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第16話 選択肢が無い?


それまで呆けていた千年がその一言で俺をドーンと押しのけて割って入って来た


「それはちょっと違うっていうか、その最終的には私がトドメを刺した訳で・・・」


「まぁ、見て見ましょう」


大塚さんはそう言うとまるでパソコンでも出すかのように大きめな水晶の結晶を俺たちの前にゴトリと置いた。


その水晶を沢山はめている指輪の一つを器用にあて「キィィン」と透明な音を響かせ、水晶の塊をはじいた。


すると水晶に俺が走っている姿が映っているではないか、もちろんこの間の超デカ猪に追われている姿である。


そして場面は変わって千年登場!そして無事猪退治終了!えー俺なんか改めて見ると無様じゃね?つか千年?おまえなんで顔真っ赤なん。


「こちらでお間違え無かったでしょうか?」


「はっ、はい!お間違えございません!でもあれは正当防衛っつか!ああでもしないと俺ら死んでますからね!」


カウンターに乗り出して二人とも必死に大塚さんに訴えた。


あれ?千年、今度は真っ赤かつ涙目になってやがる、忙しいやつだ。


「いえいえ、お二人は何か誤解をしてらっしゃるようで…」


大塚さんはそう言うと 皮の袋 をカウンターの上にドサリと置いた。


「?」


「実はあの猪には手を焼いていたのですよ、かくゆう私もお恥ずかしい話、奴にはやられましてねえ」


 (うん知ってる、原チャリごと吹っ飛ばされたんですよね、リアル世界では)


「奴の討伐はギルドが依頼を出していまして、そして今回は それ をあなた方が達成されたと。そしてこれはその報奨金です。」


そう言うと大塚さんはザラッと革袋から銀貨らしきものを出した。


「そして、ギルドに登録すると言うことは、我々では対処致しかねる現象についてお手伝いを頂くということになります。」


さらに大塚さんは小声で


「中には危険な依頼もございますので、特別な能力をお持ちの方のみこちらのお部屋をご利用頂いております。」とくすぐるように言った。


ヤバイっ!こういうものにめっぽう弱い奴が俺の横にいる。


おい千年!

あー遅かった千年の目がハートになっている、おい千年しっかりしろー!選ばれし勇者様的なやつって、だいたいロクな目に合わないってのが相場だろうがああああああ!


「ですが・・・ギルド・・・に登録なさっていない限り、残念ながらこの報奨金はお渡し出来ませんでねぇ」


そう言いながら大塚さんは、自分の方へとスッと銀貨の入った革袋を引き寄せた。


(くっそーお役所仕事めー!こっちは死ぬ目に合ってるんだぞ)


「じゃ、登録したらもらえるの?登録するする!!」あぁ・・・千年は話が早いなぁ~


大塚さんはニヤリと笑うと「もちろんです」と、いつもの優しい笑顔に戻った。


あ、なんか俺、今ゾクッとしたわ。怖えよこの人。


「登録します…」俺もついに ギルド とやらに登録申請をした。



それから先は驚くほどサクサクと手続きが進んだ。


先ずは、千年から登録をしたのだが、大塚さんは今度は古めかしいタイプライターをカウンターに出し、先ほどとは違った指輪でコンとタイプライターらしきものを軽く叩いた。


するとタイプライターはひとりでに動き出し何かしらのグラフと文章を打ち上げた。


それを大塚さんは興味深そうに眺めると、千年に向かって千年の 性能 を説明しだした。千年はどうやら STR INT DEX 要するに体力と知力、器用さに優れているが AGI 俊敏さには欠けるらしい。ほーん。


確かに千年は筋肉をこよなく愛するマッスルマンの為、体力はある。


それにこいつは腹の立つことに勉強せずとも頭がいい、というかテストにめっぽう強い。


なぜそんなにテストに強いのか聞いてみたらこれまた腹立つことに


「そんなの先生の授業聞いてたら、先生の仕草や表情で分かるじゃん」だと!お前はどこぞの軍師か!



「なかなかの高さですねーとくに STR と DEX の高さは素晴らしいですよ!いやあすごい!」と大塚さんもベタ褒めである。


へぇーなんんかすげーじゃん。よく出来てるよこれ。



次は俺である。


やードッキドキですな!




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