最後の街巡り
体調が優れず投稿遅れました…。本当に、スマホすら持つ握力がなくてどうしようもなかったです。更新を待っていた方、楽しみにしていた方、申し訳ありませんでした。今日からは通常通り投稿できると思います。
「いやー、美味しかったね」
「うん。イノシシ肉か……特注で取り寄せようかな……幹部権限で」
「ちょっと、ミアさん。私にもくださいよ⁈」
「それはどうかなー」
「ず、ずるい」
「大丈夫。ここにいないみんなも含めて焼肉パーティーかなんかをしたいからその時には食べれるよ」
「よ、よかった」
「2人ともなにしてんの。もう3時ぐらい。そろそろ気を引き締めておかないとね」
「わかったよ」
作戦決行まであと5時間ほど。それまでに準備しておかないとね。……まあ実際はやることがあるわけではないんだけど。
「あ、そうだ。街の中心にある大きな屋敷を見ておかない?多分あれがモンスーンの市庁舎でしょ?」
「そうね。あそこを最終的な破壊目標に設定するなら下見はしておかないとね」
モンスーンを上から見たとすると、この街の中心部には大きな屋敷がある。それが今から移動する市庁舎で、大きさでいうと魔王城より一回り小さいぐらい。かなーり大きい建物だよね。
そして、今居るレストラン街からは大体40分ぐらい移動にかかる。けどまあいいでしょう。だってあと5時間ぐらいは見て回る時間があるんだから。
※※※
「ここが市庁舎かな?」
1時間後。ボクらは目的地としていた大きな屋敷の前に立っていた。しかしながら、流石に市庁舎の前の前まで行けるわけではなく100メートルぐらい離れた門の前までだけどね。
「大きいね。やっぱりモンスーンって工業都市だから経済的にもかなり潤っているのかな。そうじゃなきゃあんなに綺麗な白色の屋敷を建てれないでしょ」
「実際モンスーンは経済の規模という面で見れば王都をも上回っているそうよ。王都は人口が多くても交易とかはあまり盛んな都市ではないから、交易を積極的に行っているモンスーンの方が有利なんだとか」
「へー。立派なもんだんね。その財力が魔王軍にも欲しい」
「そういうことはここでは言わないの」
「はーい」
市庁舎ねー。あんまり魔族領には無い概念だな。やっぱり魔族領って全部魔王様が管轄しているから、わざわざ行政区分を分けて一つ一つの街に建物を建てる必要性は薄いのかもね。
そんなことを考えている間に、リザは魔法を唱えて周りを観察していた。
「ここに来るまでの間にこの都市の地形はかなり把握することができました。おそらくモンスーンの中心部はもう完全にインプットされていますね」
「ほんと⁈」
「はい」
「ティアのとこには優秀な人がいていいなー。それに比べてうちは気概だけはある馬鹿が副官を務めてるし」
「ラミア様。ギルクのことを悪く言うのは可哀想ですよ」
「……はーい」
でもしょうがないじゃん。ギルクって本当に気概だけしかないんだから。別に弱いわけでは無いんだけどね?
「もう。ミアもそんな不満そうな顔をしないで。もう市庁舎の辺りの散策は十分でしょう。あとは楽しみながらこのモンスーン全体を歩くだけよ」
「うん。モンスーンは今のうちに堪能しておかないとね。…‥数時間後には灰塵に帰しているから」