第12話 休日 後編
休日の午前中に訓練を終え、お昼を食べたトモヤたちは、午後になると、みんなで買い物にやってきた。
町では、シルヴィア、シア、クリス、オリビアという4人もの超絶美少女がいるためとても目立つことになってしまった。しかし、シルヴィアは、皇帝の娘であるということはみな知っているし、トモヤも服装から皇帝候補であることがわかるため、ごろつきなどに絡まれることもなかった。
とはいえ、男ともの視線はあるわけであり、クリスはできる限り、トモヤとシアに手を握って行動し、オリビアはすっかりなついたシルヴィアの手を握っていた。シルヴィアは少し恥ずかしそうにしていたが。
「ここがそうだ。トモヤ。お前がほしいものを取り扱っている店だ。」
トモヤたちがやってきたのは、トモヤがシア達にプレゼントするための奴隷の輪の販売店だ。現在、シアたちが身に着けているのは、首輪で、武骨なデザインで、一見して奴隷だとわかる全くかわいげのないデザインだ。
「三人とも、大きい首輪で大変だろうし、好きなの選んでいいよ。訓練に付きあってくれたお礼だからさ。気にしないで。」
シアとクリスは、遠慮がちながらも女の子らしく、かわいい輪を探し始めた。
一方、オリビアは、当然という感じでシルヴィアを引っ張っていき、試着をしながらどれがいいかをシルヴィアに聞き始めた。もっとも、シルヴィアにどれがいいか聞きながらも、身に着けるたびにトモヤのもとへ行き、ちらりとトモヤの反応をうかがおうとしていたところはかわいいなあとか筆者は思ってしまいます。
購入を終えたシアたちは、さっそくトモヤに購入してもらった輪を身に着け始めた。アガレス帝国では、奴隷に持たせる輪でもっとも人気のあるのは、大きな鎖のついた大きな首輪であり、かわいらしいデザインのものは必ずしも多くなかったが、三人ともとても満足した様子で、笑っていた。
そんな様子を見ていたシルヴィアがぽつりとつぶやく。
「この国でそんな笑顔ができる女性ははじめてみたかもな・・・全く、奴隷をは思えないな。」
そんなつぶやきを聞いたトモヤが、シルヴィアに綺麗なネックレスを渡す。
「これ、シルヴィアもよかったら、どうかな?」
「・・・・なんだ?貴様、この私に貴様の奴隷になれとでもいうつもりか?」
シルヴィアは、とても怖い顔つきでトモヤをにらむ・
「ち、違うよ。これは、別に、奴隷になる効果とかないからさ。」
「ふん。そういって、だまして奴隷にした男の話を聞いたことがあるぞ。どうせ、お前もそのくちだろう?」
「そ、そんな・・・」
トモヤは、シルヴィアの反応に落ち込んでしまう。
「・・・・」
「・・・・」
少し気まずい雰囲気が流れる。
シルヴィアが先に声をだす。
「いや、すまない。冗談だ。その、私が、そんなかわいらしいものもらっても似合わないだろう。だから、断ったんだ。お前が、私を奴隷にしようなどと考えているとはおもっていないさ。それに、あんなに楽しそうなシアたちの様子見てたらお前の奴隷ならわ・・あっ、いやなんでもない。」
シルヴィアは、恥ずかしそうに目をそらす。
「とにかくさ、身に着けなくてもいいから、もらうだけもらってよ。シルヴィアはすっごい美人だから絶対に合うよ。」
「そ、そこまでいうなら。仕方ないな。もらってやる。」
シルヴィア、少し乱暴に顔を赤くしながら、ネックレスを受けっとった。
「あれれ。ご主人様とシルヴィアさんなんだかいい雰囲気ですね。」
「ば、ばか。お前は何を言っているんだ。知らん!私は、もう帰る!」
シルヴィアは、そのまま、一人、帰ってしまった。
トモヤたちに後ろ姿を見せながら帰ったため、帰り際の表情を見ることができたものはいないが、確かに、シルヴィアは笑っていた。
「す、すみません。ご主人様。私、余計なことを言ってしまったようでした。」
「え!?あっ。いいよ。気にしないで。」
トモヤは、超絶美少女と、お互いに異性を意識した会話をしたことで、顔を赤くしながら少しぼーっとしてしまっていた。
「お兄ちゃん?」
「お兄さん?そろそろ暗くなりますけど、帰らないのですか?」
クリスは、シルヴィアの帰っていく姿をいつまでも眺めているトモヤに少し、むっとして、ちょっぴり強くを手を握った。オリビアも、シルヴィアがいなくり、トモヤの手を握らながらそう質問した。
「そうだな。帰ろう。」
帰りは、シア、クリス、トモヤ、オリビアの順で並んでみんなで手をつなぎながら仲良く帰った。
帰ってから、オリビアは、シアに耳打ちされた。
「帰りは私ではなく、ご主人様の手を握っていましたね?口ではいろいろいいながらもオリビアお嬢様もずいぶんご主人様に気を許していらっしゃいますね。もう少しご主人様に優しいお言葉をかけてあげた方がもっと仲良くなれると思いますよ?」
その言葉を聞いたオリビアは、トモヤの近くにいくと、買い物に連れていってくれたことや、日頃優しくしてくれていることへのお礼を言おうとした。
「お、お兄さん。今日は、そのあ、あ・・・・」
しかし、オリビアは恥ずかしくなってしまい、言葉を詰まらせた後、顔を真っ赤にしながら、「なんでもないです!」と言って、トモヤの脛を思いっきり蹴った。
「うぎゃあああああ。」
トモヤは、気を纏う事もしておらず、久しぶりに生身で感じる痛みで絶叫したものの、その後、シアとクリスが優しく解放してくれたので、やすらかな気持ちで一日を終えることができた。オリビアは、そんな様子のトモヤにいつも以上に不機嫌になっていたが、買ってもらった輪を、時折眺めて嬉しそうにしていた。




