おやすみ
短いですが
「……こうこうこういうことがあったんだけど、ティアは自分の隊に対してどう思ってる?」
「そうねぇー」
ミーナの家で話したことを赤裸々に話す。その上でティアに対して疑問をぶつけてみた。
「私は、隊に対して深い思い入れがあるわけではないけど……でも隊員同士の絆っていうのはいつ見ても心落ち着くよね」
「あれ、思い入れはないの?」
「うーん、誤解を生まないようにいうと別にみんなを無下にしているわけではないの。イメージ的には友達、みたいな。結構雰囲気もフレンドリーだと思うし。どっちかというとそういう感じ」
「なるほどね。ちょっとボクの認識は歪んでいたのか……」
「そういうミアはどう思ってたの?」
「基本はティアと同じ。職場って感じはしないよね。友達同士の交流の場みたいな感じだけど…もうちょっと家族みたいに進化した存在かも。で、ボクはそこに意味を見出しているんだよね。ボク自身が暴走いないための鍵を」
「イメージがついたわ……」
「でも実際、ボクは隊のみんなの他にもティアっていう心の拠り所があるけどね!」
「ちょ、抱きつかないでよ」
「でも今家だから何してもいいんでしょ?」
ティアの顔を下から覗き上げる。
「そんなこと言ったわね……」
「認めたなら今は甘えてもいいんだ!」
「けど加減をしてよ。私も体力が無尽蔵にあるわけじゃないから」
「はーい」
その後、ティアといろんなことをしたけど結構可愛い顔を見れたから満足。特に膝枕をした時の顔といえば………。可愛かったなぁ…!
「そろそろ寝るよ、私」
その一言でボクの妄想世界から一気に現実世界へ引き戻された。
「あ、ボクも寝るから1階の照明は消していいよ」
「了解」
ボッという音と共に1階が暗くなる。照明は火元素を使った魔法だからボッっていう音が鳴るんだよね。
「じゃあおやすみ」
バタンという音がしてティアの部屋のドアが閉まる。
「ボクも寝るか」
ごろんとベッドに横になり天井の方を向き、手を額に添える。
「それにしても、なんか物足りないんだよねー」
つい最近モンスーンを襲撃してきたからそんなに刺激がないっていうわけではない。でもなんかむずむずする。
「体は動かしているんだけどな」
なんでなんだろう。ティアと一緒に過ごす日々は充実しているからそこに不満はない。隊でもある程度充実している。軍…?いや、魔王様と仲もいいし幹部の方とも友好関係は良好。じゃあ何が足りないんだろう。お金かな?でも給料はたくさんあるか。まあ今は気にしなくてもいずれわかるでしょ。きっと。
「おやすみ……」
そう言って深い眠りについたのだった。