ペンタグラム2
投稿できなくてすみません。これからはペースが戻ると思います。
1回戦第1試合が始まり本格的に大会がスタートした。
けどボクは1回戦に出番はないので暇。なので1回戦が終わるまでの間、この大会のルールを説明しようと思う。
勝負は1on1、1対1のガチ勝負だ。勝敗の決め方はシンプルで出場者どちらかが戦闘不能、または降参したら勝負は終わる。制限時間は特になく、長期戦になった場合体力勝負になってくる。また、攻撃方法も制限はない。剣で攻撃しても魔法で攻撃しても体で攻撃してもいい。どんなに強い攻撃でもサラさんとティアのバリアで外部の被害は0にできるはずだ。
負けた人、敗者は戦闘不能になっている場合救急室に運ばれて治療を受けることができるし、勝者も試合を観戦することができる。なんだかんだスムーズに試合は進むだろう。特にこの一回戦は実力の差が激しい。魔王軍の精鋭とはいってもそれは名目上。実際には幹部に迫る実力を持つ人もいれば、一般兵より少し強い人、強くはないけど腕試しをしたい人などさまざまな出場者がいる。
案の定、1回戦はすぐに終わった。今は午後3時。これから第2回戦が行われる。ボクは2回戦の第8試合とかだからまだ時間はある。だけどだんだん暇になってきて集中力がなくなってきてしまう。試合を観るのめんどくさい。普段だったらティアと楽しくおしゃべりしてればいいけど今日はティアがいない、正確には結界張ってて話しかけれない。結果、ボクは暇を持て余していた。でも2回戦ということもあって見応えはあったからなんとか集中力を繋ぎ止めるのに成功していた。
ボクが出る前にはサルベージュさんが出ていて無事勝利していた。ボクが一番最初に対決する幹部の方は、このまま行くとサルベージュさんだ。寝るんじゃなくて戦いを見てればよかった……。
「ラミア様、そろそろお時間です」
大会を運営しているスタッフに呼ばれた。
「ん、おっけー。呼んでくれてありがとうね。じゃあ行ってくるので」
そう言って幹部の方にお辞儀をして去る。
「油断して負けんなよー!」
背中を向けたところでヒリアさんがからかうように言ってくる。
「負けませんって。流石に」
ボクは改めて背中を向けて歩き出す。グラウンドに入るには通路を抜ける必要があるため少し歩いて入場門で待たされる。入場門からは現在戦っている人たちが同じ高さで見えるため、先ほどいた観客席とはまた違った景色が見える。目の前で実際に砂煙が舞い、剣の音がする。上で見ている時とは随分感覚が変わるようだ。
第7試合、ボクの前の試合が終わり実況が口を開く。
「第7試合が終わり、ここで2人目の魔王軍幹部が姿を現す!その圧倒的な戦闘センスと剣術によりわずか3年で幹部まで上り詰めた天才。『真剣』ラミアの登場だー!」
「「「フォーーー!」」」
会場のボルテージが今日1番にまで上昇しボクを出迎えてくれる。ボクは手を振りながらグラウンドに出ていき開始位置に着く。
目の前にいる対戦相手はぼちぼち骨がありそうなやつだ。鍛えられた体が服の上からでもうかがえた。そしてその魔族特有のオーラ。悪魔族の方だ。手には鎌を持っており広範囲の斬撃を得意とするのだろう。立ち振る舞いや武器からどんな戦い方をし、どのぐらいの実力かは大体予想できる。
戦いが始まる前に愛剣のフロレントを鞘から抜き、構えを作る。それに合わせて相手も重心を低くし鎌を構える。
「2回戦第8試合、開始ッ!」
その合図とともに会場は一瞬の静寂に包まれた。出場者の片方が一瞬にして地面に叩きつけられ意識を失っており、何が起こったのか誰一人として理解できていなかったからだ。
ちなみに叩きつけられていたのはもちろん相手の方。ボクはスタートの合図とともに首を掴み地面に叩きつけたまでだ。
ボクがこのような即時行動に出たのは理由があって、その理由は悪魔族の根源は彼らが持っている核に由来することだ。彼らの体はその核を守るために作られたいわば仮初の体。。体は魔力で作られているため、簡単に形を変えることができる。サタンさんが擬態できるのはそう言う理由だ。で、彼らは基本その仮初の体の感覚をもとに動いている(実は脳がないのはここだけの秘密)。つまりは五感頼りなのだ。ならばボクは彼らが感知するよりも早く動けばいい。これは種族の特性を利用した戦法だ。少しズルいかもしれないがしょうがない。これは真剣勝負なのだ。そこに情けというものは存在しない。
「な、なんとこの勝負、一瞬で片がついた!ラミアによる神速といえる攻撃により相手がノックダウン!これが幹部の力だというのか⁈」
「あー終わった終わった。地面、割っちゃったから直しておいてね?よろしくー」
こうして、2回戦第8試合は一瞬で終わったのである。なお、これが今大会で最も短い試合となった。
ペンタグラムは大抵1つの話が短いかもしれません。




