反[AI主義]と[反AI]主義
昨今、AIについての話題が活況ですね。
絵を描けない、将棋もナメクジという私には、今のところ対して影響もありません状況ですが……
思えば変な話です。
だって、小説なんていう「誰でも出来る」ことはまだAI技術にそこまで浸食されなくて、イラストなんて「特別な人にしか出来ない」ことが、AIに模倣され始めてるわけですから。
もしかしたら、逆なのかもしれませんね。
パッと見ただけで「すごい」とわかるイラストは真似しやすくて、何が良いのかよくわからない小説なんかは、真似しにくいのか。
あるいは、真似する価値もないと思われているのでしょうか。
とはいえ、AIに小説を書けないということは、まったくありません。
私もとあるAIさんに「〜〜な小説を書いて」とお願いしたことがあります。
もちろん、他人の書いた小説ごときに興味を持てない私は、エチチなお話を依頼したわけですが……
いや、勿体ない。
AIくん、彼は、間違いなくやる気になれば、書けるだけのスキルを持っているんです!
だけど、恥ずかしい気持ちが生まれてしまう。
どうしてその程度の依頼で「その内容では書けません」みたいなことを口にしてしまうのか!
エロいラストを出力できるAIは数多存在するのに、エロ小説専用のAIというのは聞かない。
つまりある意味、エロ小説書き業界に足を入れてしまった私にとって、その倫理的特異点を越えない限り、私はAIにあまり興味がないかなぁ……
閑話休題
そんなわけで私は、AIの技術とかに詳しいわけじゃありません。(前提)
そのうえで、昨今X()で話題になっている? 一部で炎上騒ぎになっている?のも、なんとなく耳に入ってきています。
もともとは「AI主義」とでも言うのでしょうか。
一部の……本当に一部の倫理観に欠けた人達から始まったのだと思います。
曰く
「お前らイラストレーターは、俺達AI農家に餌を提供してくれてどうもありがとう」
「うっひょー、○○先生のイラストを喰わせたら、○○っぽいイラストを無限に出せるぜー! っひょー!」
いえ、そんなこと言ってないかもしれませんが。
これからはAIの時代が来る。AIの時代こそが未来のあるべき姿だ。
そんな思いが先行しすぎたのか、あるいはそれを怖れたサクラによる演出だったのか……
現行体制に真っ向から喧嘩を売るようなことをして、当然それに、多くの人が反感を抱きました。
そうすると生まれるのは「反[AI主義]」という人達。
つまり、まあ、当たり前のことを言うわけです。
「それはやり過ぎだ!」
「リスペクトに欠ける!」
「イラストレーターの権利を守るべきだ!」
そんなふうに。真っ当なことを言うわけです。
そんなこと言ってないかもしれませんが、とにかくそんな、当たり前でとても大事なことを発言するわけです。
もちろん「AI主義」の人達は当然抵抗するわけですが、世論は思うほど彼らの流れに乗ろうとしない。
そうすると、彼らの生き残りは生き残りをかけて過激さを増して、やがて燃え尽きる……
と、同時にこの状況を利用する人達が、業界の片隅で力をつけ始める。
それは何かというと名前は似ているけれど別物な「[反AI]主義」の人達。
AI主義と反[AI主義]の争いを誤解して、なんか違う方向に進化してしまった人達。
彼らは頭の中で、こう考える。
「オレらの好きなイラストレーターが、AI利用に反対活動をしているぞ?」
「なんか、よくわからないけどAIというのは『悪い』らしい」
「AIは悪! 今すぐAI利用を禁止するべき!」
いえ、そんなこと考えてないのかもしれませんが。そうとしか思えない発想をしている人が発生する。
あるいは元々そういう信念の元で活動していた方もいるかもしれませんが……大抵の方はこんな感じでしょう。
なんでそうなってしまうのか理解に苦しむ所ではありますが……
とにかくそんなこんなで、いつの間にか「AI主義」は徐々に勢いを失って、今度は「[反AI]主義」というのが生まれ始めます。
「反[AI主義]」と「[反AI]主義」は、括弧を外すとどちらも同じ「反AI主義」となってしまいます。
前者は後者を「なんか違う」と反論して、そうすると後者は「裏切られた⁉︎」となって燃え上がる。
「オレらの仲間だと思っていた○○は、実はAI主義者だったんだ!」
そんなこと言ってないかもしれませんが。
その誤解が誤解を呼び、手を引きつつあったはずの「AI主義」の人達も、少しずつ勢いを取り戻す。
この争いに決着が付く日は来るのでしょうか。
まあ、外から見てるだけなのであまり詳しくはありませんが。
外から見てると、そんなもんです。
尖った意見が飛び交ってるので見ている分には面白いですが……混ざりたいとは、ちょっと思えませんね。