第47話 回復薬のお値段は
ケンさんはニッと笑うと
次の瞬間・・・
「うおぉ~!痛~い!痛いよぉ~!」と号泣しながら床をゴロゴロのたうち回っていた・・・!
あら!?思ってたんと違う!
「ちょ!ケンさん回復薬ってどうすりゃいいんですか!?」
「かかかか、かけてかけてバーッてかけてよぉ~~~~」
「こうっすかーーーーーーーーーーー!」
俺は適当にケンさんに携行型回復薬をブッかけた!
まるでドライアイスのような煙とともに、みるみるケンさんの傷はふさがっていくではないか!すごいこれは本物だ!!しかしなかなかにグロい光景だったぞ!
って、ニコルちゃんの事を思い出して振り向くと、ニコルちゃんを千年が目隠しし、千年は要に目隠しされていた・・・ま、見なくて正解だわな。
「ど、どうよ~・・・性能は一級品でしょ~・・・!」
「自分でやっといて、びびってるってのはどうなんすか?」
「でも、確かに物はいいようだな」
要がポーションを手のひらでコロコロ転がしている。
「で、買うの?買わないの?」
はい、来ましたよ~
「おいくらなんですか?」と千年がおずおずと尋ねた。
「一本につき、銀貨1枚!」
は?
バカじゃねーの!高すぎだろ!!
「こっちのポーションは幾らなんだ」
要が色とりどりのポーションを指さす。
「そっちなら100個で銀貨1枚」
おいおい・・・もしかして調子に乗って作って在庫多可かぁ~?
「すんません、他あたりますわ」
俺は、あきれた風をよそおって四人でゾロゾロと出口へと向かった。
「ちょっと待ってちょっと待って!」
ケンさんは慌てて俺の前に飛び出て、出口をふさいだ
「正直、困ってるんよぉ~。この在庫~」
「ね、買ってて!」
よっしゃ!来たぞ!
「いや、無理です。」
押し問答は10分ほど続いた。
そのときニコルちゃんが、綺麗なポーションをうっとり眺めつつ
「これ、お外で見たらお日様キラキラしてもっと綺麗だろうな~」とつぶやいた。
それだ!
「ケンさん、そんなに在庫で困っているのなら、いっそこのカラフルポーション屋台で売ってみてはいかがですか?」
「へ~?」
「滋養強壮ドリンクっていうか・・・健康飲料っていうか・・・」
「ん~、いまいち分からないけどさぁ~・・・たしかに外で売ったら綺麗かも~」
「そうですよ!」
「きみ~なかなか商売気あるじゃないのぉ~、気に言ったよぉ~」
商談成立である。
キラキラポーションは屋台でさばくというアイデアと引き換えに、小型ポーションを銀貨1枚で50本買う事が出来た!
いいね~!
さて、俺達は装備もそろえていざ南のトンネル、もといダンジョンへと向かっていったのである。