皆!!夏祭りだよ!!
この物語は実際の軍、国、団体とは全く関係ありません。
夏休みスペシャルです。
今回はスペシャル番として、いつもより長めのお話です‼
<そうだ、京都行こう!>
「やっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!! 京都だ京都!」
「西田、窓から落ちるなよ。新幹線から落ちたら、流石の西田も死ぬだろ」
「金井の中では戦艦爆発と新幹線なら、新幹線の方が危険なんだな。よし、わかった。西田、飛び降りろ」
「え!?」
「大丈夫だって、死なないから。俺は金井に常識を教えてやらなきゃいけないんだよ」
「清水、ちょっとテンション高いでしょー?」
「……てへぺろ」
「まぁ、しょうがないよね。僕だって楽しみで、昨日寝れなかったもん!」
「ああ……」
「ねー、並木もそう思う?」
「ああ……ああ?」
「あれ?本当だ。小野寺と宮腰は?」
「あいつらなら雉撃ちに行くって言ったっきり帰ってきてない」
「?」
「もしくはお花摘みに」
「??」
「金井、今のネタ、ほとんどの人がわからなかったんじゃないかな?川村、金井はね?二人はトイレに行ったっきり帰ってきてないって言ったんだよ」
「あ、そっかぁなるほど! 流石西田」
「いやぁそれほどでもぉ。お、噂をすれば。帰ってきたよ」
「遅かったな、二人とも」
「聞いてよ清水ー、宮腰が……」
「さっき誰かとすれ違った時に、めっちゃイイ匂いがしたんだよ!」
「……」
「あれは香水か?……いや、シャンプーか……くっそ、顔見ときゃよかった」
「……宮腰、とりあえずこの旅行中は大人しくしてろよ?頼むから」
<駅に到着>
「本当に京都だぁ、京都にいるんだぁ」
「……マロン、今頃何してるかな?」
「早くも帰りたくなってんじゃねーか。これだからコミュ症は」
「清水ー、あの子達学生かな?」
「ん?本当だ。たぶん修学旅行じゃないか?」
「へーい君たち! 修学旅行中なのー?」
「小野寺ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「え?……あ、はい」
「修学旅行って言ったら二年生?あれ、中学生だよね?」
「はい、そうです。といっても、高二の先輩も一緒ですけど」
「へぇ! 中高一緒なんだ。楽しそうだね!」
「小野寺ほら、もういいだろ?(なんか大きい子がめちゃくちゃ睨んできてるー!)」
「待って清水! 俺小野寺って言うの。君たちは?」
「俺は定治っていいます」
「日向です」
「翔太です。こっちは弟の京太」
「「お、弟!?」」
「そうですよー。あ、俺のが小さいからびっくりしちゃいました?俺たちこれでも双子なんです。ね、京太?」
「……」
「(さっきから睨んでるこの子は京太君か……)小野寺、本当にそろそろ行くぞ。あいつらをほっとくのは不安だし……」
「おぉう! そうだった! じゃあまたねー!」
「はぁ……中学生相手にひやひやした」
「そんでな! こーんな小さい子が、こーんな大きい子の兄貴だったんだよ!」
「えー、いいなぁ。僕もお話したかった」
「うちもうちも! そういえば宮腰は、興味ありそうなのに一緒に行かなかったんだね」
「宮腰ならさっきからずっとボーっとしてる。新幹線であったイイ匂いの人が忘れられないらしい」
「「「「「まさか……」」」」」
「?……まさかって?」
「いや、なんでもないよ金井」
「今って並木もまさかって言った?」
「……ああ」
<おいでやす☆>
「着いて直ぐでなんだが、みんなもう浴衣は着たか?」
「「「「「「はーい」」」」」」
「じゃあ祭り行くぞ。もう夕方だし、花火見るならちょうどいいだろ」
「わーい! 祭り祭り! 清水俺焼きそば食べたい!」
「自分で買え!」
「うちはりんご飴食べよー」
「俺、りんご飴好きじゃない」
「僕はいつも飴のところで飽きちゃう」
「それならもうべっこう飴舐めとけよ」
「それ、いっつも思うんだよねー」
「……宮腰がさっきから静か」
「……そっとしておいてやれ」
「……ああ」
<射的>
「あれ?お兄さんじゃないですか」
「り、臨太郎君!? なんでここに……」
「遥が、せっかくの長期休暇だから出かけるって言い出して……いやぁ、でも嬉しいなぁ! 休みまで兄さんにお会いできるなんて!」
「そう言いながらキョロキョロしないでくれる?それに、この店には金井は絶対近寄らないよ?」
「あぁー、臨ちゃん射的へたくそですもんね。そっかぁ、残念。じゃあこれ、臨ちゃんに渡しといてくださいよ」
「……なにこれ?」
「俺が獲ったアルパカのぬいぐるみです」
「いや、そうじゃなくて! 自分で渡して!? 俺、まだ殺されたくないよ!」
「なぁに言ってるんですか。臨ちゃんは今、アルパカにはまってるんです。この前はキーホルダーを部屋に飾ってましたから」
「え、そうなの?……ってなんで臨太郎君が知ってるんだ……」
「何でって……愛、ですかね//」
「そこで照れないで。あ、拓磨」
「げっ……なんでここにいるんだよ……」
「お兄さんたちも旅行みたいだよー」
「……行くぞ」
「あ、待ってたっくん! それじゃお兄さん、それ、お願いしますね!」
「え、ちょっ……行っちゃった。どうしよう、これ」
「金井」
「ん?なに清水」
「これ……」
「……」
「(ひえー、やっぱ怒ってる!?)ち、違うんだ金井! 俺は頼まれただけで……」
「……ありがとう」
「へ?」
「くれるんだろ?貰っとく」
「……(う、嬉しそう……だと!?)」
<なんのフラグですか?>
「宮腰ー、いい加減に眉間のしわ取れなくなっちゃうよー?」
「……はぁ、何で名前ぐらい聞かなかったんだろ……つーか顔も見てねーし」
「ああ……」
「並木の言うとおり、これは重症だねー」
「おーい! 川村並木宮腰! こっち! 焼きそば売ってる!」
「ちょっ、小野寺うしろ!」
「うん?」
どんっ
「あいたたた……ごめん! 俺、よく見てなかった!」
「ぁ……いえ、俺も下見てて……げほっ」
「え、ちょ、大丈夫!?」
「小野寺、何やってるんだよ! 大丈夫?君。どっか調子悪いの?」
「いや……ちょっと人に酔って……」
「とりあえず、陰のほうに寄ろっか。立てる?」
「……すみません」
「色目使わない宮腰は、ただのイケメンだよねー」
「ああ……」
「あの、すみません。もう大丈夫です」
「本当?良かったー」
「ごめん! 俺が周り見てなかったばっかりに……」
「本当だぞ、小野寺」
「いえ、あの……本当にもう大丈夫なんで」
「修学旅行生さんだよね?高校生?お友達とか先生に、迎えに来てもらったほうが良いんじゃない?」
「はい。メールしたら、直ぐ来るって……」
「ん?もしかして、中高で一緒に旅行中だったりする?」
「はい、そうです」
「あれ!? じゃあ朝会った子達と同じ学校だ! 定治君とか日向君とかー、翔太君とか京太君って知ってる?」
「小野寺、それ中二だろ?いくら学校が一緒でも流石に「あの……」ん?」
「弟です。日向は」
「「「「え?」」」」
「嘘!? ……あんま似てない!」
「小野寺! 失礼だろ!」
「いや、いいんです。よく言われるんで」
「へぇ……ん?あれお友達じゃないか?」
「兄人ー!? 兄人ー!」
「あ……優介」
「兄人! よかった……ごめんはぐれて」
「別に……」
「あ、兄人と一緒にいてくださったんですよね?ありがとうございます」
「全然いいよー」
「というか、ぶつかったのはこっちだしな」
「うぅー、ごめんね?兄人君!」
「いえ、大丈夫です」
「本当にありがとうございました! それじゃあ俺らは友達が待ってるんで、失礼しますね」
「ありがとうございました」
「うん! 気をつけてねー」
「じゃあな」
「ばいばーい、また今度!」
「ああ……」
「……ね、あの二人、手繋いで行ったね……いや、多分またはぐれないためだと思うよ?」
「…あーあ」
<小野寺を探せ!>
「小野寺ー?小野寺どこ行った?金井、小野寺いたか?」
「いいや……つーか俺ら以外誰も見つからない」
「こりゃあうちらがはぐれたのか、向こうが勝手に迷ってるのか……つーかあっつ……汗拭きたい」
「あの……」
「?はい」
「小野寺さんって、ハーフアップのちょっと元気な感じの人ですか?」
「そ、そうです!」
「その人なら、さっき向こうでお連れの方と一緒にいましたよ?」
「ありがとうございます!」
「いえいえ。あと、よかったらこのタオル使ってください」
「え!? いやいや、悪いです!」
「大丈夫、俺のはありますから。本当はこいつが使うかもと思って持ってきたんですけど、こいつ潔癖だから使わないって。だからどうぞ、差し上げます」
「え、ええええっとぉー……ありがとうございます!」
「どういたしまして」
「うわー、何あの人。イケメンだったわー」
「隣の奴めっちゃ睨んでたけどな」
「とりあえずあいつらに合流しよう。いやーあの美人さんには感謝だ」
<痕跡>
「小野寺こらぁぁぁぁぁぁ! 勝手にふらつくなって言ってんだろーがぁぁぁぁぁぁぁ!」
「俺だけじゃないじゃん!」
「川村よかった、ここにいたのか。偉いぞよしよし」
「なんか扱いが違うー?ま、いいや! それより西田、タオルなんて持ってきてたっけ?」
「うふふー。これねー、さっきイケメンにもらったの!」
がしっ
「ちょ、宮腰!?」
「なぁ……それってどんな人だった?」
「え!? うーんと…優しくてー、綺麗系だった! うん、イケメンって言うより美人さん?」
「……イイ匂い、したか?つーかするな、このタオルから……間違いない、その人だ」
だっ
「み、宮腰どこ行くのー!?」
「……お前ら、追うぞ!」
「「「「「ラジャ!」」」」」
<愛しのあの人>
「あっつ……」
「だから、タオルいる?って聞いたのに」
「お前のタオルなんて、汚くて使えるわけねーだろ」
「本当に失礼だよね。ま、さっきの子すっごい喜んでくれたし、いいんだけどねー」
「……お前、たいがい世話焼きだよな」
「褒めてくれんの?ありがとー」
「お節介って言ったんだよ」
がしっ
「!?」
「あの……今朝新幹線に乗ってましたよね?」
「え?……あ、まぁ。乗りましたけど……」
「……」
「あのー?」
「一目惚れしました! 結婚してください!」
「「はぁ!?」」
「こ、好美! 誰だよこいつ!」
「知らないよ! 学こそ、知り合いじゃないの!?」
「はぁ!? どう見たってお前関係だろーが!」
「ていうか手! 手離して!」
「あぁ、好美さんっておっしゃるんですね。あなたにぴったりの、可憐なお名前です」
「聞けよ! っていうか力強っ! ま、学助けて!」
「知るかよ!」
「あーっと、ちょっとごめんなさーい。宮腰いたぁ!」
「よくやった小野寺! って宮腰何やってんだ!」
「さ、さっきの! えーっと、宮腰さん?が離れなくて……」
「すみません! 本当にすみません! 今剥がすんで……川村」
「ごめん宮腰!」
がすっ
「がはっ! ……」
「「えぇ!?」」
「「「「「「いやーお騒がせしましたー」」」」」」
「……はっ!」
「気がついたか宮腰、まずは「好美さん、俺の名前呼んでくれた!」……寝覚めはすこぶるいいようで安心したよ」
「もうちょっと強めにしておけば良かった?」
「川村、木刀を下ろして」
<帰り道>
「よーし、全員乗ったな?誰か置いてってたりしないな?……小野寺ー?」
「いるし!」
「よし! ……川村ー?」
「はーい!(むしゃむしゃ…」
「なら大丈夫かな」
「清水、宮腰がいない」
「み、宮腰!?」
「ああ……」
「こっのみさーん! いやぁ、帰りまでご一緒できるなんて、やっぱり俺ら運命ですね!」
「いや、全然違うから。たまたまだから。ていうか着いてこないでくれる?生徒に悪影響だからさ」
「ストイックですね。先生な好美さんも可愛いですよ。あ、なんなら俺、これから好美さんのこと、好美先生ってお呼びしますね!」
「……あいつ何やってんの」
「ああ……」
「あれ、清水さんじゃないですか?」
「ん?ああ、日向君。修学旅行は楽しかった?」
「はい、おかげさまで。あのー……」
「どうしたの?」
「その節は、兄ちゃんがお世話になりました」
「お兄さん?あ、もしかして……小野寺がぶつかったとかいう兄人君かな?それならこちらこそごめんね」
「いえ、本当に助かりました……あの、一つ伺ってもいいですか?」
「うん、いいよ?」
「……宮腰さんって、どんな方ですか?」
「宮腰?うーん、どうって言われても……わりとあのまんまだよ?でも、なんで?」
「好美先生が、珍しく苦手そうにしてるので」
「好美先生?……え、もしかして日向君、好美さんと知り合い!?」
「はい、数学の先生です。女性はもちろん、男性にも興味あるみたいなんで、あんまりああいう風に、人に嫌悪感を向ける先生じゃないんですよ」
「だ、男性にも興味あるの!?」
宮腰、イケるんじゃないか?と思った清水であった。
この物語はフィクションです。
今回の夏祭りだよ‼ は、いかがでしたでしょうか?
宮腰はゲイという設定なので、今回の話は宮腰の運命!? の出会いのお話に鳴りました。もし不快感を抱かれた人がいたらすみません。
一応ボーイズラブのタグを貼らせていただきます。
何かご意見がございましたら是非とも書いてくださると助かります。
感想なども貰えたら泣いて喜びますのでどうぞ感想なども下さると嬉しいです。
それでは長くなりましたが、良い夏休みを!