殺戮の果てに
1つ夢を見た。これは、俺の過去の話。
男の叫びが、女の悲鳴が聞こえる、血に塗れた手を見る。傭兵、全くもって夢のない職業である。金次第で、なんにでも手を出す。俺も当時は、いろんなことに手をかけた。戦争にも参加し、貴族の暗殺、罪人の護衛だってした。とにかく、金が必要だった。自分のたった一人の妹の病気を治すために。7億ゴールド、医師が俺に突きつけた金額だった。しかし、俺はそれでも守りたかった。傭兵のランクは1位になり、傭兵長を務める程に強くなった。
そんなある日、事件は起こった。いつもの様に疲れ果てて家に帰る途中、俺は異変に気づく。俺の家が...燃えている。
「メルっ...!!」
全力疾走する。妹を妹を助けなければ、俺は火の中に飛び込んだ。部屋まで駆け込む。そこで俺は絶句する。ベットで横になっていた妹は腹に包丁が突き刺さっていた。これは、妹は料理にでも失敗したのだろうと思っていた。これは、誰かにやられたのだ。
「メルっ...!おい、メルっ!返事しろよ。頼む、死なないでくれ!」
両手で揺する、メルはうっすらと目を開ける。生きている。ホッと安堵した時だった。
「ごめんね、お兄ちゃん。」
「おい...?何を言ってるんだ...。まるで、死ぬみたいじゃないか。」
メルは目を閉じる。
血にまみれた妹を背負って火の海から出る。直ぐに、医師に連れていったが助からなかった。
後日、悲しみに暮れ全てを失った俺は傭兵を辞めた。俺は、全てを失った。
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