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異世界カレー列伝~カレーを持って異世界転移~  作者: 前歯隼三
サカナールのカレー屋編
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サカナールのカレー店

ついに新章がはじまりました!なんというスピード感!

「店長!…港に怪物が出たらしくて、救援要請が来てますわ」

「うちカレー屋なのに!?」


 カレーなる冒険団、最後の戦いから一年…俺達は遂に念願の目的地、港街サカナールへとたどり着いた!

 港町ならば世界中の香辛料が集まっているだろうという、その予想は正しく…カレー…的な物がいちおう完成したというわけだ!うん…猫子ちゃんは全然なっとくしてないようすだけど。

 辛いシチューだな…うん、美味しいから良いじゃん。


 コホン…

 紆余曲折あって、街の商人ギルドにも登録し…こうやって店を、うん…町の郊外、海辺にテントを張った…期間限定海の店みたいな仕様だが、作る事に成功した。


「だって皆さん、カレーと言ったら食べ物じゃなくて毒ってイメージ付いちゃってますし…カレーなる冒険団の名前の方が有名ですし…仕方ないですわよ。」


 ちなみに、今話してるのはこの店で雇ったアルバイト。

 見目麗しい人魚のルウちゃんだ、サカナールにくる途中で仲間に加わった彼女は…カレーなる冒険団のファンである。


「そ…それに、猫男さんならワンパンできっと終わりますわ、ウフフ…猫男さんどうです?行きませんか?ハァハァ」


 嘘です、彼女は猫男のファンなのです。

 …道中、猫子の爪も効かないような…甲殻類系モンスターに襲われていたところを、常日頃の超重量巨大盾の上げ下ろしで鍛えに鍛えた猫男の必殺<スキル=覚醒猫ぱんち>で救われて…彼女はパーティーに加わった。

 我らのカレーに至る長い道にも、猫男の人生の長い道にも…齧りついてもついてくると、彼女はハートマークの目で語った。



「そんな事言ってもなぁ…怪物と戦うって怖いんだよ?痛いんだよ?うぅ…ねぇ、猫男もいやでしょ?」

「いやー!いやー!」

 1年の間に、猫男も単語なら話せる程度に回復していた。

 …が、そもそもの性格は変わらない、ルウちゃんを助けた時も…魔獣ウシカエルの時と同じく、妹の猫子を助ける為だ。まぁあの時と違うのは、猫男の腕が丸太の様に太くなっていて…本当に助けてしまえた事だが。


「まぁ~、嫌がる猫男さんも可愛らしいですわ!」

 ルウは怯える猫男を見ても幻滅しない、むしろそんな臆病な彼がモンスターから自分を救ってくれた事に萌えるらしい。


「じゃぁ…港の皆さんには悪いけれど、今回の応援は無しという事で…外の依頼主さんに伝えてきて。」


「ちょっとまったぁあああああああああああああああああ!」


 店の裏から猫子ちゃんが飛び込んできた、冒険者スタイルの格好はやめ…今はエプロンとコック帽、長い癖のある金髪を後ろに束ねた猫耳娘…あぁん、素敵!きゃわわ!


「正男さん何断ってるんですか!?行きましょうよそれ…ルウちゃん、それ報酬は出るのよね?」


「はい義姉さん!冒険者ギルドを通さないで…漁協ギルドからの直依頼らしいですわ。」


「よし!二人ともそっこう準備しなさい!カレーなる冒険団、華麗に復活よ!」


「「えええええええええええ!?」」


 悲痛な叫びを上げる俺と猫男、目を輝かせる新メンバーのルウちゃん…そして金欲に目がぎらつく、アマゾネス猫子


「だってカレー売れないじゃない!今月の家賃どーすんの!!」


 カレーはなかなか売れなかった。

 何故ならカレーとは…魔獣ウシガエルを殺した伝説の毒物として有名になってしまったからだ。


 「行くわよ皆!魔物は金袋だと思って皆殺しよ!」


 …人生って上手く行かない物だ、俺達の痛みと涙の物語は…まだまだ終わりが見えないらしい。

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