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死霊術師

 夜は通り過ぎ去って朝。昨日と変わらずいい天気だ。


 こんな晴れてる日ならやっぱり特訓しかないだろ!ということで、訓練場に来ました。


 昨日と同じように愛剣?のフロレントを持って。

 訓練場の端の方に移動すると昨日もいた3人組の男の人たちがボクの方を見ているが今日は特に喋っているでもなかったので無視する。



 今日はとりあえず1時間弱ぐらい練習しようかな。たまたま日が昇る直前に起きれたんだし。


 ちなみに今日は午前中に魔法の練習が入っており、午後はヒリアさんと剣の訓練だ。だから割と忙しいけど、このぐらいハードじゃないと面白くないと思うのは普通のことだと思う。


 剣を抜いて構えを作り、実際に敵がいることを想定して剣を振るう。


 ボクは一人で練習をするのは嫌いではないけれど、たまに練習相手が欲しくなる時がある。例えばこの剣の動きでいいのか確認したい時とか、仮想敵では補えない経験とか。特に後者は個人的に需要が高くて、自分で敵を作りながら戦うと動きがワンパターンになってしまう。そりゃあ自分1人で作った敵なんだから動きにバリエーションがないのだけれど、自分の場合実践経験がなくて新たなパターンを作ることも困難なのだ。あとは単純に話し相手が欲しいこともある。


 でも一人で練習することは自分の世界に入れるということなので気に入っている。どっちもどっちだ。



 宣言通り1時間ほどで練習は終わり。ずっと虚空に剣を振るっているからちょっと弾みが欲しい。でも午後はヒリアさんに思いっきりぶつけられる……いや、逆にボコボコにされるかも。


 それは午後になってからのお楽しみだ。


 ここで家に帰ってもいいのだが、どうせならということで少し残って周りの人の動きを見てみてから帰ることにした。さっき言ったように仮想敵の動きに幅を作るための材料になるかもしれないからね。


 まずは……そうだな。さっきの3人組を見るか。


 一人はのっぽ、一人は少し太ってる、最後は見る限りなんの取り柄もなさそうな普通の人。


 その3人は見る限り全員剣を持っているからおそらく剣士だろう。


 今は……多対一の練習かな。のっぽをその他二人で囲み剣を交えている。


「ハアッ!」


 掛け声は聞こえて来る。掛け声だけは。


 ……しばらく見ていようと思ったけどなんか気概だけがいいのかもしれない。


 剣は大袈裟、攻めに集中しすぎていて防御がおろそか。これではちゃんと相手の動きを見ている敵には一瞬で敗北してしまう。


 もしかして実力不足を隠すために声を大きくしているのかな。そうだと信じたい。


 じゃなければ少し悲しい。だってこれから一緒に戦う人がこうも実力が足りていないと、これから多くの人を失ってしまう。せっかく出会って仲良くなってもすぐ失っては辛い。


 それはなんとかしたい。命は大切な物だからね。これから指導とかできるならぜひやりたいなー、と思いました。


 訓練場を後にして家へ帰る。

 

 えっと、これからご飯食べてもう一回訓練場に行って……ってあれ?時間なくね?観戦しすぎてしまった。


 家に入ると案の定朝ごはんが置かれていたのでかきこむ様に急いで食べる。


 そしたら剣を持って訓練場に戻る。(尚、この間5分)



 ティアはもう行っちゃったかな。ティアより後だとなんか嫌だ。人様より早く行きたいタイプなのだ。


 家を出てすぐ、見覚えのある後ろ姿が見られた。金色のサラサラな髪。


「おはよう。ティア」


「おー、ミアか。いきなり声をかけられたからびっくりしたよ」


「ごめんごめん。急いで向かってたら見つけたからさ」



 無事ティアと合流し、一緒に訓練場に入場する。人の量は早朝よりかは増えているが、それでもまだ日が昇って2時間とかだ。人でごったがえす感じではない。



「サラさん、おはようございます」


「おはようございます」


 サラさんに挨拶するボクとティア。


 サラさんはピンク色のおっとりとした髪なのでこの広い訓練場の中からでも見つけやすい。


「おはよう。今日は二人揃ってなのですね。仲が深まった様でなによりです」


 まあこれから先ずっと過ごしていく仲間だから。仲良くなって損はない。



「昨日は魔力を扱う、魔力を感じるだけでしたが今日からはその魔力を使って魔法を発動させてみましょう。…と言っても今日はラミアは初めてですからね。簡単な魔法だけなので大丈夫ですよ」


「え、ティアは魔法を使ったことあるの?」


「だから言ったじゃない。私は魔法職だって」


「それは……そうなのか」


「そうね。普通はステータスが授けられた時に職業も決めて、そこから鍛練していく感じですからね。ミーティアは魔法を使ったことは何回もあると思います」


「ということで早速魔法を使っていきましょう。今回は……水魔法にしましょうか。比較的簡単な魔法です。それではまず魔力を手に集めることから始めましょう。2人ともこれはできると思います」


 流石にね。何回目かはわからないけど、もう手慣れたぐらいだ。


 ふと横を見るとティアと目が合って少し笑ってしまった。ティアも魔力を集められたみたいだ。


「次に、魔力を具現化……体の外に出してみてください」


 えっと、こうだっけ。


ブワッ


 おう。手のひらに20センチほどの青い炎が出現する。


「そうです。上手ですね。やはりラミアさんには才能が……。魔法界に欲しい、欲しすぎる逸材…」


 サラさんがすごい目をキラキラさせてでこちらを見てくる。何かをねだる子供みたいに。


「キャラ軽く崩壊してます」


「んんッ!そうですね。次、最後の手順にいきましょうか。最後はその炎に自分の持っている水元素を流し込むだけ。と言ってもこれは難しいことです。これをできる様になるにはあなた方の魔力を元素ごとに分けなければいけません。言ってしまえば今の魔力はさまざまな元素が混ざり合っている状態。その元素を整理しましょう」



 難しいな。けど魔力が何かごちゃまぜになっているような感覚はあった。一つの物質として存在しているんじゃなくて、複数の物質がまとまっているような。だからそれを分けたい。でもどうすればいいんだろう。


「ちなみに元素はそれぞれ重さがわずかに違います。参考程度に」


 ?重さが違う?なら魔力の塊のうち下の方はと上の方では元素が違うのか。


 ということで下の方の元素に目を向けてみる。これは……青色?つまり水元素ってことじゃない?ならこれをうまく手のひらに流せば…!


「ポトン」


「水が……、出てきた」


「そうです!元素の重みを理解できたようですね。これができるならあとはこれの繰り返しです。魔力を集める、具現化する、元素を流す。こうして魔法は発動されるのです。コツを掴んだようなので次に行っちゃいましょうか」


 その後、水元素の量を多くしたり、火元素を扱ったりといろんなことをした。


 その間、ティアも一緒にやってくれてなんだか楽しそうだった。

 

 こういうの見てると微笑ましくなるなぁー。でもここで疑問が生まれた。


「それではお昼になりましたので今日はこれで」


「「ありがとうございました」」




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