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隠れ魔女の現代生活  作者: ハクレン
第一章 学生生活編
7/15

第五話 火の4番とクレープ屋さん

「りーこ姉は火の4番。ムッとしたときは感情を抑えてみて」


「う…今日それが来ましたか。アデ子のタロット占いは当たるからなー。

それきっと今日の練習試合のことだよー、がんばってみる」


りーこ姉こと、莉子りこはお隣のクラスのバスケ部のエース。

ポジションは、ほら、あの司令塔的な人。有里菜から1年生でそれをこなすのはすごいことなんだって聞いた。


りーこ姉はショートボブで前髪をアシンメトリーにしているオシャレさんだ。

私より30センチ背が高い。

ファッションもとても大人びていて、ハイファッションな洋服を好んで着ている。制服を着ていないと高校生には見えない。

休日、一緒に遊びに行くとよく姉妹と間違われたりも。

そのうちにわたしの中では莉子がお姉ちゃん的な存在になり、それ以来わたしは莉子をりーこ姉と呼んでいる。

りーこ姉はわたしをアデ子と呼ぶ。

りーこ姉曰く、"姉妹になった祝に私の子の字を授けようー"とのこと。授かった。 


なんか心配になってきた。りーこ姉には言えなかったけど補足で出たカードは……


「りーこ姉、今日の練習試合見に行っていい?」


「もちろんだよ妹よ。アデ子が来るなら気合入れなくっちゃね。じゃ、そろそろクラスに戻るねー」


「うん。いってらっしゃーい」と手をふるわたし。




わたしのタロット占いはよく当たる。

その率はなんとほぼ100パーセント。

どうやらわたしにはタロット占いの素質があるみたいなのだ。


使うデッキは10歳の時にお母さんに教わりながら作ったオリジナルのカード達。まだ10歳だったからタロットに描いた絵も文字も落書きみたいなんだけども、手に馴染んだこのデッキをずっと使っている。



「アデルちゃん、私も次の休み時間占い頼めるかしら?」

と蜜柑ちゃん。


「うん。大丈夫だよー」

私のタロット占いは学校で大人気なのだ。





ーーーーー


放課後の体育館。


近くの高校とのバスケ部練習試合。


莉子のチームは白いユニフォーム。


相手チームは赤のユニフォーム。


試合開始とともに莉子は相手チームに執拗にマークされ思うように動けないでいた。




あ。りーこ姉、やっぱりイライラしてる。

この辺りじゃ、りーこ姉の実力は有名みたいだから、すごいマークのされようだよ。


りーこ姉、火の4番!火の4番だよー!



あー、このままじゃ補足で出たカード 水の6番 "よきせぬトラブル"がー!


早くリラックスさせる魔法を!


えーと、まずはラベンダーの妖精を呼ん…

あ! りーこ姉!ダメだよ!

りーこ姉のあの顔はもうイライラが限界に来ている! 

ああ、魔法が間に合わない! 間に合えー!


もうすぐだから待っててりーこ姉! 


火の4番!火の4番!


りーこ姉ーー! 


火の4番!

う、、間に合わない!りーこ姉!火の……


『『赤の4番!!!』』 アデルは精一杯叫んだ。




ドリブルしていた相手チームの選手、赤のユニフォームの4番は動きを止めた。



続いて選手みんな動きを止めた。



ベンチの選手も声援を止めた。





「え? わ、わたし今、赤の……?? え、違…」





審判のホイッスルが体育館に鳴り響いた。







怒られた。





ーーーーー





「ぷ、ごめ、あはははは!」

試合終了後、校門で待っていたアデルを見つけるやいなや、堪えられずに声を出し笑う莉子。



「ううー、恥ずかしかったよー、りーこ姉ー。

笑わないでぇー。 あとごめんなさい……」

顔を真っ赤にしてシュンとしているアデル。


「ごめん、でも、アデ子が、おかしくって、、ふぅ。いや、今日の試合、アデ子のおかげて勝てたようなものだよ、あの後イライラが吹き飛んでさー。試合中ずっと笑うの耐えてたくらいだよ。ありがとうアデ子」

と笑いながらアデルの肩をたたく莉子。


「それはなによりだよ。試合が中止になるんじゃないかって、本当に怖かったんだから。審判も怖かったんだから」

また涙ぐむアデル。


「練習試合だし、あれくらいじゃ中止にはならないよ。そうだ、今から例のクレープ屋さん行かない?」



「・・・行く。あと、おめでとう。りーこ姉」












ーーーーー





晴の海の底の底




底無しの黒が光を浴びて目を覚ます




古代のマホウツカイからの贈り物




全ての闇を吸い尽くす




ソレは時空に縛られず




全ての闇を蒐集し




ソレは今夜も闇の中




唯一無二の色放つ









「見つ…け……た…ぞ……我が…」





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