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家にて

 ティアと別れて家の鍵をポケットから取り出す。そして鍵を開けて家の中に入った。もう日が暮れ始めていて空がオレンジ色に近かった。


 とりあえず夜ご飯が来る(?)まではすることはないからお風呂に入っちゃおうかな。


 と言うことで剣を机の上に置いて浴室へ行ってお風呂を沸かす。


 実はお風呂はボクがこの家に来た時に知っていた数少ない物の一つなんだよね。かろうじて水に入って体を綺麗にすると言うことは昔していたためその系列で知っていた。


 10分後には浴槽がお湯でいっぱいになったので、服を脱いで入る。



「あー気持ちいー」


 水にしか浸かってこなかったけど温かいお湯に浸かるのもいいね。癒される。


 というかこれらの水ってどこから供給されてるんだろう。何気なく水を出したけど、どこから出した?ヤバい、全然覚えてない。いつまで経っても思い出せず謎は深まるばかりだったが、流石に諦めて体を洗うことにした。



 それにしても昼間みたあのティアの胸。本当に大きかった。未だに同年代か疑ってるよ。そこでふと真下を向く。


「小さいかな」


 ボクは今までそこまで小さくはないと思って気にしていなかったがここにきて不安になってきた。ティアのものより二回りぐらい小さい。



 ヴェラさんとサラさんってどのぐらいなんだっけ。


 確かヴェラさんもサラさんもボクと同じぐらいか少し小さかった気がするけどなあ。


 そこでふと、魔王様を思い出した。思い返すと魔王様は膨らんでない、断崖絶壁だった。あれ?膨らんでたっけ。あの人女だよね?


 いや、まあまだ幼いんだ。ボクと同い年ぐらい……。10代中盤からでも大きくなるのか?人間と魔族の成長スピードに差があるのかわからないから不明だけど。人間だったら厳しいかもしれない。


 そんなことを思いながら体を洗い終わりお風呂を出る。


 着替えは……あるね。クローゼットの中にある備え付けの物があるからそれを着る。


 着替え終わりリビングに行くと、案の定というか夕飯が置いてあった。


 いつ置かれた?……でももう気にしたら負けな気がする。


 椅子に座り夕飯と向き合う。夕飯はこれまた豪華でスープと牛肉。驚きなのがこれで下級兵士の食事ってことだ。


 この魔王軍には位があり、一番下が下級、次が中級、その次が上級だ。さらにその上は准幹部、幹部とありまだそれぞれ細かいものもあるのだが大雑把にはこんな感じになっている。さっきも言ったようにボクは下級、すなわち一番下だから待遇はあまり良くないはずなのだけれど、それでもこの夕飯。


 基本軍は多くの兵士をまかなうために必要な食料の数が段違いで、言ってしまえば大食らいだ。つまり基本は不足してる。でもこのような料理が出るということは家畜などは不足してないということなのかな。魔族ってすごい。


 ボクがいた村は常に家畜が不足していたかな。でも…いいや。あの村のことはあまり考えたくはない。


「ごちそうさま」


 気づくと夕飯は食べ終わっておりもうあとは寝るだけ、なんだけどその前に魔力の訓練をしたい。



今日サラさんが


「魔力をうまく扱えるようになりたいなら、多くの時間を魔力と過ごすことです」


って言っていたから、そうしようと思う。


 とりあえず床に座り意識を体の内側に向ける。すると10秒ほどで魔力の流れを観測できるようになった。昨日は感じるのにかなりの時間がかかっていたためこれは成長していると言えるだろう。


 次に魔力を自分の持っていきたい場所に集中させる。


 サラさんがいうには魔力は魔法を発動するエネルギーなだけではなく、体の働きを良くする効果もあるらしい。


 何を言いたいのかというと、魔力を腕とか足とかに巡らせるとその部位は活動が活発になるのだとか。だから腕に魔力を回すと腕力が、足に巡らせると脚力があがる。バフのようなものだよね。


 なので魔力は手の平のみに集中させるのではなく、足や腕、全身に巡らせる練習もした方がいいということ。


 でも今はなかなか難しくて、魔力を回せるのは一つの部位だけだ。そのほかの場所に回そうとすると今巡らせていた場所から魔力が消え失せちゃう。


 魔力制御をマスターするにはまだまだ時間が必要そうだった。



 かれこれ2時間ほど魔力を扱い、限界が来たため寝ることにした。

 


□■□■□■□■□■□■□



この日の昼


「ここに、新たな王国十二騎士の誕生を宣言する!」


 メシア王国王都。全国民の前でそう宣言された。この宣言に王国民は歓喜し、涙を流す。王国十二騎士はメシアの鏡、理想だ。そこに新たなメンバーが加わることは大変喜ばしいことだとされている。



 そして、紹介されたのは年端もいかない可愛らしい銀髪の少女だった。



「これからこのメシア王国に、全身全霊をかけて仕えてまいります」


 そう少女は宣言したのだった。これから起こる、人間と魔族の全面戦争へ向けて。





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