表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/114

幹部会議

投稿遅れました……。

「ほら、急いでよ」


「ごめんごめん」


「もう会議始まっちゃうよ」


 急いで魔王城の門をくぐり、上へ上へと駆け上がる。


 こんなに急ぎながら魔王城に来ている理由は簡単。ボクが寝坊したからだ。あんなに寝坊しないって言ったのに……。


「こうなんで寝坊するかな!」


 ボクが寝坊したことによりティアも不機嫌だし。


「「遅れましたー!」」


「今日も遅刻したな問題児ども!で、今日はどっちが寝坊したんだ?」


「今日はミアが」「今日はボクが」


「今度はミアか。これから遅刻するなよ」


「「はーい」」


 はあ、なんとか許された……。


「これから幹部会議を始める!」


「「「はっ!」」」



※※※



 幹部会議の内容は主に3つ。



 一つは人類との戦況。現在は五分五分といった状況になっている。お互いに砦を取ったり、取られたり。しかしこちらは王国十二騎士を何人か倒しているが、人類はまだ魔王軍の幹部を討ち取っていない。つまり、ただ人間は数で押しているだけ、と言いたいが実際はそんなことはない。王国十二騎士の古株はかなり厄介でしっかりとした戦力でないと叩き落とすことは難しい相手が揃っている。そして最近は新たな十二騎士が現れてそいつがどうにも強いらしい。なんでも史上最年少の才能の塊なんだとか。だからボクらはそいつを殺すことをとりあえずの目標としている。



 二つ目はこの城下町のことと、魔王軍自体のこと。一見違う事柄のように見えるが、実際は密接に関わっている事柄だ。城下町が荒れたりすると魔王軍はある程度の人員を治安維持に割かなければならない。まあ、今まで荒れたと言っても近所の小競り合いぐらいしか起きてないけど。他にも、魔王軍の士気に関わる。この城下町は魔族に分類される全ての者が住んでいる場所。つまり兵士の家族もここに住んでいる。だから城下町はしっかり管理して安全に保つのがボクらの役目だ。この町が荒れたら一瞬で人類に蹂躙される。魔族と人類はそういう力関係なのだ。



 そして最後3つ目はこれらに当てはまらないもの、その他だ。例えば幹部の不満とかを直接共有することで改善を見込む、など。


 しかしこれは名目上で普段はただの愚痴をいうだけの時間と化している。


「先週部下に嫌われたー」、とか「最近彼女にフラれた」とか。こう見るとこの時間は要るのか不安になってくる。いや、でもたまに真面目なものがでて改善されたこともあったし必要かもしれない。


 それが「家が寒いから暖房が欲しい」というものだったけど。たしかに冬は寒いから欲しくなるんだけどさ、これを一軒一軒に暖房を設置していったらめちゃくちゃ時間かかったんだよね。魔王軍総出やって、その時は戦場にほとんど人がいなかったもん。もうやりたくない。




 今日もこれらの3つを話し合ったから終わり。いつも4時間とかあるから正直辛い。家に帰って寝る。


「お、今日は重大な議題が残っていたな」


 早く帰ろうとドアのほうに歩いて行くと、後ろから呼び止められるように声が飛んできた。


「そうですか。それではボクは眠いので帰ります」


「おい!なんだそのボクには関係ありませんみたいな目は!お前にめちゃくちゃ関係あるんだからな!」


「え、それってまさか……」


「ああ。ラミアとミーティア、2人の初陣が決まったぞ」


 一気に目が覚め、隣にいたティアと顔を見合わせる。


「「……やったーー!」」


「遂に、遂に人を殺せるんだね!」


「今からでも超たのしみ!」


「……お前ら、戦場は遊び場ではないんだぞ?」


「え、分かってますよ」


「でもボクらが死ぬわけないじゃないですか」


「そうやって豪語するのはやめとけ。たしかにお前らは強い。しかし人類にも強者がいる……」


「でも初陣ってことでそんな激戦地には送らないですよね?」


「いや、思いっきり激戦地に送るぞ?」


「「……え?」」


「なんだ?お前らなら激戦地なら人を多く殺せる、なんて想像すると思っていたんだが?」


 煽るような目つきでこちらを見てくる。くそ、さっき喜ぶんじゃなかった。一本取られた。


「まあ、そういうことだ。明日、ミアとティアは激戦地であるムーン砦に行ってそこを制圧してこい。大丈夫だ。十二騎士が1人居るぐらいの簡単なお仕事だ」


「「わかりました〜」」




※※※



「はあ、面倒なことになっちゃったね。まさか初陣が激戦地だなんて」


「でも2人で1セットみたいに立ち回ればそうそうやられることは無いと思うよ。魔法職の私と剣士職のミア。おまけにどちらも魔王軍幹部。普通に考えてこの布陣を抜くにはそれなりの戦力がいる」


「この3年間でボクらも強くなったからね」






名前 ラミア


職業 魔剣士


レベル 68


<物理攻撃力> 17860


<魔法攻撃力>14710


<速力> 20150


<魔力> 13000(15600)


<防御力> 16420



スキル 剣術レベル10(20) 水魔法レベル10 火魔法レベル7 ???レベル7



特性 職業『魔剣士』により<魔力>、剣術レベル上昇






名前 ミーティア


職業 死霊術師


レベル 74


<物理攻撃力> 9800


<魔法攻撃力> 18500


<速力> 14300


<魔力> 19000


<防御力> 16430



スキル 死霊術レベル10 格闘術レベル7



特性 職業『死霊術師』により『死霊術』の習得




 とまあ、今のボクらのステータスはこんな感じだ。ボクは全ステータス10000を軽く超えていて、ティアも魔法系は20000近くある。


 さらにボクの職業は魔剣士だから、魔力にバフがかかって15600となっている。あと、剣術レベルも上限が10から20に変更されて、無事20に到達している。いい忘れてたけどスキルレベルって、基本は上限が10になっている。だからこれ以上上げる場合にはスキルにあった職業を選ばなければならない。魔剣士はその点魔力と剣術2つにバフがかかるからいいよね。



 ここまでステータスの話をしてきたけど実際の戦闘はステータスが全てじゃない。それぞれの個人技術も加わっての戦闘だ。だからステータスの差は個人の技術で埋められる可能性がある。


 いくら力の乗ったパンチでも個人の技術によって躱されたらなんの意味もないただのパンチ。今までどのぐらい鍛錬してきたかが出る部分と言っても差し支えないだろう。


 そんなこんなで明日は初陣。どんな敵が来るか、楽しみだ。


 ボクとティアはどこか狂気を含めた顔で笑い、その悪い顔を見て笑い合ったのであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ