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第55話 宴の時に


俺たちはあれだけの戦いをしたのにも関わらず、心地よい程度の疲れしか残っていなかった。

いやー便利だわーこの世界。


となると・・・


「宴やね」


千年が報奨金を掲げ、にやりと笑った。


・・・異論はない!


今回もメニュー選びは千年だが、ニコルちゃんも興味深々でメニューに食いついている。女子組はこういうの好きだな~。あ、千年は男だった。


「どうする?どうする?双子の太陽の卵でしょ~、仲良しアイランドミートプレート、コロコロサラダに~」


「千年さん、この苺姫の雪山パンケーキもどうですかっ」


千年とニコルちゃんは、もうキャッキャウフフと大喜びである。


なんでもどうぞどうぞ~、俺もこのこっぱずかしいメニューに大分慣れてきたぞ・・・たぶん!。


「「すみませーーーん」」


二人仲良くご注文である。いや楽しそうでなにより。横の要は相変わらず固まっているが・・・


さてさて、今回の成功を祝ってまずは乾杯だ!

すると・・・


「ニコルさんですね」と、いかにも中世の執事といった服装で片眼鏡の若い男が話しかけてきた。


なんじゃい?引き抜きならお断りだぜ!


「私、こういう者でございます」


と、スッと名刺を差し出した。中身は一番年長者である要が名刺を横からスッと奪い取ると、眉間に皺をよせ


「・・・ギルドの議会の議長の秘書が何の用・・・ですか?」と最後の語尾を無理やり女性口調に変えて執事風の男に聞いた。


どうやらその男は、リアルではこの村の議員で且つ議会の議長を務めるいわゆる有力者の秘書らしい。


男はいかにも愛想笑いといった笑顔で

「いやぁ、まずは今回のダンジョンでのご活躍を、お祝いしたいと思いまして、はせ参じた次第でございます。」とニコルちゃんに握手をしようとしてきた。


困惑するニコルちゃんを要は自分の後ろに隠すと


「そりゃどうも」と代わりに握手をした。



「それでご用件ってなんですか?」


俺は名刺を両手で持って、相手の顔と名刺と交互に見ながら聞いてみた

「いや、実は以前からニコルさんの事は伺っておりまして。なんでも彗星のように現れて、素晴らしい特殊な能力をお持ちの方と伺っております」


以前て・・・それは今朝のことだろ?・・・さすが田舎の議員、情報の速さは光回線の速さ並みだなオイ


「で、ご用件ってやつなんですけど」

「はい、実は私の主が、是非にニコルさんとお会いしたいと申しておりまして、ご都合さえ良ければお父様とご一緒に屋敷にきて頂けないかと」


秘書の男は愛想笑いを更に増して、ニコルちゃんに近づいてくる。


何かいけすかねえなぁ~


でも、これはニコルちゃんの話だから俺達ではどうしようもない。

ニコルちゃんは要の後ろから小さな声で

「お父さんに聞いてみます」とけなげに答えていた。


そういえば、ニコルちゃんのお父さんて俺たちもまだこっちの世界では会ってないな。

元々自由人ではあったけど・・・って言うか親父さんにニコルちゃんをパーティーに入れること了承得てないということを今思い出した。



それにしても、親父さんどこ行ったんだろ?




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