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JKだけど異世界で真の漢に俺はなる  作者: 相川ミサヲ
第1章
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◇イケメンの弟が現れた!◇

 読んでくださって、ありがとうございます。

とても励みになります。

 この世界には異世界人ネットワークという組織があるらしい。

 そんなに異世界からの来訪者の数が多いのだろうか。



 「できたのは最近だ。発起人は俺のじーさんなんだが。まぁ、ネットワークと言ってもそんなにまだ人数がいないようだぞ?だが、メンバーがすごいんだ」


 参加メンバーの面子を聞いて腰を抜かした。

 いずれも大賢者だの勇者だの神子だの…すさまじいチート臭がする面子ばかりだ。

 「お前も何かしらの『チート能力』をもっていると俺はふんでいるんだが」

 彼はちょっと悪そうな笑みを浮かべた。豹の顔なのに表情豊かだ。


 ――この人はいったいなにをたくらんでいるんだ。砦の守備隊長だろ。


 俺が胡乱な目でウィルを見ていると玄関の方角から誰かが騒ぐ声が聞こえてきた。


 なんだろう、と思っていると、バン!と食堂の扉があいた。


 「兄さん!」


 人化した時のウィルに似た少年が息をはずませて立っていた。


 「兄さんが、女性を家に連れ込んだって、本当!?」


 ウィルが盛大にむせた。


 少年が、あたりを忙しげに見回して、最後に俺に目をとめた。


 「もしかして…コレ?」

 指をさすな指を。親に習わなかったのか。

 そして「これはないわー」といった顔をするのはやめなさい。思ってもいいけど 顔に出さないのが最低限のマナーってものだろうが、とおもいながらしっかりガンを飛ばしてやった。


 少年から目を逸らされた。


 勝った!!

 ふっ、虚しさが、ない胸をよぎるぜ。



 少年はレオと名乗った。どこぞの大帝を彷彿させるな、まぁアレはライオンだったけど。

 ウィルの一番下の弟で、普段は王都に家族と住んでいるらしい。

 ウィルに似た顔があといったい幾つあるんだろうか?

 考えると、ワクワクがトマラネェ。

 夕べはこっちにいる友人の家に泊まっていたそうで、俺の(間違った噂)を聞きつけ、急いで兄の元へ駆けつけたらしい。



 14歳らしいが、俺とそう体格が違わなかった。少年らしい手足の細さと骨格の華奢さが際立っている。髪の毛とかはウィルより少しだけ明るい色をしていた。

 ウィルも14歳のころってこんな感じだったのだろうか。

 俺の腐った方面の友人なら彼をおかずに、ご飯のおかわりをするだろう。

 でもまぁよく見ればウィルほどじゃないな。

 大事な事なので2回言う。

 ウィルほどの超絶イケメンではない。


 「ちょうど良かった。お前が王都に戻る時に、アリサも一緒に連れていって、じーさんに引き合わせてあげてほしいんだ。頼まれてくれるか?」


 「…じーちゃん絡みの、わけありって事?」

 「そうだ。じーさんに預けようと思っている」


 異世界人ネットワークのことは、純異世界人である祖父と、その子どもである母親と、孫のうちでは鑑定スキルもちのウィルまでしか知らないらしい。

 レオも詳しい事は知らされていないようだが、そのことを追及する気はないようだ。


 いい弟じゃないか。

 年下なのに俺よりちょっと身長高いのが気にいらないけど!

 手足も長くて、その長い腕をひょいと伸ばすと、俺の頭を撫でやがった。

 「まぁ、俺が王都迄の道中面倒みてやるから、安心しな!」

 屈託のない眩しい笑顔で言うが、君、俺のこと、いくつだと思ってんの?

 その手を払いつつ、足払いをかけてやった。

 が、レオの奴、たたらを踏んで転ぶのを避けやがった。

 む。けっこう俊敏だな。


 「今のは、レオが悪い、ああ見えて、アリサは17歳だ」

 ウィルが呆れてレオに言うが、ああ見えてって何だ?どっから見てもすこぶるまともな女子高生じゃないか。失礼だろ。


 「…」

 うそだーと目が言っている、だから態度に出すのは失礼だとさっきも目力を籠めて注意したはず、それなのに、何平気で絡もうとしてくれちゃうの。

 「俺の知ってるその歳の女の子は、足払いかけに来たりしないけど?」

 そこはホラ俺、異世界人だし、こっちの常識知らないからさ。

 

 ――嘘だけど。

 

 「アリサは…記憶があいまいなんだ。いろいろ常識に疎いところがある」

 えー。その嘘設定また復活?

 結局記憶喪失のフリはしないといけないのか。

 ため息をつくと、それに合わせるように鐘がなった。

 「俺もぼちぼち砦に顔を出す時間だが、アリサも来るか?俺は時間が作れないが、レオに案内させる。」

 ウィルは出勤するようだ。

 俺はもちろん快諾した。今のうちに情報収集はしておくべきだろう。


 それから俺はウィルのメイドのローサ婦人が用意してくれたこっちの女性用の服に着替えて、――どうにも動きにくいんで下にジャージをはいたが――

 レオと共にウィルにくっついていって砦に行った。




 まぁその砦でも…


 「隊長!女の子拾って家に連れ込んだって本当っスか?」

 「隊長にもいよいよ春が…」

 とかいうお約束があったがみんなで俺を見る目が「ないわー」だった事は触れないでほしい出来事だ。

 くっそ、この世界の常識は、こういうのがお約束なのか?

 本気で泣くぞ?


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