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ヒリア

 ティアと別れて訓練場へ。ヒリアさんという方はどこにいるんだろう。特徴とかないと探せないなぁ…。ん、でも待てよ。そういえば竜人族って角なかった?なら角のある人を探せばいいはず。


 周りを見渡すと、特徴に当てはまる人が1人いた。あの剣を持っているがたいの良い人かな。


「あのー、ヒリアさんで間違い無いですか?」


「ああ。そういうお前は新しく入ったていう元勇者で間違いないか?」


「はい。お世話になります、ラミアです」


「おうそうか。名前は知っているようだが改めてヒリアという。よろしくな」


 ヒリアさん。竜人族特有の角を持っていて、体は筋肉と鱗に覆われている。剣は普通よりも少し厚く、太い。この剣とこの筋力で斬られたら相当致命傷になるな。まあそれが武器なんだろうけど。


「まず最初はな、お前の力量試しだ。目の前にある藁人形を斬ってみろ」


 言われて前を見ると三体の藁人形があった。これを斬るぐらいなら無問題だ。


シュッ


 音を立てずに落ちていく3つの人形。どれも一閃の元に断ち切られており申し分ない技量だった。


「おおよくやるな。これなら俺の指導もいらないんじゃないか?」


 豪快に笑って見せるヒリアさん。


「ま、流石にそんなことはしないけどな。せっかくだ。俺と戦わないか?」


「まあいいですけど……」


 1時間後


「そこ!足元が甘い!」


「ひゃッ!」


 ヒリアさんに足元を掬われて無事敗北。


「まあそこそこ動けるって感じだな。しかし1時間か。結構持ったんじゃないか?少なくとも俺から見ればその年でそこまで強いなら将来はいい戦士になること間違い無いだろう」


「そうですか……」


「なんだ、浮かない顔だな。負けたのが悔しいのか?しかしそれは当然だ」


「…なんでですか?」


 不貞腐れているのは自分でもよくわかった。


「まず年齢、鍛錬をしてきた時間が違う。お前今何歳だ?」


「15歳です」


「だろ?俺は今60歳。バリバリ全盛期だ」


「そういえば竜人族ってどのぐらい生きるんですか?」


「そうだな、だいたい150前後じゃないか?いくら生きたやつでも200はいけないと思うぜ。そこから考えても60歳は全盛期に入ったぐらいってわかるだろ?種族的な差も強さに関係しているけどな」


「種族的な差ですか」


「ああ、お前を馬鹿にするつもりはないが人間は弱い。だからこそああやって群がっているんだけどな。しかしその多さから質のいいやつ、強者が生まれる。お前みたいな。それが王国十ニ騎士だ。おれらはその強者を狩るものだ」


「かっこいい…」


「そうだろ?お前も鍛錬に励み、努力をすればすぐに肩を並べられるさ。…話が逸れたな。まあ要するにまだまだ力量の差はあるがこれから成長の余地はあるってもんだ。お前の剣の師匠は俺だぞ?弱くなるわけがねえ」


 そう言ってにんまりと笑うヒリアさん。頼れる兄貴分ってかんじのいい人だ。


 だからこそ信頼され、短期間で准幹部トップになれたんだろうな。


「そうですね。ボクもヒリアさんのようないい師匠をもてて嬉しいです」


「いいこと言うじゃねえか。これからよろしくな」


 差し出される手。ゴツゴツしているけどそこから伝わる努力家のという面。


 本当に、良い先生をもったな。


「よろしくお願いします」


 ボクも笑顔でその手を握った。



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