狩り
4月4日、今日は俺の誕生日になるらしい。パーティ用に美味しいものをとってきてね。と、お義母さんに家から森に送り出された、俺は困惑していた。美味しいものね…。 そんなことを考えていると、音が聞こえた。
「あれは…?熊か…?」
大きな熊がいる。こんな人里近いところに…?明らかに危ない。駆除しないと被害が出るかもしれない。村の人なんて、ほんとはどうでもいい。それでも、ルルたちが悲しむのは嫌だなぁ。熊肉って、意外とうまいんだよなぁ。今日のパーティは熊肉だぜ。
ルル家に入った俺はこうやって、家族の役に立っていた。いや、役に立っている気分になっていた。本当は分からない。
半年以上狩りを続けた俺は、高い身体能力も影響し実は既にエキスパートになっていた。傭兵時代も、武装は多様で戦士のような戦いは1度もしなかった。槍と短剣を使おう。まずは石を投げる。後頭部に直撃する。しかし、流石になんともない。
「グオオオオオオ!!」
真っ直ぐ直進してくる。タイミングを合わせ、槍を突き刺そう。
「突き刺すのではなく、置くように…!!ここだっ!!」
「グギャ!?」
頭に突き刺さる即死かと思ったが、流石クマだ。槍は拾わず短剣で切り裂く。目を潰して動きを止める。切り裂いていく。何度も何度も…
もう、何度目分からないような斬撃でクマは動かなくなった。