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この夏、この町で

作者: ミスター

今回はギャグを目指して書き始めたはいいものの、途中でどうしたらいいかわからなくなり、結局ギャグを捨てた私がみれますよ。


つまりは失敗作ですがまぁいいでしょう。

こんなでも一応頑張りました!

またここで・・・会おうね・・・!


そう言って小指を絡めたあの日から、もう9年経った。


今では昔のアルバムを引っ張り出してやっとこさ顔をうろ覚えながら記憶の底から引っ張りあげることができる程度。


親通しはたまに連絡を取っているらしく、それが唯一の連絡手段である。


そんなだから、俺は半ば半信半疑でここに立っている。


昨日親に「明日ちーちゃん帰ってくるって。あの場所で待ち合わせだってさ」などと唐突に言われたときは、あの場所がどこかよりちーちゃんが誰だったかを思い出せなかった。


あの場所というのは、特別なことはなく唯の堤防の先っちょ。


ちーちゃんというのは、俺が6歳の頃まで隣に住んでた女の子。


でもそれから先は向こうが海外で暮らすことになるとかで、そっから会うこともなく9年経った。


因みに、本名は高見智絵(たかみちえ)


少し待つと、遠くから船の音。


こんな田舎町。


来る船も多くないので直ぐにわかる。


「あの船かな」


違ったら恥ずかしいので手は振らない。


港に入るのを見送って、俺は腰を下ろした。


こんな真夏にずっと立ってたら倒れる、とか考えた訳ではないけど、しんどいのは確か。


なんでこんな日に限って晴天なのだろう。


足元にうじゃうじゃいるフナムシに聞いてみたくなる。


そんなときだった。


「虫が好きなのは相変わらずなのね!ロングタイムノーシーあーちゃん!」


後ろから呼ばれる。


あーちゃんは俺のこと。


敦也だから、あーちゃん。


といっても、呼ばれてたのは幼稚園のとき。


だからこんな呼び方するのは一人だけなわけで。


「おう、久し振りだな、ちー…!?」


呼ばれて振り返った俺は言葉を失った。


服装がなんかこう…突っ込まずにはいられない。


「なんでひげメガネなの?」


「オー!これはアメリカンジョーク?」


「じゃあその生首のネックレスはなんなの?」


「ほら、ネックレス!ネック…首!レス…!無い!首なしっていう素晴らしいアメリカンジョーク!」


「それレスしてるのは胴体なんじゃね?」


「それはそれでアメリカンジョーク!」


「アメリカで何学んだんだよもう…」


「ん?私が住んでたのアカプルコよー?」


「じゃあアメリカンジョーク何なんだよ!」


ひとしきり突っ込んだところで、ひげメガネを外したちー。


久しぶりにちーの顔を見た。


そしてそっと「ただいま」と言った。


俺は「おかえり」と小さく返すのだった。




で、流れでうちに来た。


ちーは昔住んでいた家、つまりはうちの隣にまた住むらしい。


転勤の多い家は大変そうだと素直に思う。


「で、どうよ?久しぶりの日本は?」


「なんか変わったネー!あーちゃん案内してよ!」


「あー、まぁいいかー。コンビニの場所とか知っとかないと不便だろうし」


変わらないと思っていたこの町も実は変わってるのかもしれない。


そう思うと、「あの場所で待ち合わせ」ってなかなかチャレンジャー精神溢れたことをしてきたんじゃないか?


堤防が無い可能性だって微レ存。



ちょいとうちで涼んだ後、コンビニを案内することになった。


ちょっと待っててと言われたので、新しく住民を得た隣の家の前で待つ。


「おまたー」


そう言って出てきたちーが背負っていたものを見て、またツッコミを…。


「あれ?あーくん、そんなんでいいの?」


「おかしいのこっち!?」


ツッコむ前に先手を取られた。


ちーが背負っていたのは誰がどう見ても登山用のリュック。


しかも背負うと頭の高さよりも高くなる本格的な奴。


何十リットル入るんだよあれ。


「日本人はコンビニ行くときはこれって決まってるんじゃないノー?」


「決まってねぇ!何買うんだよこんなに!」


こんな格好でコンビニ行く人、まずいないだろう。


リュックは置いてきて貰い、道を案内した。


田舎ゆえ唯一の歩いていけるコンビニ。


すぐ、そこ!とは言わないが、徒歩10分強。


海とは逆方向に歩いたところにある。


ほぼ一本道だし迷わないだろう。


ガリガリくんだけ買ってコンビニから出て、当てもなく家の方向へ歩いた。


「普段は何して遊んでんの?ワッツプレイ!?」


唐突にそう聞かれた。


ちょっと考えたが、基本海に遊びに行っている。


「泳いだりするよ?」


「オー!スウィミング!でも私スク水持ってないヨ」


「スク水じゃなくていいから!普通のでいいから!」

ちーの日本知識は何か間違っている。


それに逐一ツッコミを入れていたらいつの間にか家に着いた。


「どうする?」


「んー?あ、あーくんと高校一緒ねー!ついでにクラスもー!」


今後どうするかを聞いたら思いもよらない回答が来た。


ちー曰く、俺と同じ高校に行きたくて、クラスも同じにしてくれと頼んだらあっさり通ったらしい。


「そうか、まぁよろしくなー」


そう言って家に入ろうとした時だった。


「すぐ行くねー」と言ってちーは自宅に入って行った。


俺からするともう今日はいいんだけど。


荷ほどきでも手伝ってこいよもう。


「おまたー!」


考える間もなく来た。


水着で。


黄緑色のへそ出しビキニで。


左手には三又の銛。


ゴムが付いた方を床に立てている。


右手に持っているのは採った魚を入れる網だろうか。


背中に回している。


そして輝く笑顔で「さぁレッツゴー!」などど叫ぶちー。


おまけに髪まで後ろ手に束ねる力の入れよう。


「一回やってみたかったのネー!ばしゅっと!」


そう言って銛を構えた。


「うわ危ないだろこっち向けんなー!」


「じゃあ行こう!」


「~~~・・・」


負けた気はするが仕方なく付いていくことにした。


「あーくんの狩り場はドコ?」


「フナムシならあっちで採れるよ?」


「あれはコカローチ!」


「いや違うから!全然違うから!」



仕方がないので魚釣りをよくやる岩場に案内した。


すろと、ちーは興奮した様子で銛を高速で頭上で回転させた。


こんな幼馴染みは嫌だ。


そして狙いを定めたのか銛を一気に垂直に突き刺した。


「あー、外したー」


「今のは当てる流れだろ!北海道の熊のようにわんさか捕れよ!」


「私その例え分かんない」


通じなかった。


「それに、これで突き刺したら魚と漁師がかわいそう」


「じゃあそれ持ち出すなよ!」


無意識に突っ込んでいた。



帰り際、夕日が海に落ちていくのがみえた。


「ほら!ジュッ、って、音がした!」


「え!?」


なにやら無下に否定しにくい発言。


「帰ろう!明日から毎日行くね!」


ちーの発言に困っているとそう声がした。


「毎日は勘弁してくれ・・・」


「じゃあ来る?」


「夏休みはのんびりしたいよ」


俺の声が聞こえたかは分からないが、ちーは上機嫌に鼻歌を歌い始めた。


少し歩くと直ぐに家に着いた。


じゃあな、そう言おうとしたときに呼び止められる。


「あーくん!ドゥユーハブガールフレンド?」


「あ?ノー!いねーよそんなん」


この方そんなものいた試しがない。


「じゃー私が彼女やってあげるヨ!」


はぅ?


いや、そういうのいいから本当に勘弁してください。


「じゃねー!」


そう言ってちーは家に入って行った。


その夜。


ちーから電話があった。


『大根おろしとぶり大根どっちが好き?』


「比べる対象おかしくね?付け合わせとおかずじゃねーか!」


『どっち!?』


「ぶり苦手だから大根おろしかな」


『わかった』


で、予想はしてたが翌日大根おろしを大量に持ってきたちー。


どうしろと?


その翌日は偶然家にカレールーとジャガイモとニンジンと玉ねぎがあったと言ってカレーをもってきた。


「それ偶然じゃないよね?意図的に買ってきた今晩のおかずとかだよね?」


「そうなの?」


いや聞き返されても困るけどね!


「まぁ、アメリカンジョークってことで!」


「ジョークじゃねぇ!」


おかしな関係が始まった夏でした。

ぐだぐた~っとして本編終わった感じですね。


ぶっ飛んだカルチャーショック?むたいな題材は書きやすいかと思いきやそうでもなかったですね。


また今度頑張ってみたいと思います!

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― 新着の感想 ―
[一言] 日本のジョークより、アメリカンジョークの方が好きですね。 日本のジョークは、冷めて見てますね。 笑うのは、笑点ぐらいです。 意味がわからないジョークもありますけど、実際にありそうなネタですし…
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