異質な教室、異質な生徒 【前編】
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天空兄弟と別れ、時刻は8時を回った。
7時30分から入門可能、8時20分までに新入生は入れば良い、ということなので時間的には丁度いい感じだろう。
建物は全部で12個、それぞれに建物には3号館、8号館といったような名前が付けられている。
そして、俺が目指すのは本校舎と言われる『1号館』だ。そこには一年生から三年生までの教室、食堂や図書室がある。七階建てで、施設の中では一番背が高いものだ。いわばメイン校舎。
『新一年生は2階、R組は201教室、H組は202教室、S組は209教室です。』という文が書いた紙と地図が入り口の玄関扉に貼ってあった。
文面だけでも分かるが、R組とH組は隣でS組は他のクラスと離されている。
地図を見て分かったことだが、203教室は職員室。204教室は指導室。205教室から207教室は空き部屋で208教室は補習室だそうだ。
レンガで鮮やかに造られた一号館の玄関を通り、B階段と言われる玄関に近い大きな階段を登る。
『2階
⇦203〜209 201.202⇨』
R組は何番教室だったかを思い出す。
201教室を目指して歩みを進める。
202教室はドアを完全に閉め切っており、ガラスもないコンクリートの壁なので中の状況が分からない。
202教室をさらっと通り過ぎて201教室、前ドアの前に立ち止まる。
そしてなんの躊躇いもなく、カラカラっとドアを開ける。
もう三十人近く来ていた。R組のクラス人数は三十五人で、空いている席は俺含めたった六席だ。
出席番号順ならばワ行なので席は教卓側から見て左側の一番後ろだと予想はついていた。
案の定、というべきか、予想は的中した。
さっさと移動し、席についた。
皆は全く喋らず、瞑想するものもいれば、座りながらできる軽い運動、高等学校内容の予習など人それぞれだ。
恐らく【ヤツ】がいなければ皆喋り放題だったのだろう。
その【ヤツ】というのは、ゴリゴリマッチョ体型身長は一九〇超えているであろう巨人だ。巨人と述べたが、先生とも言う。似合わないネイビーのスーツを着ており、後ろの黒板には不恰好で威圧的な日本語で、
『俺が喋ってもいいというまで喋るな』と書いてあった。
俺は着席した後、電車の続き、つまり睡眠を開始した。隣に座っている黒髪ショートヘアの女の子は、寝息を立てながらすやすやと熟睡している。表情や体つきから体育系と判断できる。
彼女につづき、俺は突っ伏の体勢になり、そっと目を瞑る。
……ドスドスと大きな足音が頭に響き始める。
それは次第に大きくなり、そしてその乱暴なリズムは俺の睡眠を妨げた。
そして、ここR組の前で足音が止まり、これまた乱暴な素振りでドアが開く。
「……………ここが、俺様の教室か」