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隠れ魔女の現代生活  作者: ハクレン
第一章 学生生活編
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第一話 アデルの誕生日

「ハッピーバースデー!!!」


2019年1月11日の正午、場所は日本。都心から少し離れたところにある自然に囲まれた田舎町。

山の麓、メテオール家。


クラッカーの音と共に家族から発せられたその誕生日を祝うコトバは歓喜に満ちていた。

ただの誕生日ではない。そう、わたしは今日、成人したのだ。

そう、何を隠そう成人したのだ!


わたしは運が良かったほうだ。そうに違いない。理想とは違うけども運が良かったと言える。わたしの胸には一族の紋章が誇らしげに金色に輝いている。待ちに待った輝きだ。みんなとお揃いの一族の紋章。11時11分、家族に見守られながらわたしは15歳の誕生日の今日、成人した。



「なんて素晴しい日なんだ。パパは嬉しいよアデル!」

と、肉体年齢19歳(実年齢256歳)、細身、身長175cm、漆黒の眼に、足まで届く黒髪をそのままストレートにおろしているお父さんがわたしを両手で持ち上げる。あれ?普段黒い服しか着ないお父さんがスミレ色のセーターを着ている。珍しい。


それを見て微笑む肉体年齢14歳(実年齢580歳)、碧眼、足まで届く少しくせっ毛のブロンドヘアーで、わたしとほぼ同じ身長142cmのお母さん。薄い桜色のVネックセーターに、黄色のミモレ丈スカート、その上から去年の誕生日に父に貰った白いエプロンを着ている。


両親の祝福を受け幸せに浸る肉体年齢15歳(実年齢15歳)、ブロンド、ミディアムロング、身長145cm、碧眼のわたし。成人した日から着ることを許される夜空色の一族のローブを着ている。とても誇らしい。


わたしの両親の家系は世にも珍しい魔法不老不死族。吸血鬼でもなくアンデッドでもない。先祖の魔法でそういう体質が受け継がれているとかなんとか。それについては今日は考えたくない。

今は15歳で成人できた幸運に浸ろう。

わたしの一族の一番の問題から今日開放されたのだから。

そう、わたしの一族はある日突然胸の真ん中に一族の紋様が浮き出てくる。その紋様が出たあとは肉体年齢がストップするのだ。

そしてそれが成人の証とされる。 

それが出るのは誕生日の産まれた時間きっかり。しかし何歳の誕生日にそれが出るかは誰にもわからない。


わたしは20歳位が良いなあと思っていたが15歳も悪くない。

と、イチゴをたっぷり使ったお母さんお手製のフレジェを食べながら幸せに浸るわたし。


「良かったわ、私より一年、肉体年齢が上になってしまったけれど、幸運な方よ。おじいちゃんは7歳で成人しちゃったのだから」とわたしの隣に座っているお母さんがレモンバームティーをわたしのカップに注ぎながら言った。うちの庭で採れたレモンバームを使っている。わたしのお気に入りだ。


それを聞いて、変身魔法で貫禄のある80代の姿に変身していたおじいちゃんが魔法をとき、

「ワシはこれでよいのだ。これがワシであり、完璧なワシであり、完璧である、そう完璧なのだ。7歳の肉体こそ世界一なのだ」と白髪碧眼の少年おじいちゃんは胸を張る。

おじいちゃんは一族の中でもとても強い魔力を持っている魔法使いだ。

特に、おじいちゃんの作る魔法の飴は本当に強力で勝手に食べたわたしは3日間、HBの鉛筆として過ごしたことがある。。とのこと。

わたしはその3日間の記憶がない。。

とてもおいしそうなレモン色の飴だったのは覚えている。

その時は私のパートナーである精霊が両親に伝えてくれて無事生きて戻れたという話だ。恐ろしや〜、おじいちゃんの飴。なぜそんな飴を作ったのか今のわたしには見当もつかないし聞きたくない。うん、聞きたくない。


うん。今日は晴れてて良かった。

一族の庭に住む妖精、精霊たちも集まって祝ってくれている。

わたしの人生は順調のように思える。


まだまだ乗り越えるべき一族の問題はたくさんあるけれど、今日はこの素晴しい誕生日を楽しむことにした。

読んでくださり ありがとうございます。

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