表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ステラおばさんじゃねーよっ‼️  作者: 超・救急車
1/1

ファミリー・ミステリー

超・救急車


ぷろろ〜ぐ



春のウララに浮き足立ち・朝勃ち…。


初出社の朝は、眠い。


全く開かない目をゴシゴシと擦りながら、ベッドから渋々這い出る。


作業机に無造作に置かれたノートパソコンの電源を入れると、今にも珈琲の香りが漂って来そうなCMが画面いっぱいに映し出される。


胸元がクッキリと強調された衣装を着た若手女優の顔のドアップが、珈琲碗コーヒーカップを片手に、


【おはよ♡】


って、僕に囁きかけてきた。


「おはよ」


って、独り言を液晶パネルに呟いてみたが、その言葉は空に舞い、小さな呼気の粒子となり、跡形もなく消えていった。


ウカウカしていられない、初出社の朝だ。


電車の時間や下車駅からの景色、そして道程は、おおむね頭に入っている。


ネクタイを締めて、新調したピカピカの靴を履き、そろそろ家を出る時間だ。


最寄駅まではいくつかの児童公園を横目に過ぎるけれど、こんな早朝の時間には人影すら無い。


横目に映るのは、蕾を付け始めた満開を待つ桜の大樹。


あと数日で開花しそうだな。


そしたらここで花見しながら、あのコと美味しい酒を酌み交わし、それから…。


桜の横でスケベな想像をしながら、通り過ぎた。


新しい職場は、どんな所なのだろう。


妄想先行型の僕は、真っ先に思い浮かべる。


僕好みのコは、その職場に居るのだろうか。


速る鼓動がトクトクと音を立て、身体を前へ前へと突き動かす。


さあ、新しい朝だ。


新しい僕の、始まりだ!


春風は優しく僕を包んだまま、身体をフワリと、浮かせてくれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ