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幕間

「それで、話の続きは?」

夕焼け空にピンクの花びらがヒラヒラと舞っているのがどこか寂しく感じさせるのは、今聞いた話のせいだろうか。

今年は暖かい日が続いたせいか三月末にもかかわらず早くも散り始める種類もいるようだ。

「続きと言われてもなぁ。この本はここで終わってるんだよ。」

と、今この物語を話していた男--まあうちの部活の部長なわけだが--は話の終わり方に納得のいかない俺の幼馴染とぎゃーぎゃーもめている。

時刻は5時30分を過ぎたところ。そろそろ帰らないと先生が早く帰れと小言を言いに来てしまう。

ないものはないと言われ、時間も時間だからかあきらめたようで、彼女は俺ともう一人の幼馴染とに一緒に帰ろうと言ってきた。

「おうおう、仲良し子よしでうらやましいな。けどこの時間は気をつけな。ちょうど暗くなるころだ。この話みたいに誰か誘拐されるかもな」

ははは、と冗談なのか本気なのかわからない口調で茶化してくる。

「はいはい、会長は寂しく一人で帰ってくださいねー。それに私誘拐とかされませんし。むしろ返り討ちですし。あんまり鬼を舐めないで下さいよ会長」

会長と言うのは部長の事で、生徒会長なので会長。この部の部長でもあるが「会長」以外で呼ぶものはいない。

それでは失礼しますと、教室を後にする。

そしてそのまま三人で仲良く帰った。

今日の宿題がどうだとか、この前買ったマンガの話だとか、少し離れたところにある和菓子屋さんの和菓子が美味しいらしいから食べに行こうだとか、そんな他愛もない話をしてそれぞれの家路へとついた。

もうすぐあいつがいなくなって二度目の新学期。

このもやもやとした気持ちはすっきりしそうにない。

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