思ってティアと歩いて行くとちょっとした小道に入った。あくまで大通りに比べてってだけだから路地裏ほど狭いわけではないけど。


「こんなところが通学路なんだね……」


「そうね。犯罪とか心配だけど今までそういう話は聞いたことないから流石に大丈夫なんだと思うわ」


 流れに沿って歩いて5分ぐらい、道がいきなり終わって目の前には大きな建物が見えてきた。


「これが学校かー!」


「そうね。思ったよりもしっかりとした建物だわ」


 色としては何色なんだろ。白…ではないような気がするし黒でもない。これは……エメラルドとかの方が近いのかなぁ。そんなに輝いてる感じではないけど色彩としてはその色かな。


 学校の前には校門があって生徒はその扉を通っていく。


 おはようございます!って元気に挨拶している子もいればおはようございますって硬い感じで挨拶している子もいる。前者は友達っていうか、本当に子供って感じ。あ、いい意味でね。後者の子は軍規定とか守ってそう。良くも悪くも軍に馴染めそうだね。子供にはもっと楽しんで欲しいんだけどな…。って、ボクが言うことじゃないか。この場で、この年齢層でボクが一番殺しという行為を行っているわけだし。


 ボクらもその校門を通って学校へ入って行く……と思いきや表玄関からは入らずぐるっと回って来賓用の入り口から校舎に入る。


「ふぅ……地味に人混みがあって疲れたよ」


「なんか子供特有の空気って長時間一緒にいると体力使うわよね…」


 もちろんその雰囲気がいいところなんだけどね?


「ラミア様とミーティア様で間違い無いでしょうか?」


「うん、そうだよ」


「安心しました。これでお声をかけ間違えたらと思うと……」


「そんな固くなる必要ないから、ね?ボクらも一応は年下なわけだし」


 声をかけてくれたのはおそらくはまだ教師という仕事を始めて数年ぐらいの新人。種族はエルフで髪は長く肩の方から垂らしているのが特徴的だ。


「いえ…けれどあなた方の方が階級は圧倒的に上なので」


「じゃあ上官からの命令ね。敬語は必要最低限。それでいいよ」


「し、しかし…いや。わかりました。上官からの命令には従うようにと生徒にも教えてますからね」


 おお、さすが軍が運営する学校。やっぱり軍規定とかについて教えてるんだ。


「でー、ボクらは今日何をしていいのかな?この学校を君が案内してくれるの?」


「はい、しかし私もクラスというものを持っているので途中からは離れ離れになりますけどね。学校のことを知りたいということだったので説明だけしたら校内を自由に回っていただいて結構です」


「へー。ティアはなんか聞いておきたいことはある?」


「うーん、魔法の授業とかに協力してもいい?」


「協力というのは……生徒に魔法を教えてくださるのですか⁈」


「は、はい。それが許されるのなら、ですけど」


「もちろんですとも!私もミーティア様の魔法を生で見たいですし!」


 うーん何この既視感のある雰囲気は。まるでサラさんみたいな厄介な人種じゃないのか?あれだよ、興味のあることになると他が目に入らないタイプ。


「ティアがやるならボクも生徒に体の使い方を教えてあげたいな」


「じゃあ決まりね。説明をしてもらったら生徒と交流がてら教えていきましょう」


「はーい」




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