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買い物

「ここが商店街かー!」


 目の前に立ち並ぶいくつもの店。どの店も一度は聞いたことがあるような有名ブランドの数々が1つの商店街にまとまっている。


「すごい活気だね」


 それぞれの店はどこも混んでいて、客引きも後を絶たない。活気、というかこれは熱気がこっちまで伝わってくる。


「で、ティアは何を買いたいの?ってティアは⁈」


 さっきまで横にいたはずのティアの影がいつのまにか消えていて慌てて周りを探す。すると、既にお店へ入っていくティアの姿があった。


「ちょ、ティア!」

 

 ボクも慌てて入店しティアを追いかける。


「ティア!」


「あ、ミア」


「なにその反応は⁉︎まるで興味ないものを見るような反応はさ!」


「ごめんごめん。ついかわいい洋服を見つけたからさ。……ほら、落ち込まないの」


「ぐすんっ。……で、ティアはなにを買いたいの?」


 その時、ボクの中で何かが吹っ切れたような気がした。


「私は……このピンク色のワンピースかな。このデザインがすごい私好みで」


 そう言って、ボクは数あるワンピースの中からピンク色のを引き抜いた。


「店員さーん!」


「はい、なんでしょうか?」


「このピンク色のワンピースを1着ください!」


「え、ちょっと。まだ試着してないんだけど?」


「いいのいいの。絶対似合うから。ボクが奢るしさ」


「ほんと?」


「本当本当。二言は禁物だよ」


「ふーん……じゃあこの水色のも買って?」


「いいけど……。す、すいません!この水色のワンピースも追加で!」


 再度店員さんを呼び、購入を済ませる。


「ここで買うのはこの2着だけでいい?」


「うん。いいよ。で、本当に奢ってくれるの?」


「もちろんだって。嘘はつかないよ」


「ありがとう!ミア!」


 ティアが飛んでボクの方に抱きついてきて、それをハグして支える形になる。


「ちょ、やめなよ。人前で恥ずかしいから……」


「あれぇ〜?前、ミアも同じようなことしてたよね?」


「それは……そうだけど」


「じゃあ、これは理不尽でもなんでもないね!これからはどんどん人前でも甘えていこう!」


 完全に言いくるめられた……。してやられたなぁ……。まあ奢りって言ってもティアとボクは2人で共有して財産を持っているから実質ティアのお金でもあるんだけどね。


 結局、最初のお店では先ほどのピンク色のワンピースと水色のワンピースの2着を買うにとどまった。しかしまた次のお店。


「ミア!このスカート買って!」


「今度はこの帽子も買って!」


「これも!あれも!こっちも!」


 結局、9店舗40着弱の商品を1日で買った。しかも恐ろしいのはこれはあくまで服だけ。ここにバッグなども加わり合計金貨10枚をゆうに超える値段の品物を買った。


「もう無理……。とうぶんお店には行かない」


「いやでも明日行くよ?幹部の皆さんとかにお土産買わないとだし」


「それはティア1人で行ってよ…」


「だーめ。私たち2人でいった旅行なのにお土産を1人が選ぶなんておかしいから、ね?」


「わかったよ……。でも今日は早く寝させて。眠くて眠くて仕方がないから」


「了解。早くホテルに戻っちゃおう」


「それはそうとなんでボクが買った商品を持っているんだ……」


 手にははち切れそうなほどの荷物があったが、その代わりに幸福感という最高の気持ちが届いていたのでまあよしとしよう。

 

 部屋に戻ってきて真っ先にベッドに倒れ込みすぐに寝てしまった。もちろん、その寝た後にお風呂入ったり夕飯を食べたりしたんだけどボクにはそんな記憶は残っていなかった。づがれたんだよー!!!


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