第7話 烏合の衆
その後、千年は部屋着に着替え、巫女装束を畳みながらゆっくり口を開いた。
「昨夜のさ、アレ…何だったんだろうね…」
俺は黙ったまま、よっこらせっと床に胡坐をかくとぼんやりしながら千年をはたいたメガホンを持ったままポンポン手ではじいていた
「ま、俺はお前が見た通りバカデカ猪に襲われていたわけよ」
「で…お前はなんであの場に現れたんだ?」
千年は手を止めて横を向いたまま真剣な表情をした、昨夜の横顔だ。
「光が、見えたんだ・・・」
「私、あの日ベランダから星見てて…そしたら目の前に光の玉が現れて、まるでその光に吸い込まれるように…で、気づいたらあの恰好で尊の上に・・・」
「あれってコスプレ?」
すると千年は真っ赤な顔をして俺が持ってたメガホンを奪い取り、素早い速さで俺の横面をはたいた。
「そんな訳ないだろ!」
「や、ごめんごめん何気に似合ってたし!」って俺何言ってんだ?
「‥‥」千年は膝に手を置いたまま横を向いているが耳が赤い。
こいつ気にいったなあの恰好。
「ま、気づいたらあの恰好だった。でも尊もたいがいじゃない?全身黒づくめで遅れてきた中二病ですか?」と千年はププププと笑いながら俺を横目でちらりと見た。
「うっ!」
あれ?もしかして俺の恰好痛かった?結構自分じゃカッコイイと思ってたんですけど、俺も昨日の全身黒づくめで、皮と鋲で装飾がしてあるの恰好を思い出して、ちょっと二の句が継げない。